プロジェクト活動

背景・目的等

ケニア政府は、中等教育分野で成果を達成したSMASSEプロジェクト(フェーズI:1998年7月1日から2003年6月30日、フェーズII:2003年7月1日から2008年12月31日)の知見を初等教育分野に適用する後継案件を要請し、2008年8月に事前評価調査が実施され、日ケ双方にて案件概要の枠組み(初等、中等、アフリカ域内の3本柱)について合意に至った。2008年11月末にはRDサインがなされ、2009年1月より新プロジェクトが開始された。裨益対象は初等児童820万人および中等生徒120万人となる。

初等・中等・アフリカ域内それぞれの主なターゲットグループは以下である。

  • ケニア初等
    1. 60,000 Primary School Teachers (Mathematics and Science at grade 6,7 and 8).
    2. 20,000 Primary School Head teachers
    3. 5,600 Cluster Trainers (Selected Teachers)
    4. 1,100 TAC tutors and 1,258 QASOs/Deputy QASOs (8 provincial, 150 district and 1,100 zonal)
    5. 320 PTTC tutors in 19 public PTTCs will be capacitated as Regional Trainers.
  • ケニア中等
    6,485 Secondary School Principals
  • SMASE-WECSA
    INSET providers in 34 WECSA member countries

活動内容

ケニア国内:中央研修センターを核とする初等理数科教員対象の全国教員研修システムの確立

【図】

アフリカ域内:域内連携ネットワーク加盟国の拡大(2009年12月現在34カ国、1地域が加盟)、理数科教育促進のためのプロジェクト拡大

【図】

プロジェクトの特色

相手国の主体性・経済的持続性を支援するプロジェクト

中等教育分野に関しては、中央研修→地方研修(全国に108カ所の研修センターを設立済み)の二段階で、全国約2万人の中等理数科教員をカバーする研修システムを構築。約120万人の生徒達が最終受益者。地方にある既存のリソース(資金・施設)を有効利用し、研修員へ日当を支給しない制度を浸透させることにより、経済的に持続性のある研修システムの構築に成功した。また、ケニア政府の要請に基づき、2009年1月から初等教育分野への協力活動(研修実施等)を開始。初等分野でも主体性・経済的持続性のある制度構築を目指す。

南南協力を推進するプロジェクト

パイロット事業で培ったプロジェクトの経験・知見・成果を、ケニア全国に留まらず、理数科教育に共通の課題を持つアフリカ周辺諸国への普及を目指す。

SMASE-WECSAを通じたアフリカ域内協力

  • 第三国研修の実施 (30ヶ国から約800名の理数科教員養成講師が参加)
  • 過去9回の国際会議を開催し、各国のグッドプラクティスを共有
  • 周辺国に対し教員研修制度立ち上げに関する技術的サポート・助言を実施
  • 周辺国へ出張し、行政実務レベル・高級政策決定レベルへの啓蒙活動を実施
  • AU、ADEA、NEPAD等との連携が進行中
  • アフリカで各国で実施中のJICA理数科事業10件の中核的存在

正式メンバー(25の国・地域:2009年12月現在)

アンゴラベナン、ボツワナ、ブルキナファソ、ブルンジ、カメルーン、エチオピア、ガンビア、ガーナケニアレソトマラウイモザンビークニジェールナイジェリアルワンダセネガルシエラレオネスワジランドスーダン(南)タンザニアウガンダザンビア、ザンジバル、ジンバブエ

オブザーバー(10の国:2009年12月現在)

コンゴ(共)、コートジボワール、エジプト、マダガスカル、マリ、モーリシャス、ナミビア、セーシェル、南アフリカ、スーダン(北)

太字:技術協力プロジェクト実施国
下線:現地地国内研修、第三国研修FU、個別専門家派遣など実施国
※(エジプトは過去にJICA理数科案件実施の実績あり)
※(エチオピアは技プロ案件形成中)
※(ケニア第三国研修は全ての正式メンバーをカバーしている)

アジアとの連携

  • ケニアの中等・地方教員研修講師160名をフィリピン大学(UP-NISEMD)にて研修
  • ケニアの初等教員研修講師80名をマレーシア(RECSAM)にて研修
    (RECSAMは08年8月より、アフリカ向け第三国研修を開始)

日本の技術協力を世界にアピールするプロジェクト

  • 現職教員研修を、パイロット事業から全国事業へと成長させた希有な例
    (これまでアフリカ各国で、ドナー諸国がことごとく失敗)
  • 日本の技術的サポートが、ケニア人カウンターパートの能力を向上させ、プロジェクトの事業実施能力を質的にも量的にも、著しく向上させた
    (コモンバスケットによる財政支援の受け皿としての技プロ協力)
  • 以上のような本プロジェクトの実践から得た知見・成果を広く学会発表
    →SEIA会議(WB)、Wilton Park会議(英国)、SMASE-WECSA会議、ADEA総会

関連リンク