ケニアの教育問題

1963年のケニア国の独立以後、教育改革が推進され、中等教育の学校(8−4制の4年間)がケニア人により次々と増設されましたが、教育の量的拡大で教育の問題が解決するものではありません。教育者たちは、家庭の経済的貧困、教育への無関心、教育の経済的便益の低さ、家庭での子供の労働力の必要などの問題点と戦っています。教育行政官は、学校数や教室の不足、道路の未発達、学校管理運営の悪さ・未整備、地域社会の支援の低さ、就学率の低さ、多いドロップアウト、教科書や教材・教具の不足、教師数の不足、多くの無資格教員、教師の給料の低さ、社会的地位の低さ、モラルの低さ、実生活に関係のない内容の暗記と詰め込み教育などに悩み、その克服に励んでいます。われわれのプロジェクトのスタート時点で基礎調査をしましたが、「教師の態度変化」、「授業と学習の質的変化」、「教員研修の組織と制度の設立」を希望する声が一番大きかったのです。一言で言えば、この中で一番大きな教育課題は、『教員研修制度の設立と授業改造運動の充実』です。これを促進すれば、生徒の学力も研修のインパクト効果で高まるだろうとケニアの人々は言っています。

途上国の教育開発に従事するときの基本的戦略は、「援助側と被援助側のパートナシップによる教育開発の推進」と「地域社会の役割の重視」と「参加型・対話型によるプロジェクトの形成・運営・評価」であると思います。教育開発で一番大切なことはケニア人自身が自ら進んで改革しようとする「サステイナビリティー;自立発展性」です。

SMASSE物理教育 武村重和(2002年4月12日)