【第4号】Calbee-Wings Food社とのコラボレーション

2019年1月7日

プロジェクトでは、マーケット開拓支援の一環として2017年3月よりCalbee-Wings Food社(カルビー株式会社のインドネシア合弁会社)と連携して、プロジェクト対象地域で加工用ジャガイモの試験栽培を実施しています。

スナック菓子製造を行う同社にポテトチップスの原料となる高品質なジャガイモを継続的に提供するため、カルビー本社と専門家による現地調査や栽培農家への技術指導を定期的に実施しています。また、試験栽培を通じて規格を満たすジャガイモを栽培できることが確認された参加農家は、Calbee-Wings Food社との専売契約を結ぶ契約栽培へと移行しています。

これまで原材料は輸入に頼っていたCalbee-Wings Food社ですが、「国内で生産する製品は国内産の原料を使用するように」というインドネシア政府の方針もあり、でんぷん質の少ない加工用ジャガイモのうち、インドネシア農業省によって開発されたMedian種を用いての試験栽培に踏み切ったのでした(注)。

前回、2018年4月に収穫した第2回試験栽培と第1回契約栽培では15名の農家によって合計10.7トンのジャガイモが納入され、同社の主力商品であるPotabeeの一部に使われています。そして、2018年12月から、第3回試験栽培および第2回契約栽培の圃場で収穫が始まっており、合計25トン程度を出荷する予定です。

はじめての大手食品加工会社との取引となる農家にとって、これまでのジャガイモ栽培とは違った、より高い技術や緻密な栽培管理が求められる今回の試験栽培は大きな挑戦でした。種イモの発芽率を高めるといった技術的な課題、出荷した収穫物にでんぷん質の多い食用ジャガイモの混在を防ぐための管理方法の課題など、カルビー社そしてプロジェクトと一緒に一つ一つ試行錯誤を繰り返しながら課題を克服しています。

試験栽培を重ねるごとに参加農家の数も増えているCalbee-Wings Food社との連携プロジェクト、農家の挑戦へのご声援よろしくお願いいたします。

(注)1993年~1998年に西ジャワ州で実施された馬鈴薯増殖のための「馬鈴薯優良種子増産プロジェクト」で、当時チーフアドバイザーを勤めた専門家が、現在カルビーの技術顧問を勤めており、圃場調査、栽培状況モニタリング、参加農家の指導を実施し、現地の栽培環境に適した栽培方法の確立を目指しています。

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カルビー社の専門家チームによる土壌調査

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ジャガイモ試験栽培の畑

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店頭に並ぶCalbee社のポテトチップス