プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)若年層へのキャリアカウンセリング能力向上プロジェクト
(英)Project for Strengthening the Capacity for Career Counseling for the Youth

対象国名

ヨルダン・ハシェミット王国

署名日(実施合意)

2016年12月11日

プロジェクトサイト

以下のパイロット雇用事務所(EO)および、パイロットキャリアガイダンスオフィス(CGO、大学内に設置)を中心に活動を行う。

パイロットEO

北部:イルビッドEO、
中部:アンマン1EO、アンマン2EO(サハーブ)、ザルカEO
南部:アカバEO

パイロットCGO

北部:Jordan University of Science and Technology
中部:University of Petra、German Jordan University、Al-Balqa Applied University
南部:Al-Hussein Bin Talal University、Al-Balqa Applied University傘下の短大

協力期間

2017年4月7日から2020年4月6日

相手国機関名

労働省(MOL)
アブドッラー2世国王開発財団(KAFD)

背景

ヨルダンは29歳以下の人口が全人口の70%を占め、年齢の中央値は21.8歳という若年層の多い国である。ヨルダン統計局によると、2016年第2四半期の20歳から24歳の失業率は33.3%と非常に高い。また、ILOが2014年に実施した調査によると、ヨルダンの若年層の失業率は世界平均の約2倍であり、若年層の雇用問題の解決に向けた取り組みが急務である。「アラブの春」が広がった遠因には失業問題があると言われており、周辺各国が内戦やイスラム過激派の台頭などにより不安定化している現在、若年層の失業は同国のみならず中東地域において重要かつ喫緊の課題である。

この問題に対し中心的な役割を担っているのが、労働省雇用事務所(EO)および大学のキャリアガイダンス事務所(CGO)を支援するアブドッラー2世国王開発財団(KAFD)である。ヨルダンでは、高学歴層でも、自らのキャリアパスを描いたり、就職に向けた準備等ができないという状況がある。卒業後すぐに管理職になれると考えている人が多いことにみられるように期待と現実の乖離があり、教育課程を通してキャリアカウンセリング1を受ける機会がほとんどないことも、多くの高学歴者が職についていない状況の背景とされている。

このような状況のもと、日本は「キャリアガイダンス/雇用システム能力向上プロジェクト」(2013-2016)を通して、EOの環境整備・能力向上を支援してきた。同プロジェクトでは研修やガイドライン作成を通じたEO職員の能力強化、什器や事務機器の整備やレイアウトの助言などによりサービス提供環境を改善することで、EOの機能強化を後押しした。今後の課題は、機能強化されたEOを拠点に、求人開拓等マーケティング力が強化され、教育機関へのキャリアカウンセリング支援能力が向上し、産官学を機能的に連携させることである。また、CGOについては、キャリアカウンセリングに関する技術的なノウハウが不足しており、適切なサービスを提供することができていないため、CGOの機能強化も若年層の雇用促進のために解決すべき課題である。

目標

上位目標

パイロット雇用事務所(EO)/キャリア・ガイダンス・オフィス(CGO)およびパイロット以外のEO/CGOで効果的な若年層へのキャリアカウンセリングが実施される。

プロジェクト目標

パイロット雇用事務所(EO)/キャリア・ガイダンス・オフィス(CGO)による若年層へのキャリアカウンセリングの質と量が向上する。

成果

成果1 政府、大学、学校(初等学校・中等学校)、雇用主の連携に基づく若年層へのキャリアカウンセリング実施体制が構築される。

成果2 パイロットEO/CGOによる若年層へのキャリアカウンセリング提供能力が向上する。

成果3 キャリアカウンセリング・ツールが開発される。

成果4 MOL、KAFD、パイロットEO/CGOの、若年層雇用の促進に向け雇用主へ働きかける能力が向上する。

活動

0. ベースライン調査の実施

1-1. MOL及びKAFDが、パイロットEO/CGO、大学、学校(初等学校、中等学校)、雇用主と連携した若年層へのキャリアカウンセリング実施体制を構築し、2つのキャリアカウンセリング・ワーキング・グループを立ち上げる。
1-2. キャリアカウンセリング・ワーキング・グループが、パイロットEO/CGOが実施する連携及びモニタリング評価を含む若年層へのキャリアカウンセリング・ガイドラインを策定する。
1-3. キャリアカウンセリング・ワーキング・グループの代表者が、一貫性や相乗効果が確保された活動を行うために、情報共有や活動調整を行うキャリアカウンセリング調整会合を定期的に開催する。
1-4. プロジェクト終了後にEO/CGOにより実施される若年層へのキャリアカウンセリングを調整するためのメカニズムを構築する。

2-1. MOL及びKAFDが、既存のキャリアカウンセラー(MOL, KAFD, パイロットEO/CGO)の実務能力を確認する。
2-2. MOL及びKAFDが、既存のキャリアカウンセラー育成ガイドライン/研修教材を作成または改訂する。
2-3. キャリアカウンセラー指導員養成研修を計画・実施する(対象者:MOL, KAFD, パイロットEO/CGOのキャリアカウンセラー)。
2-4. キャリアカウンセラー指導員が、キャリアカウンセラー能力強化研修を実施する(対象者:パイロットEO/CGOのキャリアカウンセラー)。
2-5. パイロットEO/CGOが、活動3-2で開発したキャリアカウンセリング・ツールを活用した若年層へのキャリアカウンセリング計画を策定する。
2-6. パイロットEO/CGOが活動2-5で策定した計画に従って活動を実施する。
2-7. MOL及びKAFDが活動2-6で実施したパイロットEO/CGOの活動を評価する。
2-8. 評価結果(活動2-7)に基づき、MOL及びKAFDがプロジェクト成果を他のEO/CGOへ普及する計画を策定する。

3-1. キャリアカウンセリング・ワーキング・グループが、利用可能なキャリアカウンセリング・ツールを調べる。
3-2. キャリアカウンセリング・ワーキング・グループが、キャリアカウンセリング・ツールを作成または改訂する。
3-3. MOL及びKAFDがキャリアカウンセリング・ツールを評価し、承認する。

4-1. パイロットEO/CGOのマーケティング担当職員の能力を調査し、強化する。
4-2. MOL、KAFD、パイロットEO/CGOが、雇用主と共同で実施したキャリアカウンセリング成功事例を収集する。
4-3. MOL、KAFD、パイロットEO/CGOが、EO/CGOと連携した若年層の雇用促進のため、収集した成功事例を雇用主に普及する。

投入

日本側投入

専門家(キャリアガイダンス、民間連携、人材育成計画、キャリア教育、ツール開発、業務調整)
本邦研修、ヨルダン国内での研修
各種研修、ワークショップ、広報等に必要な費用

相手国側投入

カウンターパート人員の配置
オフィススペース及び研修施設
ヨルダン国内における機材輸送費、導入・維持管理費