プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)ハサヌディン大学工学部強化計画プロジェクト
(英)Technical Cooperation Project for the Development of the Engineering Faculty of the Hasanudin University (UNHAS), South Sulawesi

対象国名

インドネシア

署名日(実施合意)

2008年12月15日

プロジェクトサイト

南スラウェシ州マカッサル市及びゴワ県

協力期間

2009年2月1日から2012年1月31日

相手国機関名

(日)国民教育省高等教育総局
(英)Directorate General of Higher Education, Ministry of National Education

日本側協力機関名

九州大学、広島大学、豊橋技術科学大学、熊本大学

背景

「イ」国の東北インドネシア地域(スラウェシ地域6州、マルク地域2州)は農水産物、鉱物資源などの一次産品に大きく依存する経済構造であり、一人当たりの地域総生産額(GRDP:Gross Regional Domestic Product、2004年)はわずか540万ルピアにすぎない(「イ」国平均の半分)。同地域全体の貧困者数は地域総人口の17%の310万人にのぼるなど西部他地域との格差の拡大は深刻化している。この背景には経済インフラの未整備などのハード面の問題に加え、行政・産業の分野における人材の不足から地域資源を十分に活用する体制が出来ておらず、人材育成の面でも多くの課題が山積していることがある。

東北インドネシア地域の州政府、県政府は地域の特性を生かした地域開発計画に取り組み始めているが、同計画を効果的・効率的に実現化していくためには、地域の知の資源である大学を有効活用し、産学地連携強化をはじめ、産業振興を担う能力の高い人材の育成が必要であるとの認識が強まっている。東部インドネシア最大の総合大学であるハサヌディン大学は、同地域における産業分野の人材育成の中心的機関として積極的役割を果たすことが期待されており、新工学部のキャンパス建設、教育・研究機材の導入、留学プログラムをパッケージとした「ハサヌディン大学工学部整備事業」が「イ」国政府より要請され、2007年度から円借款事業として開始されたところである。

しかしながら、「イ」国の工学系大学であるバンドン工科大学やスラバヤ工科大学に比べると、ハサヌディン大学工学部の教育・研究レベルは低いと言わざるを得ず、円借款事業により再建される新工学部が地域ニーズに合った研究能力を強化し、能力のある人材を育成・輩出するためには、単に機材や施設の更新だけではなく、研究を中心としたより実践的な教育内容に移行していく必要があると国民教育省高等教育総局も指摘している。

かかる状況を受け、バンドン工科大学やスラバヤ工科大学でも導入されているわが国の工学教育(実験・実習重視型教育、研究(室)中心教育)の特徴を取り込むことを目指し、かつ円借款事業との一体的な実施による効果を最大化するため、教育・研究体制の基盤の強化を目的とした技術協力プロジェクトが「イ」国より要請された。

目標

上位目標:

ハサヌディン大学工学部が東部インドネシア地域の拠点大学の一つとなる。

プロジェクト目標:

東北インドネシア地域の持続的な開発に資する人材を輩出するために、ハサヌディン大学工学部の教育・研究体制の基盤が強化される。

成果

  1. 工学部における教育が実践/研究を重視した教育になる。
  2. 研究活動を通じた教員の教育研究能力が向上する。
  3. 東北インドネシア地域の持続的な開発ニーズを踏まえたカリキュラムとシラバスに基づき、教育が行われる。
  4. 工学部において教育サイクルを導入し、教授内容や教材を改善する。
  5. 東北インドネシア地域の工学系教育・研究機関のコンソーシアムが形成され、ハサヌディン大学工学部がコンソーシアムの中心となる。
  6. 工学部の適切な運営に必要な計画管理能力が向上する。

活動

1-1.
実践/研究を重視した教育方針が作成され、学部内で承認される。
1-2.
実践/研究を重視した教育を実施する人材が確保される。
2-1.
研究活動と教員配置が研究(室)中心教育に移行するための計画、ガイドラインを作成する。
2-2.
各学科に研究室が配置された後、活動計画書(研究、ワークショップ、セミナー、予算計画等) を研究室毎に作成する。
2-3.
工学部の研究者間で研究室の活動を相互評価し、意見交換を行うためのワークショップを実施する。
2-4.
各研究室が活動報告書を作成する。
2-5.
研究室単位で外部資金を獲得する。
3-1.
各学科内に実践/研究を重視したカリキュラムおよびシラバス改訂のためのタスクフォースを設置する。
3-2.
東北インドネシア地域の工学分野におけるニーズを把握する。
3-3.
工学部における教育方針を策定する。
3-4.
各学科の現行カリキュラム及びシラバスをレビューする。
3-5.
カリキュラムおよびシラバスの改訂、試行、導入をする。
4-1.
教員が教育サイクル(授業や実験の準備、実施、評価、改善)に沿った教育をする。
4-2.
各教科の特性に沿った講義ノートおよび実験/実習指示書を作成・改訂する。
4-3.
作成された講義ノートについて定期的に改訂する。
4-4.
作成された実験/実習指示書の効果をモニタリングする。
4-5.
講義ノートおよび実験/実習指示書に基づき、教材を開発、改訂する。
5-1.
東北インドネシア地域の工学系教育・研究機関のコンソーシアムを設立する。
5-2.
上記コンソーシアムに係る活動計画を策定する。
5-3.
コンソーシアムにおける定例会議を開催する。
5-4.
東北インドネシア地域の工学系教育・研究機関において、研究・教育の共通プログラムを実施する。

投入

日本側投入

  • 専門家派遣(年間40MM程度)
    • (長期) 総括、業務調整
    • (短期)分野総括、学部マネジメント、土木工学、建築工学、機械工学、電気・電子工学、海洋工学、地質工学
  • 供与機材
    • 研究用図書
  • 研修員受入(年間5MM程度)
    • (受入分野) 大学運営、各研究課題等
  • プロジェクト活動経費
    • 共同研究経費、研修経費
    • 学会・セミナー参加経費
    • ワークショップ・セミナー等開催経費、等

相手国側投入

  • 人材
    • プロジェクトディレクター:ハサヌディン大学学長
    • プロジェクトマネージャー:ハサヌディン大学工学部長
    • プロジェクトカウンターパート:ハサヌディン大学工学部教員
  • 施設運営・管理
    • 日本人専門家執務室
  • プロジェクト活動経費
    • 設備・機材メンテナンス経費
    • 共同研究経費、研修経費
    • 国内学会・セミナー・ワークショップ参加・開催経費、等