ルアンプラバン県の保護林管理計画づくりを開始しました

2017年9月1日

F-REDDはルアンプラバン県の県REDD+活動計画(PRAP)の策定を支援しています。PRAPには、ルアンプラバン県の森林減少要因とその対策が記載されていますが、そのひとつとして、保護林管理の強化が挙げられています。保護林は、ルアンプラバン県面積のおおよそ6割を占め、また6割の森林がこの保護林内に残っており、農地の拡大等による森林減少が進行する中で、保護林をいかに適切に管理するかが重要課題となっています。

F-REDDではルアンプラバン県農林事務所と協議しつつ、ルアンプラバン市に近いながらも比較的手付かずの自然が残されているプープン・プーパトゥン・タットクアンシー保護林、約34,000haをパイロットエリアとして選定し、REDD+パイロット活動支援の一環として、保護林管理計画の策定を開始しました。

まず、対象保護林の衛星画像や数値標高モデルを解析して、また村落での聞き取り調査を通じて、治山・治水の観点から必要な情報の収集を開始しました。例えば、過去15年間かく乱のない森林の特定や、重要水源及び河川、斜面崩壊地あるいはその可能性のある区域の特定を進めました。また、生物多様性という観点からも検討を進め、対象保護林の領域内に生息する、絶滅のおそれのある野生動植物種のリストの作成とその生息地を特定するための情報収集を行いました。

対象保護林の中では昔から村が存在しており、焼畑などの土地利用も確認されています。これらの土地利用との調整を図るために、収集された情報を元に、保護区内でも特に重点的に保護すべき区域(TPZ:Total Protection Zone)と一定の利用を認める区域(CUZ:Control Use Zone)にゾーニングし、それぞれのゾーニングにおける保護林管理計画の策定を進めています。今回のパイロットにおける保護林管理策定を通して、県の保護林管理の実施体制や、計画・実施能力が強化されることが期待されています。

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村落での聞き取り調査の様子。保護林境界の確認及び保護林管理計画に必要な情報の収集を行った。

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水道公社が取り決めている水源管理区域を確認した。