米国ピースコーへのケニア理数科教育事情オリエンテーション

2006年4月25日

- 米国ピースコーボランティア教員研修   
服 部 浩昌 (教育評価)

SMASSEでは、これまで、新たにケニアに派遣される青年海外協力隊員(理数科教師)に対してケニアの理数科教育事情とSMASSEが普及を目 指しているASEI/PDSIアプローチについてオリエンテーションを実施しています が、この度、4月25日に米国平和部隊(通称USピースコー)のボランティア教師10名を CEMASTEAに迎え、一日限りの研修を行いまた。

USピースコーについては、ご存知の方も多いと思い ますが、米国市民が途上国において2年間のボランティア活動を行う制度で、日本 の青年海外協力隊の原型となったものです。彼らは昨年の9月にケニアに到着し、東は海岸沿いのタンザニア国境近くから、西はビクトリア湖のウガンダ国境近くまで、ケニア全国の田舎の学校に赴任し、9月からの1ターム(13週間)のみ教壇に立って生徒に教えた経験がありました。

今回の研修は、ケニアのピースコー事務所からの依頼で実現したものであり、主に地方でも手に入る素材を使った簡易実験を紹介するのが主な目的でした。研修は紹介を兼ねた開会式からスタートし、数学物理チームと化学生物チームに分かれて、簡易実験やそれを使った授業案の紹介がSMASSE研修員により行われました。

参加者に彼らの経歴を聞いてみると、名門大学の修士課程を修了した者や、理工系の有名大学を卒業した人などがいて「釈迦に説法」にならないかと、内心ひやひやでしたが、ひとたび実習が始まると、参加者は楽しそうに、非常に熱心に実験に熱中し、私の当初の考えは杞憂に終わりました。

彼らは本国でおそらく非常に質の高い教育を受けてきたので、知識や技能の面では問題は無いでしょうが、物のない、時には水道や電気の無い所で授業を受けたり、したりした経験は今回のケニアが初めてでしょうから、SMASSE研修で行われている簡易実験は、彼らの普段の授業に直接役に立ったことと思います。

また逆にSMASSEの研修講師も、彼らから実験の改善のアイデアや生徒中心の批判的思考(Critical thinking)を導入した教授法についての考えを聞き、いつもとは違う別の視点からの意見が聞けたことで、両者にとって非常に実り多い研修になったと思います。

彼らの同僚教師はASEI/PDSIを現場で実践するSMASSEの地方研修参加者であり、ピースコー教師は実質プロジェクトの関係者にということになります。今回の研修は彼らに非常に好評であったので、今後は意見交換会、ワークショップなどを開催して、お互いの良い点を学びあうなど、Win-Winの関係になるような関係が続いていけば良いと感じました。