NFI 2016-2017 森林・非森林境界年確定調査

2017年2月2日

調査を担うFIPD調査チームに対する屋内外での事前研修を経て、10月末から今乾季の国家森林インベントリ(NFI)調査が開始されました。前乾季(2015 2016)に引き続いて、ラオスの森林資源情報を、特にバイオマス量把握に主眼を置いて調査しています。これによりラオスの森林に蓄積されている炭素量(ならびに、そこから算定される二酸化炭素量)の推定が可能となります。
なお、REDD+では非森林と森林を国の森林定義に従ってきちんと区別する必要があります。焼畑耕作が盛んなラオスでは、リモートセンシングによって焼畑跡地が森林定義を満たす森林へと遷移したと正確に判断するのは難しい課題です。そこで、焼畑跡地がどのくらいの年数で森林に回復するのかを現地調査をもとに推定する調査を5県において行っています。これはUnmanned Aerial Vehicle (UAV)、通称ドローンを用いて撮影された空中写真に基づく樹冠率及び地上調査による胸高直径と、その土地の焼畑耕作後年数を比較することで、森林と非森林を判断ずる基準(境界年数)を設定しようとする試みです。これまでラオスにおいて、このような焼畑後の森林と非森林の境界年数は明確に分かっていなかったため、調査の結果はラオスの森林バイオマスを算出する上で重要な意味を持っています。
この森林・非森林境界年確定調査においては、森林の定義を満たしていなくとも、森林へ回復するポテンシャルを持っている場所についても、炭素量を推定するために調査区内の一部の植生を刈り取ってバイオマス量を測定しています。これにより、土地状況ごとにさらに精緻な炭素量の把握が可能となります。

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UAVによる調査の様子

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UAVから撮影された耕作放棄後1年の植生(手前)と耕作地へ転換された土地(奥)

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バイオマス刈取調査