国家森林モニタリングシステムの設計及び開発

2017年8月25日

REDD+を実施する国は段階的な国家森林モニタリングシステム (National Forest Monitoring System:NFMS) の構築をもってREDD+活動を的確かつ透明性をもってモニタリングし、報告することが求められています。ラオスで実現するNFMSのスコープやロードマップは、技術的な検討やREL/MRV技術作業部会等を通じて合意形成が図られており、第1段階としては二酸化炭素(CO2)の排出・吸収を計測する機能(MRV(注)のM(Measurement))を主な目的として開発を進めることが合意されています。

NFMSは既に林野局(DOF)所管のサーバにセットアップが完了し、2000年、2005年、2010年、2015年の衛星画像データや森林区分図、森林被覆変化図、全国規模の森林調査である国家森林インベントリ(NFI)結果等の情報を格納しています。また、それらのデータを利用して、全国・県別の森林区分の面積/面積変化やCO2排出・吸収量/排出・吸収量変化の計算をするための機能が実装されています。システムの最終的なチェックを経て、2017年12月には、第1段階で予定していた機能の開発及びデータの搭載が一通り終了する予定です。そのため、DOF職員が持続的にNFMSの管理・運用・改良できる能力を向上させるべく、11月にNFMS管理・運用研修を約3週間に亘って実施することを予定しています。

2018年以降は、NFMSの試験運用を通じて抽出された課題と対策を整理し、改修とフィードバックを繰り返すことで、NFMSの本格運用を目指します。さらには、森林モニタリングなど、段階的に機能を拡張して行くことが目指されており、F-REDDを中心に他のプロジェクトと協力しながら支援して行く予定です。

(注)MRV:REDD+実施状況を計測(Measurement)、報告(Reporting)、検証(Verification)するための仕組み。

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NFMSで表示した森林区分図

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NFMSで表示した森林面積、CO2排出・吸収量変化の計算結果