第4回AI-CDアフリカの角国地域会合の開催

2021年5月12日

2016年8月にTICAD VIが初めてアフリカ(ケニア)で開催されました。そのサイドイベントにおいて、JICA、UNCCD(United Nations Convention to Combat Desertification-砂漠化対処条約)、ケニア政府、セネガル政府の4者が「サヘル・アフリカの角 砂漠化対処による気候変動レジリエンス強化イニシアティブ」(以下、AI-CD)の立ち上げに関する合意文書に署名を行いました。

AI-CDは、ネットワークの構築・知識共有・資金アクセスという3つの柱を中心に、砂漠化対処という大きな課題のもと、主に半乾燥・乾燥地における気候変動や人間活動に起因する土地の劣化を食い止める活動を推進します。対象地域はサヘル地域とアフリカの角国地域とし、参加国は合計15か国に上ります。AI-CDフォーカルポイントが各国の窓口となり、両地域には、域内をリードする国がそれぞれ定められており、サヘル地域はセネガルが、アフリカの角国6か国(ジブチ、エリトリア、エチオピア、ソマリア、南スーダン、スーダン)は、ケニアがその取りまとめを行っています。

CADEPの5番目の活動(地域協力)は、ケニア森林研究所(Kenya Forestry Research Institute-KEFRI)をカウンターパート機関に据え、ケニア環境森林省とともに、アフリカの角国をリードする役割を担っています。

AI-CDアフリカの角国地域会合は、通常KEFRI本部の施設を利用し実施されます。同会合では、AI-CDフォーカルポイントたちが、実際に顔を合わせて活動に向けた進捗や課題を共有し、得られた知識や情報を活動へとつなげる方策を議論しています。しかしながら2020年12月に開催された第4回のアフリカの角国地域会合は、COVID-19の感染を防ぐため、ウェブを通じての開催となりました。

第4回会合の主な目的は、ネットワーク構築および知識共有を通じた資金アクセスの向上です。これまで各国の方策が議論されてきましたが、資金不足のため、活動レベルに落とし込むことができません。そこで、第3回(前回)のアフリカの角国地域会合では、各国がプロジェクトコンセプトノートを作成し、国際開発パートナーよりコメントを募り、具体的な資金アクセスに向けた活動が展開されました。今回は、国際開発パートナーから最新の資金アクセス情報が更新され、プロジェクトコンセプトノート内容の改定に役立てられました。今後は、プロジェクトコンセプトノート内容をより精度の高いものに引き上げ、資金アクセス先を選定し、企画書を作成・提出に結びつけることが求められます。文章で示すと一見簡単なように見えますが、企画書提出までの道のりは容易ではありません。

地域会合で共有される知識や情報は、各国のフォーカルポイントたちが、会合後どのように活用していくかが次の重要なステップとなります。地域会合では今後も各国が抱える課題解決に向け、参加する人々によってもたらされる知識や情報を共有する場を提供し、アフリカ角国各国が実質的な活動を通じて、砂漠化を食い止める一助となることを目指します。

【画像】写真:AI-CD事務局 提供