森林セクター動向調査

2017年3月1日

F-REDDはREDD+活動のみならず、中央政府の森林政策・制度面についても支援をしています。農林省は国家REDD戦略策定及び森林法改正に取組んでおり、その後、REDD+の役割や取組み方向取り込んだ形で森林戦略を改訂することも想定されています。
F-REDDはこの準備段階の支援としてラオスにおける森林関連の情報を収集・整理するために森林セクター動向調査を行いました。調査は約2ヶ月にわたり行われ、森林面積変化の実態や要因、木材伐採・輸出、植林など8分野で計26の指標にとりまとめラオス森林セクターの動向を具体的な数値で分析しました。報告書はF-REDDだけでなく、ラオスの森林セクターやドナーの意見やコメントを取り入れた形で取りまとめられました。
この調査では森林減少の動向が明らかになるとともに、その主な要因が商業的農業生産地の拡大にあること、ラオス政府が定めている木材伐採量のデータと国連が提供している木材輸出量に大きな乖離があり、近年は減少傾向にあるものの依然として大量の違法伐採が行われていることなどが明らかにになりました。また、2000年以降韓国・日本への白炭輸出が急増したほか、2010年以降は中国及びタイ向けの黒炭の輸出も急増しており資源劣化の懸念もあります。これらの結果はラオス国の森林法改正の前提となる改正方針の策定や、ひいては森林戦略の改訂方針にインプットされることになります。