インドネシア国(以下、「イ国」とする)の治安維持は、これまで30年余りにわたって国軍が担ってきたが、2000年8月の国民協議会の決定により、警察軍が国軍から分離独立し、大統領直轄の国家警察へと移行した。分離独立後の国家警察にとって、国内治安を維持するとともに国内で多発する一般犯罪に対応して市民の安全を確保し、市民に信頼される市民警察としてのサービスを提供することが大きな課題となっている。
このような状況の下、今後、国家警察が市民警察として国民の信頼を得て、インドネシアの治安を維持していくことは、同国民の安全な生活の確保はもとより、政治的安定や投資の促進による経済発展にとっても極め…