プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)シリア難民ホストコミュニティ地方部における村落保健センターのサービス向上プロジェクト
(英)Project for Improvement of Services at Village Health Centers in Rural Host Community of Syrian Refugee

対象国名

ヨルダン

署名日(実施合意)

2016年1月25日

プロジェクトサイト

マフラック県、イルビッド県、バルカ県デルアラ地区

協力期間

2016年4月22日から2018年4月21日

相手国機関名

(和)保健省
(英)Ministry of Health

背景

当該国における保健セクターの現状と課題

ヨルダンにおいては、疾病構造は先進国と類似しており、死亡原因の凡そ4分の3は非感染症疾患であり、プライマリーヘルスケアサービスの利用率も高い(予防接種率93%、産前検診7回以上の受診率77.8%、施設分娩率98.8%)。他方で、ヨルダンの合計特殊出生率は3.5(DHS2012)であり、中東の平均3.2(World Health Observatory 2013)よりもやや高く、かつここ10年間横ばいである。この理由として近代的避妊法の普及率の低さ及び家族計画ニーズの充足率の低さが挙げられる。避妊実行率を見ると、2002年の56%から2012年の61%まで微増しているものの、このうち近代的避妊法は41%から42%と変化が見られず、伝統的避妊法が依然19%を占めている。伝統的避妊法の使用率は、エジプト2%、モロッコ11%、チュニジアでは8%であることから、ヨルダンの伝統的避妊法の比率は高く、改善が必要といえる。
また、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によれば、近年の内戦を逃れてヨルダンに流入するシリア難民が急増しており、保健医療サービスを圧迫している。ヨルダン国内のシリア難民は、約63万人(2015年8月時点、UNHCR)で、難民の約8割が難民キャンプ外で生活している。難民の県別難民数では、アンマンが最も多く168,309人(全体の26.7%)、次いで北部地域のイルビッド141,724人(22.3%)、マフラック75,083人(11.9%、難民キャンプを除いた数)である。特に北部のイルビッド県では人口の約14%、マフラックでは約50%を占めている。National Resilient Plan(2014-2016)及び2014年8月に実施した現地調査によれば、北部地域では一部病院ではベッド占有率が100%を超え、マフラック県では産科病院における自然出産のうち60%、帝王切開の50%はシリア人が占めている状況である。また、シリア難民の家族計画ニーズの充足率に関して具体的に示した報告書は存在しないが、出産数を踏まえれば高いニーズがあることが推測され、シリア難民にリプロダクティブヘルス・家族計画を含む保健医療サービスを提供すると共に、ヨルダン人に対する保健医療サービスの量・質を維持することが課題となっている。
保健分野の国家戦略文書「National Health Strategy」(2013-2017)においては、保健サービスの質・安全性・継続性の向上、非感染症疾患の予防、リプロダクティブヘルス・家族計画・小児ケアサービスの強化等が重要課題として挙げられている。また、シリア危機を背景に策定された「National Resilient Plan」(20014-2016)では、ホストコミュニティにおける有病率と疾病リスクの上昇、保健医療サービスへのニーズ急増及びMDGs指標等重要な保健指標の悪化のリスクが指摘されており、これらに対応するため保健システムのパフォーマンス向上、保健支出の管理、感染症疾患・非感染症疾患の予防を目標に掲げている。
本案件は、シリア難民のホストコミュニティにおいて、村落保健センターのリプロダクティブヘルス・家族計画サービス及び基礎的な保健サービス向上を図るものであり、上記国家戦略・計画に即した内容となっている。

目標

上位目標

プロジェクト対象地域の地方部に居住するより多くのヨルダン人及びシリア難民が質・量の伴ったリプロダクティブヘルス・家族計画及び基礎的な保健サービスにアクセスできるようになる。

プロジェクト目標

重点対象VHCのサービス提供機能が強化される。

成果

成果1:プロジェクト対象地域の村落保健センターにおいて、支援的環境が整備される。
成果2:プロジェクト対象地域の村落保健センターの保健スタッフの能力が強化される。
成果3:重点対象VHCにおいて、ヘルスプロモーション活動が活発化する。

活動

活動1-1:関係するステークホルダーとの連携及び支援可能性を確認するためのワークショップを実施する。
活動1-2:「南部地域におけるVHCの運営マニュアル」(以下「南部VHCマニュアル」)が見直され、プロジェクト対象地域用に改訂され、保健省により承認される。
活動1-3:「南部VHCマニュアル」を基にプロジェクトサイト向けのスーパービジョン用マニュアルが作成され、活用される。
活動1-4:VHC用のリファラル標準手順書がレビューされ、改訂され、活用される。
活動1-5:必要な基礎的機材が調達され、配布される。

活動2-1:保健省本省及び県保健局により研修計画が作成される。
活動2-2:VHCの准看護師向けに研修が実施される。
活動2-3:研修計画に基づき、他の関連する保健人材に対し研修が実施される。

活動3-1:重点対象VHCにおいて、コミュニティのニーズ、VHCのキャパシティ及び利用可能な資源とネットワークに基づきヘルスプロモーション活動が計画される。(例:VHC、学校、モスク等における保健教育セッション、コミュニティ啓発ワークショップ、家庭訪問等)
活動3-2:重点対象VHCにおいてヘルスプロモーション活動が実施される。

投入

日本側投入

専門家(総括/リプロダクティブヘルス・家族計画、研修管理1(効果測定)、研修管理2(母子保健)、研修管理3(地域保健)、業務調整/ヘルスプロモーション、プロジェクト車輌、モバイルクリニック、現地業務費

相手国側投入

執務室、研修施設、C/Pの配置、スーパービジョンコスト等