プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)前期中等教育の質の向上プロジェクト
(英)Program for Enhancing Quality of Junior Secondary Education

対象国名

インドネシア

プロジェクトサイト

ジャカルタ、バンテン州、西ジャワ州、ジョグジャカルタ特別州、東ジャワ州、西スマトラ州、南カリマンタン州、北スラウェシ州

協力期間

2009年3月15日から2013年3月14日

相手国機関名

(和)国民教育省、宗教省

背景

インドネシア(「イ」国)における初中等教育の最優先課題は9年制義務教育の達成であり、2009年までに前期中等教育(中学校)の総就学率95%を国家目標としているが、現状は85%(国民教育省、2006)に留まっている。貧困削減の観点から見ると、経済的に困窮している家庭(下位20%)の子供は中学校に入学しても経済的理由や学業不振等で中退が多く、中学校を卒業できるのは55%のみであることに留意が必要である(世界銀行、2006)。高校就学率は32%(国民教育省、2006)であるため、全体の3分の2の子供にとって中学校は社会へ出る前の最終教育段階に相当する。以上のことから、全ての子供が中学校にアクセスするのみならず、進学や社会で必要となる知識・技能等を獲得して卒業できるよう、地域コミュニティ、地方政府、中央政府の各レベルの協働を通じた良質の教育サービスの確実な提供が極めて重要である。

現行の中期5ヶ年国家開発計画(RPJM 2005-2009)では、教育開発の目標として1)教育アクセスの拡大(9年制義務教育の達成など)、2)質の向上(国家基準の設定、教員の能力認証システムの強化)、3)レレバンス(適切性)の強化、4)教育の運営管理(学校ベースの運営、地域社会の参加、地方自治に沿った運営)を掲げている。RPJMに基づき国民教育省が策定した国家教育開発戦略(2005-2009)では、上記テーマを3つに整理し、1)教育機会の拡大および公平・均等化(9年生義務教育用の学校運営補助金:BOS等)、2)教育の質、レレバンス、競争力の向上(国家教育基準の導入、同基準に沿った監督と質の保証、教員と教育人材の能力強化等)、3)教育ガバナンス、説明責任、公的イメージの改善(計画・予算管理システムの改善等)に係る諸政策に取り組んでいる。

我が国は上述の前期中等教育の重要性に鑑み、同教育段階を対象に地方分権化に即した協力を実施してきた。特に教育マネジメント(地方政府、学校、地域コミュニティの計画・実施能力強化)、教員の指導力向上(理数科教員研修の活性化)についてはこれまでの協力の中で成果を挙げ、中央政府のワーキングモデルとなっている。今後は、これまでの現場における教育マネジメントと教員の指導力向上の成果を「イ」国中央・地方政府の主導により普及するための技術支援が求められている。

目標

上位目標:

参加型学校運営と授業研究を通じて前期中等教育の質が広く国内において向上する。

プロジェクト目標:

教育の質向上のための重要な要素である参加型学校運営と授業研究を普及し、実施するための、中央・地方教育行政、学校の能力と縦の連携(中央・地方教育行政、学校間)と横の連携(先行州・県・学校とこれから普及を行なう州・県・学校間)が強化される。

成果

  1. 参加型学校運営と授業研究を普及するための中央レベルの計画立案・調整能力が強化される。
  2. 参加型学校運営と授業研究を普及するための地方レベルの能力が強化される。
  3. 参加型学校運営と授業研究を実施する能力がレファレンスサイトで強化され、対象地域で開発される。

活動

1-1.
参加型学校運営と授業研究に関する地域のニーズを調査する。
1-2.
参加型学校運営と授業研究の普及に関する計画、調整及び政策立案を支援する。
1-3.
参加型学校運営と授業研究を独自のイニシアティブで採用する地方政府に対して技術的なアドバイスを行う。
1-4.
地方レベルでの参加型学校運営と授業研究の普及に関する評価・モニタリングを実施する。
1-5.
研修教材の開発及び研修実施について他の援助機関と協働及び調整を行う。
1-6.
教育関係者及び他の援助機関を対象に普及のためのフォーラムを開催する。
2-1.
中央レベルでのマスタートレーナー研修を計画する。
2-2.
参加型学校運営と授業研究に関する研修教材を開発する。
2-3.
マスタートレーナー研修を実施する。
2-4.
指導主事、校長、教員対象の地方レベルの研修について教員研修機関に対して技術的支援を行う。
2-5.
参加型学校運営と授業研究の普及について州教育局及び州宗教省事務所に対して技術支援を行う。
3-1.
バンテン州の3県・市における参加型学校運営の自立的実施に向けた支援を行う。
3-2.
ジャワ島内の3地域における授業研究の実施能力を強化する。
3-3.
ジャワ島外の新規3サイトで授業研究を導入し、普及する。

投入

日本側投入

  1. 専門家派遣(総括/教育計画、教育行政/援助協調、研修運営管理、学校運営、授業研究、教育評価)
  2. 本邦研修(毎年30名:先方とのコストシェアにより実施)
  3. 学校配賦金
  4. マスタートレーナー研修開催経費
  5. リソース大学とパートナー大学の技術交流経費
  6. その他必要経費

相手国側投入

  1. カウンターパートの配置(国民教育省、宗教省、対象県・市教育局)
  2. 全国約400県に対する普及研修及びモデル校設置経費
  3. 協力機関(インドネシア教育大学、ジョグジャカルタ大学、マラン大学等)による技術的支援
  4. 事務所提供
  5. 学校配賦金(ブロックグラント)
  6. 指導主事会、校長会、現職教員研修会活動にかかる経費
  7. リソース大学とパートナー大学の日常的活動費(日当、交通費)
  8. その他必要経費