プロジェクト概要

プロジェクト名

(日)母子手帳による母子保健サービス向上プロジェクト (すこやか親子インドネシアプロジェクト)
(英)Ensuring MCH Services with the MCH Handbook Project, Phase 2

対象国名

インドネシア

署名日(実施合意)

2006年9月25日

プロジェクトサイト

ジャカルタ(その他モデル活動州)

協力期間

2006年10月1日から2009年9月30日

相手国機関名

(和)保健省地域保健総局

背景

インドネシアの母子保健に係る状況は、近隣するASEAN諸国と比較して深刻な状況であり、JICAは母子保健を保健医療分野における一つの重点分野として協力を行ってきた。1998年より、母子保健改善の手段として母子手帳を活用し、母子手帳を通じた妊婦と母親への保健教育と保健医療記録を持つことによる、健康意識の向上と行動変革につながる活動を展開した。結果として、2003年には妊産婦総数に対する母子手帳の充足率は全国で48%に達し、更に2004年に母子手帳に係る保健大臣令の発布や、2006年の保健省に特別予算措置(Deconcentration Fund)や地方政府による独自予算確保により、同充足率は62.4%に達する見込みであるなど、母子手帳の「量的」な拡大は順調に進捗してきている。

一方で、「質的」側面からみると、印刷・配布された母子手帳の妊産婦や保健医療従事者による効果的な利用をより一層進める必要があり、また、「量的」側面についても、保健省の特別予算措置は5年後には終了する見込みであることから、母子手帳の安定的な供給・配布を確保するためには、地方分権体制下で保健サービス提供の責任を担う地方政府による母子手帳の供給・配布の促進、母子手帳の裾野が重要な課題となっている。

以上のような現在までの協力の経緯と成果を踏まえ、インドネシアにおいて、母子手帳を活用した母子保健サービスが量的・質的に向上し、自立的に発展するための「制度構築」について、インドネシア政府より協力の要請がなされた。

目標

上位目標:

  1. 全ての保健関係施設で母子手帳を使った母子保健サービスが提供されるようになる。
  2. 全ての妊婦と5歳未満児の母親が健康記録を持つ。

プロジェクトの目標:

母子手帳が母子保健サービス統合の手段として機能するとともに、母子手帳を使った母子保健サービスを継続するためのシステムが確立する。

成果

  1. 住民の母子手帳へのアクセス度が高まる。
  2. 関連医療従事者を対象とした母子保健に係る研修制度が強化される。
  3. 母子保健のモニタリング・報告に係る制度が強化される。
  4. 母子手帳の有効利用に係るモデルが形成される。
  5. 母子手帳の母子保健改善への効果に係る調査・評価の結果が保健省の政策策定・実施過程に反映される。
  6. 第三国研修および現地国内研修を通じて、保健省と地方政府の、母子手帳を使用した母子保健改善の経験を効果的に共有する制度・能力が強化される。

活動

    1. 母子保健関係者にそれぞれの業務で母子手帳を活用するように、保健省の各担当部局を通じて促進する。
    2. 保健施設への母子手帳の配布を増加させる。
    3. 母子手帳改善への技術的検討を行うために保健省内の作業部会を形成・運営する。
    1. 助産師向けの母子手帳の定期的研修を強化する。
    2. 関係する医療従事者養成過程へ母子手帳に係る紹介を導入する。
    3. 保健省の関係部局及び他の関係プログラムが関連する医療従事者へ母子手帳に係る研修することを促進する。
    4. 民間セクター(助産師協会)が母子手帳ファシリテーターのリソースとなることを促進する。
    1. 関連するプログラムによる母子手帳のモニタリングを促進する。
    2. 母子保健に係る全国報告制度に母子手帳に係る項目を含むように促進する。
    1. 子供の健康に係る母子手帳のモデル活動(育児学級コンテンツの開発を通じて母親学級が母子保健を網羅するようにする)を保健省地域栄養局及び子ども保健局が中心になって形成する。
    2. 出産登録など他のプログラムが母子手帳を活用することを促進するモデルを、保健省子ども保健局が中心となって内務省などと連携しつつ形成する。
    3. 村落アラートプログラム、助産師のコミュニケーション・カウンセリング研修、Birth Preparednessなどと母親学級などとの統合を通じて、妊娠期及び産褥期における母子手帳の活用モデルを保健省母親保健局が中心となって形成する。
    4. 保健ボランティア(kadar)への母子手帳の紹介を保健省保健増進促進センターが中心となって促進する。
    5. 病院及び私立診療所における母子手帳の活用を保健省医療サービス総局が中心となって促進する。
    1. 調査・評価の計画・立案を行う。
    2. 母子手帳の母子保健改善への効果にかかるインパクト調査を行う。
    3. モデル活動の評価を行う。
    4. 調査・評価結果を全国年次報告会議にフィードバックする。
    5. 実証的アプローチに基づく母子手帳の改訂を支援する。
    6. プロジェクトの経験と成果を関係者に普及する。
    1. 母子手帳に係る中央レビュー会議を開催する。
    2. 第三国研修および現地国内研修を実施する。

投入

日本側投入:

  1. 専門家:
    1. 長期専門家:3名(リーダー、母子手帳活用促進、業務調整)
    2. 短期専門家:年間2〜3名(運営指導、教材開発、連携促進等)
  2. C/P研修:年間6名程度×2週間×4年度
  3. 携行機材:研修・IEC機材等
  4. 現地活動費:
    1. 日常経費
    2. 特別事業経費(研修・セミナー開催経費、母子手帳ガイドラインセット・母親学級セットの印刷・配布費等)
  5. その他:第三国研修:年間15名(技術協力プロジェクトとは別枠)

相手国側投入:

  1. カウンターパート配置と同人件費
  2. C/P経費:会議費(JCC, Working Group, National Review Meeting等)、C/P旅費、研修講師(省職員)
  3. プロジェクト事務所スペース、電気代