特別報告:中等から初等へ、新プロジェクト1月から実施へ

2008年9月30日

8月28日から9月9日まで実施された、JICA(事前評価調査団)とケニア教育省の協議に基づき、今年12月末に終了予定のSMASSEプロジェクトフェーズ2後継案件の活動概要、下記の通り内定しました。

(1) 初等教育:現職教員制度の構築(制度と人員体制と内容)

ケニア全国民の人口は約3700万人と推定されていますが、1年生から8年生までの子供達が通う初等学校の児童数は約820万人、なんと全人口の約1/4を占めています。学校数は公立・私立合計で約2万6千校、教師数は17万人余。そのうち6,7,8年生の算数や理科を教える約6万人の教師に対し、SMASSEの掲げるASEI/PDSIに基づいた授業改善運動を普及させよう!という大規模かつ画期的な活動です。

SMASSE10年の経験で培った通り、教員の授業改善に直結する魅力的な研修を実施するだけに留まらず、教育省、初等教員養成カレッジ、地方視学官、学校長などといった多岐に渡るケニア側関係者を巻き込みながら、全国規模の初等教育現職教員研修システムを再構築していきます。

(2) 中等教育:学校レベルでのASEI/PDSI活動の強化

全国2万人の理数科教師を対象とした研修事業は、ケニア側の通常業務として継続実施することとして、プロジェクト活動としては、研修で普及させたASEI授業を学校レベルでの実践活動として根付かせるための啓発活動に重点を移します。全国約6500人の校長全員を対象とした啓発ワークショップを実施し、理数科教師が生徒中心の授業を行う雰囲気・環境を整えるよう、働き掛けていきます。

(3) アフリカ域内活動:ケニアでの事業経験に基づいた各種技術支援活動

これまで同様、JICA理数科教育プロジェクトのアフリカ内先駆者として、研修員受け入れ、スタッフ派遣、モニタリング評価活動、アフリカ教育行政関係者のネットワーク造り、有用な情報の収集・共有などの活動を実施していきます。

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今後、5年間の事業計画、日本・ケニア双方の予算措置、研修に必要な資機材などを、さらに詳細に文書化していきます。両国での手続きが順調に進めば、来年1月から新プロジェクト「ケニア理数科教育強化計画」(SMASEプロジェクト)が発足する予定です。

JICA側の専門家派遣体制など、活動ニーズに合わせた人選を行うべく、東京本部にて準備・手続きを急いでいるところですが、アフリカの教育の質向上に挑戦する旗艦プロジェクトへの支援体制として、日本国内のあらゆる教育関係者の知恵を集め、現地活動を効果的にバックアップしていく方途を、現地関係者とともに議論しています。

今年5月に行われたTICAD4の横浜宣言にあったように、日本政府は今後5年間に10万人の教員に研修事業を行うと約束しています。ケニアの新プロジェクトだけで6万人の初等教員と、2万人の初等校長をカバーすることになり、ケニアだけで目標の大部分を軽々とクリアすることになります。が、教育の質を向上させるには、質の良い教員研修事業を、長期間、継続的に実施していく必要があること、これまで経験している通りです。

過去10年間のSMASSEプロジェクトの実践活動は、お陰さまで関係者の皆様に高く評価いただいておりますが、「中等教育」を対象とした活動から、その上流であり、より裨益対象者の膨大な「初等教育」へと戦場を移していくこれからこそが「いよいよ本番」です。日本の対アフリカ理数科教育ODA事業の「真の実力」が試されている、とも言えます。

ホームページ読者はじめ、関係者皆様のご指導・ご支援を承りたく、今後も末長くご声援いただきますよう、宜しくお願いいたします。