プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)保健医療サービスの質改善プロジェクト
(英)The Project for Improving Quality of Health Care Services

対象国名

ラオス人民民主共和国

署名日(実施合意)

2015年9月14日

プロジェクトサイト

ビエンチャンおよび南部4県(チャンパサック県、サラワン県、セコン県、アタプー県)

協力期間

2016年2月21日から2021年2月20日(5年間)

相手国機関名

(和)保健省
(英)Ministry of Health

背景

(1)当該国における保健セクターの開発実績(現状)と課題

ラオス国(以下ラオス)に対してはこれまで母子保健を中心とした技術協力、無償資金協力、有償資金協力を実施してきており、5歳未満児死亡率(/出生 1,000)の指標は、170(1993年)から79(2011年)に、また妊産婦死亡率(/出生 100,000)は、796(1995年)から220(2013年)まで大幅に改善した。しかし、依然として他の東南アジア諸国に比べて低い水準であるため、支援を継続していく必要がある。

またラオスは2025年までのユニバーサル・ヘルスカバレッジ(UHC)達成を掲げており、UHCの達成のためには、医療保障制度の整備のみならず、各レベルの保健医療施設において、必要なサービスが確実に提供され、人々からの信頼を確保できることが重要である。JICAはこれまで南部地域において実施してきた母子保健統合サービス強化プロジェクトを通し、県・郡レベルの保健局の事業計画策定やモニタリング等の具体化と実施能力の向上を図ってきたが、次の段階としては保健医療施設における母子保健サービス等の基本的保健医療サービスの質の向上が必要となっている。

(2)当該国における保健セクターの開発政策と本事業の位置づけ

ラオス政府は、中期的な政策改革としてヘルス・セクター・リフォーム(HSR、2011〜2025年)を推進しており、この中で2025年までにUHCを達成することを目指している。特にHSRの第2フェーズ(2016〜2020年)では、大部分の国民が質の高い基礎的医療サービスにアクセスできるようになることが目標とされている。本案件は、南部地域の県・郡病院及びヘルスセンターの保健医療サービスの質的な向上を目指すものであり、この目標達成に貢献する。

プロジェクト概要

以下に、R/D署名時のプロジェクト内容を記す。尚、プロジェクト開始後1年以内にベースライン調査を実施し、Project Design Matrix(PDM)を書き換えることを想定している。

目標

上位目標

全国の保健施設で質の高い保健医療サービスが提供される。

プロジェクト目標

対象南部4県の県・郡病院、保健センターで母子保健を入り口として、質の高い保健サービスが提供される。

成果

1. 各県で母子保健医療サービスの質が技術的に向上する。
2. 各県で提供される保健サービスの質の向上に向けた管理・監視体制が強化される。
3. ラオス国保健サービス質改善実施モデルの展開のためのプロセスが促進されている。

活動

1-1. ラオスにおける医療サービスの質に関する取組をレビューし、活動案を作成する。
1-2. DHCが主導し、医療サービスに関するベースライン調査をする。
1-3. 周産期分野のサービス対応リストを作成、適宜更新する。
1-4. 対象とする医療施設に対して、周産期医療の技術研修を行う。
1-5. 対象とする医療施設に対して、看護実践研修を行う。
1-6. 周産期ケアの手技に対して標準的診療手順書を作成・導入する。
1-7. 各県において県保健局主体で母子保健会議を開催する。
1-8. 各県病院・郡病院は周産期分野に関する問題点やアクションプランを母子保健会議で共有する。
1-9. 県病院において、周産期分野の死亡症例検討、症例検討会を開催する。

2-1. 質管理や看護管理などにかかる推進員養成研修を実施する。
2-2. 2-1で養成された推進員を中心とした院内の質改善活動および看護業務の改善活動を実施することで、各医療施設の質管理や看護管理能力を強化する。
2-3. 業務分掌を明確にした、質の委員会を構築する。
2-4. 医療施設における看護継続教育の仕組みを構築・運用する。
2-5. 看護実践試験を実施・管理する。
2-6. 医療施設で提供されるサービスを標準化する。
2-7. 「病院の質基準」運用の仕組みを構築し、県病院および郡病院で運用する。
2-8. 「病院ランキング」運用の仕組みを構築し、県病院および郡病院で運用する。

3-1. 中央、対象4県でのプロジェクト活動の調整・意思決定やモデルの展開を行うための組織体制を設置する。
3-2. ラオス国で質管理に関するフォーラム、セミナー、4県合同会議を開催し、各医療施設の経験を共有し、協議する。
3-3. 医療施設における実践経験を他の医療施設で導入可能となるよう、実践経験の分析と整理を行う。
3-4. 対象とする県病院において、産科病棟以外の分野への展開方法について協議し、他分野での介入を実施する。
3-5. 保健省および県保健局の計画策定への働きかけを通じて、中央および県レベルでのモデルの継続実施のための予算化および人材確保を図る。
3-6. まとめられた知見を基に、保健サービスの質改善実施モデルを展開するための普及戦略を保健省および県保健局と策定する。
3-7. プロジェクトの取り組みを国内・国外で実施されるフォーラム、セミナーおよび学会、国際誌で発表する。

投入

日本側投入

1. 専門家派遣(長期専門家、短期専門家)
2. 研修(第三国及び本邦研修)
3. 供与機材
4. プロジェクト活動

相手国側投入

1. カウンターパートの配置
プロジェクト活動に関わる保健省および県保健局、郡保健局、県病院、郡病院、保健センターの職員

2. 施設および資機材
チャンパサック県保健局内およびビエンチャン保健省内事務スペース

3. ローカルコスト
カウンターパート人件費、旅費交通費・消耗品、光熱費など