遠隔プロジェクトミーティング開催

2021年8月4日

インドネシアでの新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大傾向は一時期落ち着きを見せていたが、感染力の非常に強い変異種「デルタ株」の流入によって、一日当たりの陽性判明者が3万人から5万人を超える勢いで感染が急拡大している。さらに、衛生環境の悪い地域が多いことに加え、酸素吸入器の不足に代表される脆弱な医療体制、5%程度と未だ低いワクチン接種率等から、重症者、死亡者数も高止まりしている。

この深刻な感染状況を受けて、インドネシア政府は7月1日に緊急社会活動制限(PPKM Darurat)を発令し、ジャワ島・バリ島のほぼ全域において、社会必須活動以外の完全在宅勤務、学校通学禁止、ショッピングモールの閉鎖、店内での飲食禁止等の措置を行った。当初は7月3日から20日の予定であったが、感染者の顕著な減少傾向が見られないことから、段階的に地域によって規制を緩和しながら、実質的な延長を繰り返している。

プロジェクト拠点であるLIPIボゴール植物園も閉鎖され、関連する各研究所も原則的に在宅勤務となり、州をまたぐ国内移動も実質的に禁止される等、プロジェクト活動も大きな影響を受けている。

上述の状況の下、2021年8月4日に、日尼双方のプロジェクト研究者による遠隔プロジェクトミーティングを実施した。本ミーティングは、昨年4月の新型コロナウィルス感染拡大のためインドネシアへの渡航が制限されて以来、プロジェクトの個々の活動の進捗と直面する課題について両国関係者で共有し、解決に向けた協議を行うため、一カ月に一度、オンラインで開催しているものである。

今回のミーティングにおいては、新型コロナウィルスの感染拡大とそれに伴う政府による行動制限を受けて、プロジェクト活動への影響と今後の見通しについて日尼双方の研究者で協議するとともに、プロジェクト研究活動の成果を関係者に周知するために毎年実施しているSATREPSカンファレンス及びプロジェクト最終評価の実施時期や方法についてJICA及びJSTの担当者も交えた意見交換を行った。

インドネシア国内での移動が著しく制限されていることから、プロジェクト活動を推進するには困難な状況が続いているが、プロジェクト目標を最終的に達成するため必要な活動に出来る限り取り組んでいきたい。

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