プロジェクト概要

プロジェクト名

(日)理数科教育強化計画プロジェクト
(英)Strengthening Mathematics and Science Education (SMASE)

対象国名

ケニア、SMASE-WECSA加盟国(*)

* Strengthening Mathematics and Science Education?Western, Eastern, Central and Southern Africa(SMASE-WECSA)。ケニアにおける理数科教育支援の経験をアフリカ域内各国で共有し、域内での理数科教育振興を促進することを目的として形成された広域ネットワークとして2001年発足。2009年4月現在、33カ国1地域が加盟。

署名日(実施合意)

2008年11月28日

プロジェクトサイト

アフリカ理数科・技術教育センター(ナイロビ)

協力期間

2009年1月1日から2013年12月31日

相手国機関名

(和)教育省
(英)Ministry of Education (MoE)

背景

ケニア共和国の国家開発計画では2030年までに産業構造を工業化することを目標として掲げているが、工業化に必要とされる人材育成を行う教育は低迷しており、特に理数科教育の質の低さは早急に対応すべき課題である。日本政府は、ケニア政府の要請を受け「中等理数科教育強化計画(SMASSE)」を1998年から開始し、現職教員研修を通じた理数科教育の改善を支援してきた。フェーズ1(1998〜2003年)では、パイロット県において持続的な教員研修制度の基盤の整備・構築を支援し、フェーズ2(2003〜2008年)では、その成果を全国に展開した。SMASSEは、ASEI/PDSI(Activity, Student, Experiment and Improvisation / Plan, Do, See and Improvement)というアプローチを導入し、教師の授業に対する態度変容を促した結果、授業改善に一定の効果が見られた。また、フェーズ2終了時評価では、現職教員研修制度が中央及び地方で構築され、その有効性及び自立発展性が確認された。

ケニア政府は、このような中等教育レベルでの理数科教育強化という成果を高く評価すると同時に、質の低下が懸念される初等理数科教育の改善を目指し、初等教員研修の実施に対する支援を日本政府に要請した。また、フェーズ1・2を通じて生み出された成果は、ケニアと同様の問題を抱えるアフリカ諸国へも普及されるべきであるという域内各国の要望が高く、ケニア政府はアフリカ域内に対する支援体制の強化も同時に要請した。

事前評価調査の結果、(1)初等理数科現職教員研修の制度構築、(2)中等理数科現職教員研修の継続、(3)アフリカ域内(SMASE-WECSA加盟国)に対する現職教員研修制度構築に対する支援の継続、をコンポーネントとする新規プロジェクトの実施妥当性が確認された。新規プロジェクトの実施は、ケニア政府の教育政策および日本政府のアフリカ支援政策に合致しており、かつ、ケニアでは、2003年の初等教育無償化政策導入により初等教育就学率が爆発的に増加する一方、教室や教員の配置が適正になされておらず、質の低下が懸念されていることから、教員研修を通じた教育の質的向上に取り組む妥当性は高い。

目標

上位目標

【ケニア国内】理数科科目についてのケニアの青少年の能力が向上する。
【アフリカ域内】アフリカ域内関係国における理数科教育が強化される。

プロジェクト目標

【ケニア国内】現職教員研修(INSET)によりケニアの理数科教育が強化される。
【アフリカ域内】アフリカ域内関係国における理数科教育教授法がASEI/PDSI授業の実践により強化される。

成果

ケニア国内

  1. 初等教員養成校教官への中央研修制度が確立する。
  2. 初等教員養成校にて、地域現職教員研修制度が確立する。
  3. 既存のクラスター現職教員研修が強化される。
  4. 中等教育における理数科教員のASEI/PDSI授業実践が強化される。
  5. 理数科教育センター(CEMASTEA)のリソースセンターとしての役割が強化される。

アフリカ域内

  1. SMASE-WECSAメンバー国のASEI/PDSI授業実践指導員が育成される。
  2. SMASE-WECSAネットワークが強化される。

活動

ケニア国内

1-1
初等理数科教員の研修ニーズ調査
1-2
研修マニュアル・教材開発
1-3
モニタリング・評価ツール見直し・開発
1-4
初等教員養成校教官への中央研修実施
1-5
初等教員養成校校長・理数教科長への現職教員研修・ASEI/PDSI授業実践WS開催
1-6
中央研修の質のモニタリング・評価
1-7
中央研修の効果に関するモニタリング・評価。
2-1
ディストリクト教育行政官、視学官、教員アドバイスセンター教官へのASEI/PDSIアプローチ啓発WS実施
2-2
クラスター指導員選出
2-3
初等教員養成校への研修用具・実験器具供与
2-4
WS教材作成
2-5
地方WS開催
2-6
クラスター指導員への地方研修実施
2-7
地方研修の質モニタリング・評価
2-8
地方研修の効果に関するモニタリング・評価。
3-1
クラスター研修・ディストリクトWS用教材・実験器具供与
3-2
クラスター研修実施
3-3
ディストリクトWS実施
3-4
クラスター研修の質のモニタリング・評価
3-5
クラスター研修の効果・ASEI/PDSI実践のモニタリング・評価
3-6
初等教員現職教員研修ハンドブック開発。
4-1
ASEI/PDSI授業実践現状把握
4-2
授業研究導入のための教材開発
4-3
校長のASEI/PDSI授業実践監督能力把握
4-4
校長WS教材開発
4-5
校長中央WS実施
4-6
全ての校長への地方WS実施
4-7
ASEI/PDSI実践のモニタリング・評価。
5-1
ニュースレター、マニュアル、レポート発行
5-2
関係機関とのネットワーク構築
5-3
ASEI/PDSIシンポジウム開催
5-4
ASEI/PDSIの良い事例収集・普及

アフリカ域内(SMASE‐WECSAメンバー国対象)

1-1
SMASE-WECSAメンバー国現状・ニーズ把握
1-2
メンバー国第三国研修内容見直し
1-3
第三国研修教材見直し
1-4
メンバー国研修指導員トレーニング
1-5
メンバー国現職教員研修構築・強化に関する技術協力
1-6
第三国研修の質モニタリング・評価
1-7
第三国研修の効果モニタリング・評価
2-1
メンバー国教育省行政官へのASEI/PDSI授業実践に関する啓発活動の実施
2-2
メンバー国との技術交換
2-3
メンバー国との共催WS実施
2-4
SMASE-WECSA地域会合の主催・参加
2-5
関係地域会合・国際会議参加
3-1
関係機関とのネットワーク強化
3-2
SMASE-WECSA活動に必要な教材・参考書収集
3-3
図書館設立、3-4SMASE-WECSA活動情報発信

投入

日本側投入:

  • 長期専門家(チーフアドバイザー、理科教育、数学教育、業務調整)
  • 短期専門家(アカデミックアドバイザー、教育評価、授業研究等)
  • 本邦研修
  • ケニア人CPのSMASE-WECSAメンバー国への派遣
  • ケニア国内研修に必要な教材の供与(初等教員養成校、クラスター研修拠点校に対する理数科教具等の供与)
  • CEMASTEA研修能力強化のための機材供与(パソコン、理数科教育参考図書)
  • プロジェクトに関する現地活動費(ケニア国内での研修に要する教材作成費、WECSAメンバー国への技術支援に要する経費等)
  • WECSA会合(全体会合、テクニカルワークショップ)開催に要する経費

相手国側投入:

  • カウンターパート(アカデミックスタッフ)の配置
  • アカデミックスタッフ以外の必要人員の配置
  • CEMASTEAにて行われるプロジェクト活動必要経費
  • CEMASTEA施設の修繕費
  • 地方研修費用