2018年7月のプロジェクトニュース

2018年8月1日

1. 病院の質基準の改訂と新規質基準の承認を行いました

プロジェクト対象4県の質委員会メンバーに集まっていただき、初めての「病院の質基準」改訂会議(7月17日)をチャンパサック県保健局にて開催しました。プロジェクトが開発し、これまで県病院の自己評価と他者評価に活用してきたトイレ、外来受付、緊急産科ケアの既存の質基準を活用の経験を踏まえて改訂しました。さらに、次回の自己評価から導入予定の新規質基準として、正常分娩のケアの質基準の内容を最終確認し導入が承認されました。また、郡病院の質基準は、県病院の質基準と郡病院の実情を参考に、トイレ、外来受付、緊急産科症例のケア、正常分娩のケアについて協議し、これから評価に用いるドラフトが完成しました。

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4県のプロジェクト担当者と専門家が集中的な議論を行い質基準の改訂を行いました

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4県のプロジェクト担当者と専門家が集中的な議論を行い質基準の改訂を行いました

2. 改訂版質基準を用いた自己評価を開始します

南部4県病院では改訂版病院の質基準を用いた自己評価の時期になりました。サラワン県病院では7月31日に、早速自己評価を行いました。残る3県病院のうち、チャンパサック県病院とセコン県病院では日程を調整中ですが、アタプー県病院では、大雨とダムの決壊による洪水被害が出ているサナムサイ郡での救援活動に全力を尽くしており、自己評価の日程は未定となっています。

3. サラワン県でEmOC(緊急産科ケア)研修を実施しました

プロジェクトでは保健省、保健科学大学、中央病院の職員で構成されEmOC(緊急産科ケア)チームと協働し、対象4県でEmOCの5つのモジュール(計画、研修、実地研修、モニタリング、ToT)を実施していることを5月のニュースでお伝えしました。チャンパサック県では5つのモジュール全てが既に終了し、アタプー県では郡病院のスタッフ3名が県病院において実地研修を行っている最中です。
このたび、サラワン県でも7月9~14日にEmOC(緊急産科ケア)研修を実施しました。3日間のコースを2回連続で行い、県病院と郡病院、プライマリ・ヘルスケア・トレーニングセンターのスタッフの計34名が参加しました。続けて、サラワン県では、8月1日より郡病院スタッフ4名を対象にした実地研修がサラワン県病院で始まります。

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実習形式で実際の手技や手順を確認

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実習形式で実際の手技や手順を確認

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実習形式で実際の手技や手順を確認

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各実習後の振り返り

4. 胎児心拍陣痛図(CTG)勉強会を継続しています

CTG勉強会は、プロジェクト専門家と県病院の産婦人科医師が合同で研修教材を作成し、県病院の産婦人科医師が講師となれるよう配慮して、講義と実習を行っています。今月は、7月4日にチャンパサック県病院で3回目の勉強会を行い、その中でミニテストを実施しました。ミニテストの結果、参加者が今まで習ったことを十分に理解していることが確認できたため、次回からはいよいよ応用編に移ります。また7月16日には、セコン県病院でも初めてのCTG勉強会を行いました。

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勉強会の講師であるチャンパサック県病院の産婦人科医師

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ミニテストの実施と産婦人科医師による解説

5. 看護管理セミナー実施しました

今回のテーマは「役割分担」で、チャンパサック県、セコン県、サラワン県の看護師長の理解促進を目指しました。セミナーでは、事前に保健科学大学とマホソット病院、チャンパサック保健科学短期大学の看護アドバイザーとプロジェクト専門家が協働で作成した教材を使いました。アタプー県は大雨とダムの決壊による洪水被害のため実施時期は未定です。
各県のワークショップには、県病院の看護部及び各部署の看護師長、質基準のトライアルを実施した郡病院の看護師が参加しました。ワークショップ後は、プロジェクト専門家と看護アドバイザーで総括を行い、少しずつファシリテートの方法を改善しながら効果的なセミナーになるよう配慮しました。セコン県では、看護アドバイザーによるコンサルテーションも実施し、患者待ち時間の改善などにアドバイスしました。

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討論を通じてテーマを深めていく(チャンパサック県病院)

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討論を通じてテーマを深めていく(チャンパサック県病院)

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日本人専門家と看護アドバイザーが協力してセミナーをファシリテート(チャンパサック県病院)

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ミニテストに取り組む参加者(チャンパサック県病院)

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看護アドバイザーによるファシリテーション(セコン県病院)

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病棟師長さんも積極的に意見を述べています(セコン県病院)

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自分の病院の現状をみんなで考えています(サラワン県病院)