LIPIボゴール植物園トレウブ研究所でのセミナー

2018年9月19日

2018年9月19日から20日の2日間に渡り、現地での研究活動を促進するため、LIPIボゴール植物園トレウブ研究所において、インドネシア側カウンターパートのインドネシア科学院(LIPI)の現地研究者を対象としたリグニン分析セミナーを実施した。

プロジェクト目標である高発熱型バイオマス植物開発を進めるにあたり、木質バイオマスの主要成分であり、バイオマス燃料や石油製品の代替となる化成品への原料として注目されているリグニンの植物内含有量や構成成分を分析する必要がある。

そのため、ガスクロマトグラフィー質量分析装置(GC-MS)(注1)を用いたリグニン分析を現地技術者が実施できるようになるための技術移転を行うものである。京都大学生存圏研究所の宮本託志特定研究員が講師を務め、本分析に携わるLIPI研究者7名が受講した。

本セミナーの結果、高発熱型バイオマス植物開発のために必要となる、GC-MSを用いたチオアシドリシス(注2)反応生成物の分析系を確立した。これにより現地研究者が自立して研究を行える体制が整い、プロジェクト研究がより一層円滑に進むことが期待される。

(注1)ガスクロマトグラフィー質量分析装置:混合試料の成分分離を行うガスクロマトグラフィーと、分離した化合物を検出する質量分析器で構成される装置。本プロジェクトでは、リグニンの分解生成物の定性定量分析に用いる。

(注2)チオアシドリシス:リグニン中の主要な部分構造を選択的に分解する反応。得られる反応生成物を分析することで、リグニン中の部分構造の含有量やその比率を推定することができる。

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GC-MSを用いた測定手法指導

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データ測定に取り組むLIPI研究者達