2013年2月の活動

2013年2月28日

1.主な活動

1.1 行動規範の作成と説明

プロジェクトの住民参加を主体とするアプローチを鑑み、住民(含むアニメータ)に接する際に、行動の指針となる「行動規範」を作成し、研修統括スタッフとコミューンアニメータに対し説明を行いました。今後、両者は同規範に沿って行動することが求められ、プロジェクトが行う彼らの(態度の)評価も同規範に基づき行っていきます。また、研修統括スタッフ(研修業務の再委託先候補のNGOのメンバー)に対しては、プロジェクトが同スタッフの所属するNGOに、活動を委託するかどうかの判断は、(住民代表である)コミューンアニメータによる同スタッフの「行動規範に基づいた」評価が大きく影響することを説明しました。
今後は、プロジェクトが直接雇用するシニアコンサルタントを通じて、スタッフに「行動規範」の内容をさらに徹底するとともに、彼らが同規範に則り活動しているかどうかの評価も定期的に行う予定です。

1.2 住民に対する研修とモニタリングの実施

今月は、1)養殖関連の放流研修(5サイト)と育成研修(3サイト)の実施と、2)果樹研修、3)家畜関連研修(家禽飼育と養豚)、4)野菜栽培研修、5)土壌保全農業研修(A型水準器作成)の準備を行いました。1)、3)、4)の研修に関しては、「オン・デマンド研修実施の方針」に則り、住民の要請に沿って実施していきます。2)については、ローカルリソース調査の補足として、フクタンアニメータとリードファーマーを活用し、プロジェクト対象地域内で、取り木研修実施に必要なライチの親木の量と所在、並びに、取り木技術を有するリソースパーソンの所在を確認しました。今後、ライチの親木のある村落を中心に、リソースパーソンを活用して、「取り木研修」を実施し、親木のない村落では、プロジェクトが取り木を供給して「苗木生産」研修をカスケード式で実施していきます。3)に関しては、アンパシケリーとアンドレバケリースッドの両コミューンで既に同地で活動するAVSF(国境なき獣医師団、仏NGO)と協力し、研修を実施し、その結果を踏まえて内容を精査し、ムララノクロムコミューンでの研修実施を計画しています。
雨季の到来の遅れを心配しましたが、1月末より、プロジェクト対象地域でも定期的に降雨があり、住民による植林作業も本格的に始まりました。一部下流の灌漑稲作地域では、傾斜地がない、遠いなどで、ユーカリの苗が苗畑に残っているとの報告もある反面、上流部の村落では、「来年はもっと苗木を生産し、植林をしたい」という要望も多くあがっています。現在、プロジェクトでは、リードファーマーを活用して、樹種別の植林本数を調査しています。

1.3 オン・デマンド研修実施の準備

オン・デマンド研修に対する住民の関心は高く、2月2日の時点で100以上の要請書が住民よりプロジェクトによせられました。その内訳は、養殖(21)、改良家禽飼育(18)、改良型養豚(18)、改良かまど作り(17)、果樹(16)などです(カッコ内は要請数)。
具体的な研修の実施については、現地に詳しいコミューンアニメータの考えを尊重して計画していきますが、プロジェクト予算が限られていることと、住民が不公平感を持たないように、以下に述べる点を骨子とした「オン・デマンド研修実施の方針」をプロジェクト内で話し合っています。
・オン・デマンド研修に関しては、原則的に、プロジェクトからのインプットを「技術移転(研修講師やリソースパーソンの派遣)」のみとする。参加者への資機材(稚魚や種子)の支給は行わない。
・ただし、導入する技術を紹介するために必要な最低限の資機材(例えば、コンポストの作り方を見せるために必要な材料のうち、現地で入手が難しいものなど)は、プロジェクトが研修資機材として準備する。
・あるいは、その後の「養殖」活動の面的な普及のために、「稚魚生産」に必要な親魚や稚魚の供給はプロジェクトが負担することも可能である。
・技術が複雑な研修テーマに関しては、当初は、研修講師が住民に対し直接技術移転を行うが、研修講師と一緒に、住民養成計画を立て、徐々に住民講師を要請する。そして、第3年次を目途に、研修講師から住民講師への切り替えを進める。
この後、PMUでも同方針を共有し、承認が得られれば、アニメータやリードファーマーを通じて、住民にも周知していくことを予定しています。

1.4 コミューン土地事務所(GF)に対する支援

ローカルコンサルタントに再委託して実施しているムララノクロムコミューンのGF職員の研修も終了し、同GFは3月より本格的に始動します。公式な開設の前から、同コミューンにはすでに、住民より19件の土地権利証明書発行要請が上がっています。同GFでは、3月より、100枚の証明書の発行をめざし、大々的なキャンペーンを実施する予定です。
懸案事項であったアンパシキリコミューンのGFに関しても、コメの収穫時までに(5-6月)、再開することを目指し、GFスタッフを兼任する副コミューン長の研修を行いました。

1.5 コミューン月例アニメータ会議の開催支援

対象3コミューンにおいて、2月の月例アニメータ会議の開催を支援しました。各コミューンの全CA、FAをそれぞれのコミューン事務所に集め、1)FAによる研修結果報告(開催日、参加者数)、2)課題の共有、3)改善点の提案の3つの議題を取り扱いました。

1.6 合同調整委員会開催

2月5日に、第2回合同調整委員会(JCC)を開催しました。2012年度下半期の活動実績の紹介と第2年次の活動計画の承認に加えて、プロジェクトが構築を目指しているモデルに対する共通理解を促す目的で、モデルの内容や構築の手順を提案し、参加者と意見交換を行いました。
モデル実施体制の現地化についての議論では、プロジェクトとしては、県内のNGOだけではなく、首都に本部を置く大型のNGOへの再委託も検討しているという発言に対し、「県内のNGOを優先的に使こと」、「県内のNGOの能力が不足している場合は、能力強化も視野に入れ、活動の再委託を行う」などの助言がありました。
活動計画の変更点である、「フクタン活動計画を策定し、それに沿って研修を実施する」代わりに、「特定テーマ研修のカスケード式研修(土壌保全関連活動)とオン・デマンド型研修(村落開発関連活動)を実施していく」と言うプロジェクトからの提案についても、賛成意見はあったものの、反論はなく、参加者により承認されました。

2.2013年3月の専門家の着任・離任予定

3月10日 大石専門家離任
3月12日 北窓副総括着任
3月17日 白石専門家離任
3月25日 池田専門家着任

3.活動写真集

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2月2日 県森林局長との住民苗畑の視察

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2月5日 <第2回JCC 於タナ>

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2月5日 <PAPRIZとの共催 コンポスト研修>

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2月18日 <養殖育成研修 > 養殖池のプランクトン発生状況のチェック

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2月18日 洪水となり、マヘリアラ−アンテテザンタニへのアクセス道路の橋が流された。

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2月19日 <BV-LACの旧果樹サイトを訪問>