メリア育林ガイドラインのStakeholder Forumを開催

2018年3月26日

コンポーネント2のパイロット事業の取組のひとつとして、民間セクター等との連携による半乾燥地における植林の推進があります。JICAはこれまでケニア森林研究所(KEFRI)と協力して乾燥地・半乾燥地における在来樹種の植林促進のための研究能力及び普及システムの強化を図る「気候変動への適応のための乾燥地耐性育種プロジェクト(林木育種プロジェクト)」を2012年から開始し、有用な在来樹種であるメリア(Melia volkensii)等を対象に乾燥地耐性育種を進めてきました(2012~2017年)。この成果を活かしてコンポーネント2では、2つのパイロットカウンティ(エンブとタイタタベタ)における植林事業の中で、メリアを対象樹種として事業を普及・展開してもらうための情報を準備しているところです。

ケニアではこれまでにメリアの育林に関する詳しい資料が作成されておらず、メリア植林事業者や農民に会った際にメリアの育林ガイドラインの要望をよく耳にしました。こうした状況を踏まえ、昨年5月からCADEPでは、林木育種プロジェクトが作成したメリア林木育種ガイドラインを参考に、かつメリア植林事業者を訪問して情報収集を行った上で、メリア種子・育苗ガイドラインの草案を作成してきました。同ガイドラインは主にメリア植林事業の投資家(民間セクターや富裕農民)を対象に、育林に関する技術的な情報だけでなく、費用便益分析も含めた包括的な内容を目指しています。

2018年3月9日、ナイロビでStakeholder Forumを開催し、メリアの専門知識のある関係者約20名を招待し、ガイドラインの内容に関するコメントを貰い、議論を実施しました。各参加者が異なるバックグラウンドと経験を持つため、枝打ちの頻度、植栽間隔、伐採林齢などについて様々な意見が挙がりました。議論していく中で徐々に意見が纏まることもあれば、追加調査が必要な項目もあり、修正作業が多く必要になりましたが、ガイドの内容を見直すのに貴重な意見を沢山もらうことができました。今回の結果を踏まえて草案を最終化し、今年3月末までに製本する予定です。

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KFSカウンターパートによる本会議の趣旨の説明

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KFSカウンターパートによる本会議の趣旨の説明

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プレゼンターの発表を聞く参加者の様子