REDD+準備段階コンポーネントにおける第3回MRV研修の開催

2020年3月4日

2020年1月21日から23日

REDD+(注1)準備段階コンポーネントでは、2020年1月21日~23日の3日間に、ナクルのAlpsホテルでMRV(注2)研修を実施しました。MRVはREDD+による炭素排出量の削減活動の透明性を担保し、活動の持続性を確保する一つの取り組みです。MRV研修では、REDD+の概論やMRVの特にM(モニタリング)に関する方法論を習得して、ケニア国のREDD+の取り組みで求められる測定・検証・報告を適切に遂行できる人材の育成を図ります。

3回目となる本研修は、これまでの第1回(2017年)、第2回(2018年)MRV研修の修了者を対象に、より高度なMRVに関する知識と技術の習得、ケニア国内のREDD+準備状況の把握を目指しました。ケニア国は、過去の森林に由来する炭素排出量の推計値としてFRL(注3)をとりまとめ、2020年1月にUNFCCC(注4)へ提出しています。今後、REDD+活動の実践においては国内の炭素排出量の測定を継続し、FRLとの差分に応じた成果払い等に繋げていくことが求められます。本研修では、ケニア国のFRL設定の方法論を研修生へ講義するとともに、今後のモニタリング活動として重要となる森林インベントリ調査手法についてもプロット設定や立木測定の手法を現地で実習しました。
今回の講義で利用した資料や現地実習で利用したマニュアル等は電子データで配布しており、研修生の自己学習や、研修生の各配属先での情報共有に利用されREDD+の取り組みが普及されることを期待しています。

プロジェクト終了後も活動の持続性を確保するためには、ケニア国のREDD+活動を理解し、継続することが可能な人材を育成することが求められます。ケニア国単独でこのようなREDD+に関する研修活動が進められるよう、またケニア国内のREDD+活動の実践そのものが推進されるように、今後もケニア国側の主体性を尊重しながら人材育成の活動を展開していく予定です。

(注1)Reducing Emissions from Deforestation and forest Degradation and the dole of conservation, sustainable management of forests and enhancement of forest carbon stocks in developing countries;途上国における森林減少・森林劣化からの排出削減、および森林保全、持続可能な森林経営、森林炭素蓄積の強化

(注2)Measurement Reporting Verification;測定・報告・検証

(注3)Forest Reference Level;森林参照レベル

(注4)United Nations Framework Convention on Climate Change; 国際連合気候変動枠組条約

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講義の様子

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樹高測定機器を用いた実習

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プロット設定の現地実習

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グループワーク(ケニア国内の森林減少・劣化の検討)