2013年12月の活動

2013年12月31日

1.今月の主な活動と今後の予定

1.1 植林研修の実施

植林研修の2段階目となる移植研修が開始されました。研修実施の効率化を図るため、育成研修を受けたローカル・トレーナーが、各村で研修講師となり実施しています。これまでインストラクターが研修を実施していた体制に比べ、より広い地域で、より多くの研修を開催できるようになりました。また、NGOはローカル・トレーナーが研修を運営するための支援として、研修の実施前に簡易な研修マニュアルを用いた打合せを行い、ローカル・トレーナーの能力強化に努めています。結果としてローカル・トレーナーの研修運営能力は向上し、当該NGOによる研修評価によると、80%以上のローカル・トレーナーは研修の実施に問題がない能力レベルに達しました。
一方、当月は稲作の農繁期と重なり、研修の運営管理が困難な時期でしたので、研修参加者の参集が十分ではないケースが見られました。

1.2 改良カマド研修の実施

先月と同様に、ローカル・トレーナーによる改良かまど研修が各村で実施されました。

表1は、上述した特定テーマ研修(植林研修・改良かまど研修)の2013年11月末時点での実績を示しています。
表1:特定テーマ研修実績表(2013年11月30日現在)

研修名 研修実績数
(2012年8月から
2013年11月)
研修
実績数
(2013年11月のみ)
研修参加者数
(2012年8月から
2013年11月)
男性 女性 合計
播種研修(インストラクターによる開催) 356 1 3,526 2,201 5,727
播種研修(ローカルトレーナーによる開催) 334 134 3,140 2,195 5,335
移植研修(ローカルトレーナー育成) 34 34 125 89 214
移植研修(ローカルトレーナーによる開催) 64 64 571 389 960
改良カマド研修(インストラクターによる開催) 211 1 2,063 2,041 4,104
改良カマド研修(ローカルトレーナーによる開催) 117 27 865 957 1,822
合計 1,116 261 10,290 7,872 18,162

1.3 オン・デマンド研修の実施

住民からの要請に基づき、ライチ取り木・移植研修や家禽飼育研修、養豚研修等が実施されました。ライチ取り木・移植研修ではインストラクターが研修講師となり、ライチ親木からの取り木、ならびにポットへ移植する実習を行いました。11月末に森林局と協働で野火対策研修を実施しましたが、12月のプロジェクト・マネジメント・ユニット(PMU)にて、参加メンバーから「実際の野火発生状況を鑑み、8月頃に研修を実施すべき」という指摘がありました。今後の状況を見て、研修の適切な実施時期を検討していきたいと思います。

1.4 稚魚生産研修の実施

雨季に入り水温の上昇に伴い、稚魚生産研修の3段階目となるロイヤルカープの採卵準備研修が実施されました。研修参加者にメスの抱卵状態を実物で示しながら、産卵用池にオス4尾、メス2尾の割合で投入しました。ロイヤルカープの受精卵が孵化するまで付着する基盤には、現場で入手が可能な耐水力のある植物の繊維を用いて作成されました。採卵準備研修ののち産卵が実際に行われれば、約4日後に稚魚が孵化するため、その状況を見て稚魚生産研修が行われる予定です。

表2は、オン・デマンド研修の2013年11月末時点での実績を示しています。
表2:オン・デマンド研修実績表(2013年11月30日現在)

研修名 研修実績数
(2012年8月から
2013年11月)
研修
実績数
(2013年11月のみ)
研修参加者数
(2012年8月から
2013年11月)
男性 女性 合計
ラバカ対策研修 7 2 118 29 147
ライチ研修(取り木処理) 136 0 1,398 949 2,347
ライチ研修(取り木・移植) 54 54 545 426 971
7日間堆肥づくり研修 150 2 1,625 1,245 2,870
土壌保全農業研修 10 0 179 130 309
陸稲研修 1 0 10 10 20
野菜栽培研修 119 2 961 956 1,917
養豚研修 149 3 1,365 1,171 2,536
家禽飼育研修 143 7 1,365 1,120 2,485
養殖研修(池準備) 11 0 183 105 288
養殖研修(放流) 5 0 96 63 159
養殖研修(育成) 5 0 100 48 148
稚魚生産研修(親魚飼育) 2 0 32 11 43
野火対策研修 5 5 71 35 106
合計 797 75 8,048 6,298 14,346

1.5 ローカルNGOによる植林ポットの販売支援

住民による土壌保全活動の持続性を担保する仕組みの一つとして、ローカルNGOによる植林ポットの販売が12月17日より開始されました。開始に先立ち、プロジェクトとゾーン1およびゾーン2の両NGOは、全ての住民に対する植林活動に必要となる資材の提供と、ローカルNGOによるビジネスモデルの構築を目的とする覚書を取り交わしました。両NGOが構築している人的ネットワークをビジネスチャンスとして活用する販売戦略を試行し、流通チャネルの創出を図っていきたいと思います。

1.6 月例インストラクター会議の終了

エリアマネージャー(旧称:コミューンアニメータ—)、インストラクター(旧称:フクタンアニメーター)、ローカル・トレーナー(旧称:リードファーマー)からなる3段階の普及方式から、インストラクターを省いた2段階の普及体制の構築を進めています。次年度から本格的に実施される2層の普及体制での研修運営に向け、インストラクターの業務は縮小するため、毎月開催されていた月例インストラクター会議は12月をもって終了としました。最後のインストラクター会議では、カウンターパート、対象3コミューンの代表者およびプロジェクトより普及体制変更の経緯が伝えられました。また、これまでの活動に対する感謝とともに研修証明書を一人一人に手渡す授与式を執り行いました。今後は、インストラクター自身の選択によりローカル・トレーナーの役職で研修実施に携わることも出来ます。彼らのインストラクター(旧フクタンアニメータ—)として培った経験や、エリアマネージャーおよびローカル・トレーナーとのネットワークは、引き続き有効に活用されることになります。

2.2014年1月の専門家の離着任予定

1月9日 三浦総括着任

3.活動写真集

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12月10日 PMU事前フィールド訪問。苗畑を前に、森林局のカウンターパートから技術的アドバイスを受けている様子です。帽子を被っている5名のインストラクターが住民へのフィードバックを行います。

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12月17日 稚魚生産研修の3段階目となる採卵準備研修。ロイヤルカープ親魚のメスの体重を計測する様子を、興味津々で見ている研修参加者。

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12月20日 ライチ研修(取り木・移植)の様子。親木からの切り離し方法を実習中の研修参加者。

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12月21日 土壌保全農業研修。生け垣を造成し土壌を固定させる実習を行った時の様子。写真はアンパシケリーフクタン。

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12月18日 今月で最後となる月例インストラクター会議ゾーン2(アンドレバケリスッド、アンパシケリーコミューン)にて。研修証明書を手にする8名のインストラクター。

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12月19日 今月で最後となる月例インストラクター会議ゾーン1(ムララノクロムコミューン)にて。研修証明書を手にする26名のインストラクター。