本邦研修:REL・NFMS研修

2016年6月13日

F-REDDではラオス現地での研修やOJTの他にも、日本の事例等から学ぶための本邦研修を実施することにしています。その第1回目として6月13日から24日にかけて本邦研修を実施し、森林資源管理局及び森林局からREDD+を推進する上でキーパーソンとなるリントン課長など職員4名が、特にREL及びNFMSの理解を深めるために訪日しました。
例えばREDD+実施の結果を測る際のベンチマークであるRELや、実際の結果を測定などするMRVは、国の温室効果ガスインベントリとの整合性が求められます。REDD+担当者としてはそのような課題を予め整理しておくが重要であることから、研修ではRELの概要と温室効果ガスインベントリの概要から始まり、実際に模擬REL設定の演習も行うなど、具体的な理解が得られるように工夫しました。
また、林野庁では日本の温室効果ガスインベントリにおける森林炭素データの作成方法、REL提出後の技術審査、温室効果ガス削減の手段として日本政府が実施しているJCM(Joint Crediting Mechanism)のREDD+プロジェクトに関するガイドラインについて講義を受けました。
さらに、二酸化炭素の吸収源ともなる森林管理の好例として、日本三大人工美林の一つである天竜で幾代にも渡り適切に管理されている中山林業合資会社の山林を見学させていただきました。ラオスの森林はほとんどが天然林ですが、それらの持続的経営は重要課題の一つとされていることから、GISを用いた施業方法や流通・販売についても質疑を交え、研修員は熱心に説明を聴いていました。見学した山林は森林認証制度(FSC)に登録されていることもあり、研修員にとって非常に興味深いモデルであったことが伺えました。
今後、研修員がこの研修で学んだことを活かしてラオスにおけるREDD+の推進と森林管理の向上に貢献することが期待されます。

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模擬RELの設定

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天竜人工林見学の様子