プロジェクト活動

インドネシアにおける母子健康手帳の展開と日本の協力実績

  1. インドネシアにおける母子健康手帳の展開

    その端緒は、1992年に国際協力事業団(独立行政法人国際協力機構の前身)の家族計画・母子保健技術協力プロジェクトにより日本へ研修に送られた中部ジャワ州のインドネシア人医師が日本で母子健康手帳に出会いインドネシア版の母子健康手帳の開発を強く希望したことに始まる。インドネシアの母子保健状況はアセアン諸国の中でも、特に妊産婦死亡率は最悪であり、常に大きな改善課題となっている。これらの状況改善のために、日本の母子健康手帳活動から学びヒントを得たインドネシアの母子健康手帳は、日本政府の協力の基、1993年より開発され1994年より試行、さらに1997年には5州で配布、2003年には、26州とその配布を徐々に拡大してきた。2004年には、母子健康手帳の利用を保証する大臣令が発令され、その中で地方政府による展開が規定された。母子健康手帳活動は、国際機関、他のドナーも参画し、現在では全国33州において母子健康手帳がインドネシアの多くの妊婦や子供に利用されている。

  2. インドネシアの母子健康手帳

    インドネシアの母子健康手帳は、母子保健教育の教材として、健康と医療の記録として、保健医療従事者と両親(保護者)とのコミュニケーションの道具として、搬送時の組織的情報伝達として、公文書 (出生登録、予防接種記録、生活保護)として利用されている。インドネシアの母子保健手帳は、未だ低学歴層が多数であるインドネシアの母親たちに理解し易いように絵が多用され、父親の支援を得られるよう工夫されており、より良く保健情報を伝達し保健教育をする道具として機能している。また、妊産期より母親の健康と子の成長記録を持つことによる、健康意識の向上、全国で地域差のない母子保健サービスが受けられるというガイドラインや搬送システムの充足など、保健サービスの提供者である行政の支援に役立っている。

  3. インドネシア全国における母子健康手帳の充足率(2006年)

    インドネシア全国における母子健康手帳の充足率を示した図表

  4. 日本政府の協力

    現在進行中;すこやか親子インドネシア(技術協力プロジェクト)

    目的;母子健康手帳を使った母子保健サービスを継続するためのシステム確立への支援

    活動;保健省における母子健康手帳関連連の政策支援、モデルの形成、調査、他国保健関係者への研修支援(ラオス、モロッコ、アフガニスタン、パレスチナ、バングラディシュ等)、母子保健手帳の利用、質の向上のためのモデル形成(西スマトラ州、東ジャワ州、西ジャワ州、西ヌサテンガラ州、西カリマンタン州)

    1999年〜2007年(現行)
    青年海外協力隊員派遣
    目的;保健医療の改善サブプログラムにおけるゆるやかな連携
    地域保健関連隊員 累計30名(2007年1月時点)
    1998年〜2003年
    母と子の健康手帳プロジェクト(技術協力プロジェクト)
    目的;母子健康手帳の利用促進による重点2州における健康な生活のための意識や行動の改善
    重点州(西スマトラ州、北スラウェシ州)
    目的;準重点州における母子健康手帳利用の促進
    準重点州(バリ州、南スラウェシ州、ジョグジャカルタ州、東ジャワ州、ブンクル州、西ヌサテンガラ州)
    1996年〜2001年
    人口特別、世銀機材供与
    目的;国連人口基金と連携、以下の州において母子健康手帳活動展開 (中部ジャワ、西スマトラ、東ジャワ、南スラウェシ、ブンクル州)
    1995年〜1998年
    個別派遣専門家
    目的;中部ジャワへの母子手帳の試行、評価
    1989年〜1994年
    家族計画・母子保健プロジェクト(技術協力プロジェクト)
    中部ジャワ州サラティガ市においてインドネシア版母子健康手帳の開発