枯渇が危険視されるウルミエ湖地区にて、参加型水管理モデル研修を実施

2013年12月9日

ウルミエ湖は、イラン北西部に位置する世界で第2番目に大きい規模の塩湖です。流域の農業用水の過剰取水により、以前から水位の減少が問題視されてきたのですが、ここ3年〜5年ほどで枯渇が危惧されるレベルまできているとのことです。ロウハニ大統領と安倍首相の間で今年ウルミエ湖の環境問題について、日本が支援する話があがりました。環境庁やUNDPが取りまとめたウルミエ湖流域環境保全のマスタープランによると、この湖を守るためには、湖へ流入する河川や地下水の水量が多くなるよう、流域農家の農業用水を大きくカットさせることが必須との見解が出されています。

こういった背景から、地域の農家が協力し合い節水するという目的を達成するため、ゴレスタン州農業局に参加型水管理モデルについて研修をしてもらいたいとういう依頼がきました。ゴレスタン州の場合は、水資源が少なく、この限られた水資源をいかに有効に利用するかという目的を達成するために参加型手法を用いています。しかし、ウルミエ地区では動機が全く異なります。節水は湖を保全するためであり、現時点では農家にとって節水するメリットが明確ではありません。

研修では西アゼルバイジャン州農業局職員及び関係者約40名を対象に、参加型水管理モデルの研修を通して、「節水における農家のメリットが何かを明確にし、それを指導するのでなく農家が気づくように行政はどうすべきか」、「短期的なメリットが無ければ行政で対応策を検討する必要もある、と同時に、長期的な環境への取組みについて、農家に話を聞いてもらえるよう、しっかりとした信頼関係を行政と農家の間で構築していく」点について、当プロジェクトの経験を交えて紹介をしました。

ウルミエ湖がアラル海(同様の問題でほぼ干上がってしまっている)と同じ道を辿らないよう、イラン関係者の努力と日本の協力が功をなすことを祈るばかりです。

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中林専門家によるプロジェクト概要

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竹内所長による挨拶

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参加型水管理モデルを説明する高石専門家