2013年4月の活動

2013年4月30日

1.今月の主な活動と今後の予定

1.1 研修・モニタリング新体制の始動

2013年9月を目途に、研修・モニタリング活動をNGOに現地再委託することに向けて、現在、再委託先となるNGOの選定を行っています。対象県内に活動基盤を持つ2つのNGOを再委託先候補と位置づけ、これらNGOのスタッフを研修統括スタッフや研修講師として傭上し、彼らの個人・組織としてのパフォーマンスを評価し、最終的に再委託先を選定します。
この新体制は2013年4月からスタートしました。ローカルスタッフ一同、気持ちを新たにして、プロジェクトの成果を上げるべくまい進しています。4月前半の活動状況をみる限り、新体制は順調に滑り出しました。2013年4月から8月までの約5ヵ月間、この体制を試行します。8月までに両NGOのパフォーマンスに基づいて評価し、再委託先を決定します。

1.2 オン・デマンド研修の実施

オン・デマンド研修に対する住民の関心は高く、3月25日までに464の研修要請書がプロジェクトに寄せられています。その内訳は、コンポスト(112)、養豚(86)、養鶏(77)、改良かまど(50)、養殖(47)、果樹生産(28)などです。これらの要請書の内容を精査したのち、要請数の多いコンポスト、養豚、養鶏の3研修から開始しました。また、野菜栽培や改良カマドづくりなどのテーマについても準備を進めています。
実施にあたっては、「オン・デマンド研修実施の方針」に沿って行うことをPMUで申し合わせ、住民にも周知徹底することとしています。
これまでに実施された研修は、以下のとおりです。
1)コンポスト研修
研修では、アクティベータを用いた7日間コンポストの作り方を教えています。住民よりアクティベータを使わないコンポストの作り方も教えてほしいとの要望があり、18日間と45日間コンポストの研修実施を検討しています。
2)養豚研修
フクタンアニメータが説明し、住民の質問に答えるという対話形式の研修を行っており、実習はありません。研修場所の近くの豚舎を活用して、現在の豚舎の問題点や改善方法などを研修に取り入れることができないか提案があり、現在、検討しています。
3)養鶏研修
4月4日にムララノクロムコミューンに住む獣医師を講師として、フクタンアニメータを対象にコミューンレベルの研修を実施しました。内容は、1)鶏の飼い方、その環境、2)餌について、3)接種ワクチンについてで、各参加者は、ワクチン注射の実習のため、鶏を1羽ずつ持参しました。参加者の研修意欲は旺盛であり、「自分たちが住民に教えるんだ」という熱気が感じられました。住民レベルの研修は今後実施される予定です。
4)野菜栽培研修
4月8日にアンバイボ事務所にて、コミューンアニメータと研修統括員を対象とする野菜栽培の講習会が実施されました。4月17日から25日に、ムララノクロムで3ヵ所、アンドレバケリスッドとアンパシケリで各1ヵ所、合計5サイトで、フクタンアニメータを対象とする現場での研修を実施しました。今後、要請に応じて住民レベルの研修が実施されます。
5)カマド研修
4月9日にアンバイボ事務所裏の空き地を利用し、コミューンアニメータ、NGOメンバーなどが参加して、JOCV作成のマニュアルを見ながら、カマドを試作しました。今後、NGOメンバーが講師となり、5月4日にムララノクロム、5月10日にアンドレバケリスッドとアンパシケリのフクタンアニメータ向けの研修を行い、カスケード体制を構築します。
6)ライチの取り木研修
対象地域内のライチの母木の所有者と協力し、2013年3,000本、2014年4,000本、2015年5,000本の取り木生産を予定しています。苗木生産研修を実施し、対象地域の全世帯に苗木を1本ずつ配布することを目指します。すでに研修講師との契約は済み、4月から母木の所有者と交渉し、協力者を集めはじめます。4月11日に、同研修講師によるコミューンアニメータを対象とした研修を実施しました。5月9日、13日、14日にフクタンアニメータ向けの研修を実施してカスケード体制を整え、対象域内の全集落を対象に研修を実施していきます。
7)養殖研修
昨年からはじめた5ヵ所での試験的な養殖研修は、現在4ステップあるうちの第3ステップまで完了し、最終の収穫研修を残すのみとなっています。プロジェクトでは、今後の研修では稚魚を提供しないこととし、その旨を申請者に伝えたうえで、研修を希望するかを確認したところ、21件の研修要請が届きました。これらは7月以降に研修を開始する予定です。一方、養殖用稚魚の生産を希望する農家に対して、その研修を行うことを住民に伝えていたところ、3件(うち1件は検討中)の研修要請がありました。これに対しても、要請内容を精査したのち、7月以降に実施すべく準備を進めていきます。

1.3 コミューン土地事務所(GF)に対する支援

ムララノクロムコミューンの土地事務所(GF)は、2013年3月から本格的に活動を開始しました。プロジェクトでは、同GFの活動状況をモニタリングし、必要に応じて技術的な支援を提供します。このため、2013年4月から、同GFのモニタリングと技術支援の活動につき、第1年次に引き続いてCFAに現地再委託をしています。
ムララノクロムのGFの現状は次のとおりです。
・3月末現在、46件の申請が上がっており、現在、これらの証明書発行のための現地調査・承認(Reconnaissance)手続きを行っています。
・5月半ばにはすべての土地権利証明書の発行準備が整う予定であり、その後、住民へのPR活動を兼ねてGFの開所式を行う予定です。
また、アンパシケリのGFについては、現在、再建のための活動が着実に進められています。土地権利証明書の発行ポテンシャルが高いフクタン(国道沿いではなく、中山間地のフクタン)において、4月5日に土地権利証明書とGFに関するPR活動を行い、現地調査・承認委員会の選挙の手続きに入りました。

2.2013年5月の専門家の着任・離任予定

5月2日 池田専門家離任
5月19日 小川専門家着任

3.活動写真集

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4月3日 アンパシケリーで開催されたラバカ対策研修。水が流れる溝に沿って土嚢が積まれ、植物が植えられた。

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4月9日 すべてのコミューンアニメータや研修統轄員が集まり、JOCV作成のマニュアルを見ながら、改良かまどの試作が行われた。その経験をフクタンアニメータに伝え、カスケード体制を整える。

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4月10日 第13回PMU。研修実施・管理体制などについて議論が交わされた。

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4月17日 アンドレバケリースッドでの野菜栽培研修。人参の種を蒔いているところ。

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4月25日 アノシボリボリでの土壌保全農法研修。等高線沿いに植物を植える。小さい子供連れの女性参加者の姿も目立つ。

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ムララノクロムコミューン庁舎に公告された土地登録申請書。土地の権利確保への住民の関心は高い。