初等学校教員養成大学学校長ワークショップ

2006年4月21日

- Let’s Make Teaching and Learning Fun! -     
内山 葉月 (理科教育)

1. はじめに
今後2年間の間に、初等教育をターゲットとした事業を試行していくSMASSEでは、その第一歩として、初等教員養成カレッジ(PTTC)の校長を集めた会議を開催しました。
将来的には、PTTCの講師にASEI&PDSIアプローチを浸透させ、PTTCの教育課程に組み込んでもらいながら、彼らには近隣の小学校教師を集めた研修講師として活躍してもらえるよう、人材育成を少しづつ開始していきます。

2. 概要
4月19日から21日までの3日間という短期間でのワークショップでしたが、"初等教員養成大学における理数科教育の質の向上:大学講師の現職研修の実施計画"というテーマのもと、PTTC校長7名、同副校長6名、教務主任4名、教科主任4名、合計19名が参加し、充実した議論が展開されました。目標とプログラムは下記の通りでした。

[目標]
1. 初等教員養成大学講師の現職研修(PTTC INSET)のニーズの共通意識を醸成する
2. SMASSEの中等理数科INSET運営について理解し、初等INSETへの適用可能性を探る
3. PTTC INSET実施計画案の枠組みを作成する。

[内容]
第1日目
ワークショップのガイドライン
ワークショップ実施の背景とねらい、
ケニア国政府の政策におけるPTTC INSETの 位置づけ、初等学校教員養成カリキュラムの実施における問題初等教育における理数科教育の実態第2日目 中等理数科教育が抱える問題、PTTC INSET の実施に向けての方策

第3日目
PTTC INSETの実施に向けての方策

3. 成果
今回のワークショップでは、PTTC講師に対する現職教員研修の必要性が参加者全員に良く認識され、下記の通り、研修実施の枠組みを合意するに至りました。

研修方法:
中央レベル、地方(ゾーン)レベルの2段階のカスケード方式

研修日程:
中央レベル、地方レベルとも9月から10月にかけて行う。期間はニーズ調査を実施し、研修カリ キュラム作成の際に最終決定するが、現段階では5日間程度が現実的と考える。
研修運営:
研修全体の方針を決定するNational ManagementCommitteeを設置する。

中央レベルの運営:
教育省初等教育局、PTTC校長会、SMASSE他。地方レベルの運営: 州および県の教育事務所、地方の校長/研修講師代表。

研修予算:
教育省が中央研修費用、大学の施設改修費、地方研修の経費の一部を負担。校長会は学生1人当たり100シルを徴収し、地方研修費用に充てる。開発パートナーは、研修資機材/教材、
人材育成費用、専門家派遣費用を負担。

研修によって期待される成果:
PTTC講師の指導技術の向上、講師の理数 科への関心・態度の向上、学生の学力向上、リソースセンターとし てのゾーン研修センターの充実。

PTTC INSETの成果を初等教育の教室実践に生かす方法 として、PTTC講師が研修講師となり、ゾーン内の初等学校の教員に対してINSETを行うこと、地方INSETセンターが初等学校教員にも活用されること、地方(ゾーン)のTAC Tutors (Teacher Advisory Centre Tutors)と協力して教育実践の改善を行うこと等が提案されました。

4. 今後の課題
SMASSEでは今後、ニーズ調査のデザインや調査項目 を選定し、調査を実施していくことになります。それを受けて、研修カリキュラムの作成に取り掛かりますが、SMASSEの中央講師にとってPTTCや小学校の教室の実態は未知の領域です。早急に小学校レベルにおけるASEI授業実践事例を開発していけるよう、有能な人材発掘等の準備を急ピッチで進めていく必要があるでしょう。
ケニアの青少年の理数科の能力・態度・知識理解の質を高めるというSMASSE事業の上位目標を円滑に加速度的に促進するためには、中学校の前段階である小学校から、子供達が学びの喜びを味わい、探究心を養い、批判的に反省的に創造的に思考し、合理的に判断し、算数・理科学習への積極的な態度をもつように導く必要があります。
これは私達にとって大きなチャレンジですが、いよいよ問題の核心部分へ近付いたとも言えます。