ラオス人民民主共和国(以下、「ラ」国という)は、ヒマラヤ水系であるメコン河に面し、中国やタイ国など隣国との水運交通により発展を遂げてきました。一方、メコン河流域では河岸侵食による土地の崩壊や流失の被害が発生しており、最も深刻な箇所では1年で20メートルの河岸後退が生じています。これらの対策のため、従来「ラ」国では蛇篭工法(注1)による護岸対策が進められていましたが、コスト高であることや必要資機材の国内調達が難しいことから、十分な整備が出来ませんでした。
このような状況下、1990年代に公共事業省(当時は通信運輸郵政建設省)に派遣されたJICA専門家が低コストで事業継続性に有利な河…