イラン国南西部を流れるカルーン川は、5州に跨る国内最大の流域面積を有しており、その約5割はチャハールマハール・バフティヤーリ州に属している。近年この流域では、土壌侵食、土石流、地滑りなどの自然災害が発生しており、その原因として、上流域における違法伐採や家畜の過放牧による土地被覆の減少、それらに伴う水源涵養能力の低下などが指摘されている。
このような状況の下、JICAは2000年から2002年にかけてカルーン川の上流域を対象とした開発調査「カルーン川流域管理計画調査」を実施し、流域内の5地区で流域管理に関するマスタープランを策定した。同調査では特に(1)洪水・土石流および地滑り…