ウガンダ授業改善セミナーに参加して

2010年3月21日

−地域中核教員研修の実施に向けて−

2008年8月より開始されたウガンダ国中等理数科強化全国展開プロジェクト(SESEMAT-NEP)では、ケニアSMASEで行われている取り組みと同様に、生徒中心型授業の実現を中心理念に、カスケード研修を通じて、ウガンダ国の中等理数科目の強化に取り組んでいます。プロジェクトでの研修内容は、教員の授業実践力に直結する内容を多く取り扱うことに主眼を置いており、授業力向上のための方策の一環として、筑波大学附属小学校から講師をお招きし、“Capturing Lerner's Idea”というテーマの下、ワークショップが行われました。ケニアからは、ケニア人カウンターパート4名(各教科から1名)および、日本人専門家2名(チーフアドバイザー、数学教育)が参加しました。

今回のワークショップは、参加者による指導案の検討会、授業実践、授業後の協議会といった、日本で行われている研究授業のような流れで行われ、それぞれの過程において、講師よりアドバイスを頂きました。また、ワークショップの最初と最後には、講師による模範授業が行われました。

数学グループでは、台形の面積を求める授業を題材に、研究授業が行われましたが、授業後の協議会において、参加者の‘気付き(成果)’が見られました。通常ケニアで行われている研修における協議会では、参観者からのコメントが「教材が適切であった」、「生徒が良く参加していた」といった、抽象的な内容のコメントに終始する傾向があり、教材がどのように適切であったのか、生徒がどのように積極的に参加していたのかといった、具体的な内容にまで及ばないというのが課題です。今回のワークショップでも参加者の授業後の協議会では、このようなコメントが大半を占めていました。

しかしながら、今回のワークショップでは、筑波大学附属小学校からの講師に、全く同じ内容では無いのですが、似たような図形の問題で模範授業を行って頂いたので、参加者は、自分たちの授業と、講師の授業を比べることができました。講師の授業が行われた後の協議会では、次のような具体的な内容のコメントが多数上がりました。

  • 参加者の授業では、授業の流れが教師によって一定方向にコントロールされていたが、講師の授業では、授業の流れが生徒の反応によって臨機応変に対応されていた。
  • 生徒が間違いをしたときに、講師は少しのヒントを与えるだけで、生徒に考えさせていたのに対し、参加者は間違いをした生徒に単純に全てを説明してしまった。
  • 参加者の授業では、生徒がいろいろな図形を考える機会が与えられなかったが、講師の授業では、生徒が多様な考え方を行っていた。

この授業後のコメントからも分かるように、生徒中心型の良い授業と自分達の授業を比べることで、生徒が積極的に参加しているとはどのようなことか、教材が適切であるとはどのようなことかといった、具体に触れることが出来たのだと思います。

今回のウガンダでのワークショップの成果を参考にして、ケニアでも良い授業の実践に向け、これからも取り組んでいきます。

【写真】

講師の模範授業を参観する各国からの参加者。

【写真】

筑波大学附属小学校からの講師(後列左から3人目および6人目)と、ケニアからの参加者。