プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)コミュニティ・イニシアティブによる初等教育改善プロジェクトフェーズ2
(英)Project for Supporting Community Initiative for Education Development (Phase 2)

対象国名

ラオス

署名日(実施合意)

2012年1月31日

プロジェクトサイト

サバナケット県、チャンパサック県、サラワン県、セコン県(案)

協力期間

2012年9月1日 〜 2016年8月31日

相手国機関名

(和)教育省 初等・就学前教育局
(英)Department of Primary and Pre-school Education, Ministry of Education

背景

ラオス政府は2020年までに後発開発途上国からの脱却を目標とし、教育の普及・改善を貧困の根本的解決に向けた優先事項の一つとして位置付けている。教育スポーツ省(MOES)は2015年までに「万人のための教育(EFA)」を達成すべく、「公平さとアクセス」、「質と妥当性」、「教育行政とマネジメント」を3本柱とした教育改善に積極的に取組んでいる。このため、近年、初等教育の純就学率 (2001年80.0%から2010年に92.7%)や成人識字率(2001年68.7%から2005年に72.7%)は改善されてきたが、都市部と農村部の教育格差は依然として大きく深刻な課題となっている。この背景には、貧困に起因する課題(教育の重要性に対する認識の低さ、季節労働、児童労働等)に加え、教員数の絶対的不足、教員の資質・能力の低さや、学校施設の不備、教材・教具不足などの多くの課題がある。同時に、これら課題に取組むための教育行政の能力も中央・地方ともに不十分で、必要な予算の確保も厳しいため、特に農村部の小学校では、保護者や寺院といった地域社会からの財政支援を受けて学校運営を行っている小学校も多い。これに対し、MOESは各村に村落教育開発委員会(VEDC)を設置し、コミュニティの参画を得ながら学校改善を促している。
こうした背景の下、JICAは2007年から4年間、学校運営へのコミュニティの参画を通じた初等教育の改善を目標に、純就学率がとりわけ低い南部3県(サラワン県、セコン県、アッタプー県)の6郡90校を対象として技術協力プロジェクト「南部3県におけるコミュニティ・イニシアティブによる初等教育改善プロジェクト」(CIED1)を実施した。同事業では、VEDCを主体とした学校改善計画(SIP)策定・実施に係る一連のプロセスの導入と実践に係る技術支援を行い、対象校における学習環境や教育指標の飛躍的な改善を達成した。さらに現場の経験や具体的なアプローチを政策面に反映すべく、ドナーと連携し、ラオス政府が規定する学校の質の基準(SoQ)の策定や、その普及のための研修開発を支援し、高い評価を得た。
CIED1終了後、県教育局(PES)や郡教育事務所(DEB)といった地方教育行政の能力強化を通じたCIED1の成果の持続性の確保と、その面的拡大が課題となっている。また、MOESはPESやDEBの能力強化の研修・指導体制を整備する必要がある。さらに財政面では、MOESが学校改善のために2011年度より「学校補助金(SBG)プログラム」を全国規模で開始したが、SBGが学校改善に資するには、現場レベルでSBGとSIPが一体となって運用されることが不可欠であり、VEDCやこれを支援するPES/DEBへの能力開発が喫緊の課題となっている。
ラオス政府が初等教育のアクセスと質の改善に向けて自立的かつ持続的に取り組んでいくためには、中央・地方教育行政の強化が重要であり、本事業では、CIED1の成果を拡大・発展させるべく、関係機関・関係者のマネジメント体制・能力の強化を支援する。

目標

上位目標

対象県における初等教育のアクセスと質が改善される。

プロジェクト目標

対象郡における初等教育のアクセスと質が改善される。

成果

  • MOESにおけるSoQ達成に向けた研修の計画・実施能力が強化される。
  • SoQ達成に向け、現状分析に基づいた対応策がPESとDEBにより検討され、実施・提案されるようになる。
  • SIP実施に対するPESとDEBの支援能力が強化される。

活動

成果1
1-1 MoESの関連部局(就学前・初等教育局、計画局、対外関係局、財務局、質保証センター、教員教育局)が、SoQとSBGに
関する研修の内容と実施可能な方法・体制を検討する。
1-2 1-1に基づき、MoESがSoQとSBGに関するTOTの実施・予算計画を作成する。
1-3 1-2に基づき、MoESの関連部局が、SoQ研修・TOTモジュールをレビューし、必要な改訂を行うと共に、SBGマネジメント
研修・TOTモジュールを作成する。
1-4 MoESが、SoQアセスメント・モニタリングの共通フォーマットを作成し、1-3に統合する。
1-5 CIED1で開発されたトレーナーブックレットを活用し、MoESマスタートレーナーを育成する。
1-6 1-3に基づき、MoESマスタートレーナーがTOTを実施する。
1-7 MoESと対象県が合同で、SoQの達成状況に関するレビューを定期的に実施する。
1-8 MoESが、2-5の提案を受けて、SoQとSBGに関する研修・TOTモジュールと、TOT実施・予算計画を見直す。

成果2
2-1 教育指標やSoQに基づいた現状分析を行うための手順・プロセス・フローを盛り込んだ手引き書が作成される(3-2と関連)。
2-2 MoESが2−1の手引き書を用いて、PESとDEBに対して、研修・実務指導を実施する。
2-3 PESとDEBが、現状分析を行い、課題への対応策を取りまとめる。
2-4 PESとDEBが、2-3の対応策を実施する。
2-5 PESとDEBが、2-3の課題のうち所掌範囲を超える対応策について、県官房とMoESに提案する。
2-6 PESとDEBが、2-4の実施結果と2-5の進捗状況をモニタリング・レビューする。

成果3
3-1 MoESが、PESとDEBに対して、SoQ研修のTOTを実施する。
3-2 PESとDEBが、2-3の現状分析に基づき学校のレベル分けを行い、重点校を選定する。
3-3 PESとDEBが、重点校・村教育開発委員会 (Village Education Development Committee: VEDC) にSIPの立案を支援する。
3-4 PESとDEBが、重点校・VEDCに対してSIPを承認し、必要書類をMoESに提出する。
3-5 PESとDEBが、重点校のSIPの進捗状況をモニタリング・レビューし、結果を取りまとめ、必要に応じた支援・指導を行う。
3-6 PESとDEBが、SIPの実施支援に関する経験・ノウハウの共有と蓄積を図る。
3-7 PESとDEBが、3-5と3-6を、次年度の学校支援に反映させる。
3-8 PESとDEBが、3-7の内容を報告書にまとめる。

投入

日本側投入

  • 長期専門家:3名
    (チーフアドバイサー/政策・研修計画、教育分析、地方教育行政/業務調整)
  • ローカルコンサルタント(またはNGO)
  • 国別研修及び第三国研修
  • 機材供与:モニタリング用車輌、PC、事務機器等
  • 研修経費:プロジェクト対象4県に対するToTにかかる費用、また対象郡から重点校10向けの研修(ラオス側リソースに応じて 検討する)
  • その他必要経費(在外事業強化費)

相手国側投入

  • カウンターパート:42人
    (プロジェクト・ディレクター(副大臣)1人、プロジェクトマネージャー1人(DPPE局長)、プロジェクト副マネジャー5人、教育・スポーツ省担当者、PES/DEBの局長及び関係者)11人
  • プロジェクト執務室及び執務室維持経費
  • 本事業の対象4県に対するSBGの支給