プロジェクト開始

2015年11月12日

F-REDDの第1回合同調整委員会(注1)(JCC: Joint Coordination Committee)が天然資源環境省森林資源管理局のVongdeuane Vongsiharath局長を議長、JICAラオス事務所の牧本小枝次長を副議長として、2015年11月12日にヴィエンチャンプラザホテルにて開催されました。

天然資源環境省森林資源管理局、農林省森林局、ルアンプラバン県のカウンターパートと日本大使館、JICAラオス事務所、そしてプロジェクト専門家の総勢40名が一堂に会する中、プロジェクトの概要が説明され、今後の進め方に関する質疑や議論が交わされました。

開会の挨拶ではVongsiharath議長から、森林戦略2020改定やその他重要政策への支援、気候変動枠組条約(UNFCCC)に向けた森林参照排出レベル/森林参照レベル(FREL/FRL)(注2)やMRV(注3)提出といった国際的な要求への対応、FCPF炭素基金(注4)獲得に向けた協力、ルアンプラバン県におけるREDD+(注5)準備支援など、当プロジェクトへ大きな期待が寄せられました。

また、成果4に関してはPAREDDプロジェクトの成果である住民参加型の森林減少抑制手法(PAREDDアプローチ)の普及基盤強化支援に対する県側からの好意的なコメントが得られ、ルアンプラバン県におけるREDD+準備に関する活動について議論がなされました。

質疑応答を含めた活発な議論の末、業務計画や年間計画と合わせてプロジェクトの正式開始が承認されました。

(注1)合同調整委員会(JCC:Joint Coordination Committee):当プロジェクトの計画作成や承認を行うプロジェクトの意思決定機関。
(注2)森林参照排出レベル/森林参照レベル(FREL/FRL):過去の森林減少や劣化あるいは増加に伴う温室効果ガス排出量の推移に基づいて推測された将来予測。
(注3)MRV:温室効果ガス排出削減の成果を測定(Measurement)、報告(Reporting)、検証(Verification)するための仕組み。
(注4)FCPF炭素基金:開発途上国の森林減少・劣化からの温室効果ガス排出削減を支援するための事業。排出削減量に基づいて資金が支払われる。
(注5)REDD+:途上国での森林減少・劣化による温室効果ガスの排出を緩和することに対して経済的なインセンティブを国際社会が提供する仕組み。

【画像】

Vongsiharath局長(右)と牧本次長(左)

また、同年11月17日に成果4に係る活動のキックオフミーティングがルアンプラバン県の森林局において開催されました。主にプロジェクトの概要と成果4に係る活動についてカウンターパートと協議をしました。成果4の活動はルアンプラバン県を対象に県レベルでのREDD+実施準備を支援することですが、その成果を国レベルのREDD+戦略へフィードバックするというねらいもあります。

また、成果4にかかる活動の一部はアジア・大洋州の森林保全を目的に活動しているRECOFTCとJICAのパートナーシップ事業に沿って連携していくことになります。当日はRECOFTCのバンコク事務所とラオス事務所からも専門家がミーティングに参加しました。

【画像】

名村専門家による成果4の説明の様子