インドネシア版リトルベビーハンドブック開発に向けたオンラインセミナーを開催しました

2020年11月6日

プロジェクトでは保健省と協働し、低出生体重児を持つ母親・家族を対象とした「リトルベビーハンドブック」の開発を行っています。インドネシアでは母子健康手帳が全国展開され妊婦へ配布されていますが、その内容は妊産婦と正出生体重児を主な対象にしたものになっています。リトルベビーハンドブックを開発し、母子健康手帳と併用することで、低出生体重児を持つ母親とその家族の育児を支援することを狙いとしています。

リトルベビーハンドブックの作成に向けて、2020年11月6日に板東あけみ氏(国際母子手帳委員会事務局長、NGOベトナムの子ども達を支援する会事務局長)を講師にお招きし、オンラインセミナーを実施しました。インドネシア側からはリトルベビーハンドブックを作成する中心となる保健省の他、パイロット予定地である西スマトラ州クドゥス県、中部ジャワ州ソロック県、また小児科医学会や小児看護協会などの職能団体から、計62人が参加しました。

本セミナーでは、講師の板東氏より日本の低出生体重児専用の小冊子「リトルベビーハンドブック」の経験と知見の共有、また、保健省とパイロット予定地2県よりインドネシアの低出生体重児に関する現状の共有が行われました。その後、セミナー参加者全員でインドネシア版リトルベビーハンドブックについて議論する場を設け、3時間にわたるオンラインセミナーとなりました。

インドネシア側からは、日本の低出生体重児医療の支援体制や日本のリトルベビーハンドブックの内容についての質問があり、インドネシア版リトルベビーハンドブックの在り方について協議が行われました。板東氏からはリトルベビーハンドブック作成にあたって、母親の心のケアを忘れた手帳としてはいけないことが繰り返し強調され、そのことを踏まえて、インドネシア側参加者からは現在配布されている母子健康手帳との連動の必要性、医療従事者に向けたメッセージと母親に向けたメッセージは分けることなど、具体的な方向性が議論されました。

プロジェクトは引き続きリトルベビーハンドブック作成を支援していく予定です。今回のオンラインセミナーで得られた知見と協議内容を踏まえつつ、インドネシアの実情に即したリトルベビーハンドブックづくりを目指していきます。

【画像】オンラインセミナー参加者