国家森林モニタリングシステムと県森林減少早期モニタリングシステムの開発が進んでいます

2018年7月10日

国連気候変動枠組み条約下でREDD+に参加する国は、国家森林モニタリングシステム(National Forest Monitoring System:NFMS)の構築・活用によりREDD+活動に基づく温室効果ガスの排出削減・吸収増加量を的確かつ透明性をもって計測し、報告することが求められています。F-REDDがラオスで構築を支援しているNFMSには、既に衛星データや森林区分図、森林変化図、国家森林インベントリ結果等の情報が格納されました。また、それらのデータを利用して、全国・県の森林区分の面積/面積変化やCO2排出・吸収量および変化の計算をするための機能も既に実装されています。現在は透明性の確保を目的としてNFMSの一般公開に向けた改修を推進中で、今後はラオス国内の全国を含むREDD+プロジェクト/プログラムの登録や、排出削減レジストリの機能を追加し、REDD+に係るデータの一元管理が可能なシステムへ段階的な拡張を目指します。

また、2018年からは、「県森林減少早期モニタリングシステム」の開発と試行を支援しています。ラオスでは、森林から農地への土地利用転換が最大の森林減少要因とされており、焼畑及び商品作物栽培の森林への拡大をモニタリングし、必要な措置を取る必要があります。しかしながら、不明瞭な森林区分やモニタリング体制・実施方法の不備から、十分に機能していないのが現状です。そこで、衛星情報によって森林減少を早期に発見し、森林官が現地パトロールを通じて現状確認や対策といった必要な措置が可能となる「県森林減少早期モニタリングシステム」を開発し、試験導入する予定です。本モニタリングで収集された森林減少地の情報はNFMSのデータベースにも蓄積され、様々な報告にも活用される予定です。

【画像】ラオスの国家森林モニタリングシステム(NFMS)の概要

【画像】県森林減少早期モニタリングシステムの概念図