地方行政官を対象とした研修が実施されました

2007年10月29日

写真アチェ州住民自立支援ネットワーク形成プロジェクトでは、住民支援と共に地方行政官の能力向上もプロジェクトの重要なコンポーネントのひとつとなっています。これは、アチェ州が長年の紛争や2004年12月の大地震・津波で優秀な人材を多数失っていることから、今後、地方政府行政官が住民を適切に支援し地域が発展していけるように、との願いからです。

写真:試験前テストに臨む予算管理セクター研修参加者

第1フェーズでは、地方政府との協議や過去の類似研修の実績調査等から総合的に判断し、1)予算管理、2)土木維持管理、3)保健行政の三つのセクターに分けて、7月の終わりから8月にかけてバンダアチェ市にあるアチェ州研修センターにて研修を実施しました。

写真研修に先立ち、インドネシア人専門家チームによってこの研修のためにモジュールが作成され、参加型の研修にするため、グループワークやディスカッション、現場視察等を出来る限り取り入れました。

予算管理セクターには、プロジェクト対象地から2006年に新たに制定された会計システムに基づいた予算管理が出来るようになることを目標に30人の予算担当行政官が参加しました。土木維持管理セクターでは、32人が参加し、特に道路と橋のメンテナンスに的を絞った研修が行われました。これは、津波後に多くの道路や橋が再建されているけれど、その維持管理が今後重要になってくる、との考えからです。保健行政セクターでは、ヘルスセンターの院長らを対象にヘルスセンターの年間計画策定方法の研修を実施し、30人が参加しました。

写真:橋のメンテナンス点検の現場視察をする土木維持管理セクター研修参加者

写真研修後には、「新しい予算管理の制度を知ることが出来たから日常業務をこなす自信がついた。」、「メンテナンスに焦点を当てた研修は初めてだったので、自分の普段の仕事内容にぴったりの研修だった。どんなダメージにどんな対処をすればいいのかが分かってよかった。」、「普段の仕事の中で自分のヘルスセンターではたくさんの問題を抱えていることは分かっていたけれど、これまでどうやって論理的に計画を立ててその問題を解決すればいいのか分からずにいた。これからは年間計画を立てて研修で習ったことを実践したい。」という声が聞かれました。

これから先、参加者たちが研修経験を活かして日常業務を改善していくことが期待されます。

写真:年間計画策定に先立ち問題分析をする保健行政セクター研修参加者