2014年8月の活動

2014年8月31日

1. 今月の主な活動と今後の予定

1.1 研修の実施

7月はローカル・トレーナーによる改良カマド研修およびライチ取り木処理研修が多く実施されました。同時にローカル・トレーナー育成研修も行われ、順次、研修単位毎にローカルトレーナーによる住民への研修が実施されていく予定です。
改良かまど研修後のモニタリングにおいて、作成した改良カマドが長持ちせずに割れ目が生じ欠損してしまうという住民の反応が一部ありましたが、使用する材料や作成工程をエリアマネージャーがローカル・トレーナーとともに確認し、問題の解決を図っています。

2014年7月に実施された研修の実績は表1のとおりです。

表1:研修実績表(2014年7月)
研修名 研修実績数
(2014年4月
〜2014年7月)
研修実績数
(2014年7月)
研修参加者数
(2014年4月〜2014年7月)
男性 女性 合計
改良カマド研修
(ローカル・トレーナー育成)
63 1 142 158 300
改良カマド研修
(ローカル・トレーナーによる開催)
298 111 2,519 3,509 6,028
ライチ研修 取り木処理
(ローカル・トレーナー育成)
56 10 139 120 259
ライチ研修 取り木処理
(ローカル・トレーナーによる開催)
89 58 854 679 1,533
ライチ研修 ポット移植
(ローカルトレーナー育成)
1 1 1 0 1
ライチ研修 定植
(ローカル・トレーナー育成)
7 1 19 19 38
ライチ研修 定植
(ローカル・トレーナーによる開催)
21 18 654 459 1,113
合計 535 200 4,328 4,944 9,272

1.2 野火対策研修への協力

8月よりアロチャマングル県環境・森林局による野火対策研修が開始されました。プロジェクトが活動中の5コミューンにおいては、23フクタンで研修が行われる予定です。昨年は5フクタンのみの実施で、また開催時期が適切ではありませんでしたが、今年はその点を見直し計画を作成しました。プロジェクトは、研修講師である森林局職員の移動手段および移動費を支援しています。

1.3 植林研修・稚魚生産研修の準備

乾期が終盤に近づきつつあり、NGOとともに今年度の植林研修および稚魚生産研修の実施に向けて準備を行っています。具体的には、研修ステップの確認や実施方法、研修資材の調達などの協議を進めています。

1.4 ムララノクロム・コミューン土地事務所の啓発活動

ムララノクロム・コミューン土地事務所(GF)のフクタンレベルでの啓発活動を実施しています。本来は6月から7月にかけて集中的に実施する予定でしたが、現地の治安状況の悪化によりGFスタッフがフクタンに行くことができない状況が続いており、8月下旬になってようやく再開することができました。
2014年8月19日(火)には、アンテテザンタニ・フクタンで啓発活動を開催し、約40名の住民が参加しました。住民からは、土地権利証明書の発行手続きに対する質問、土地税との関係についての質問が寄せられたほか、手数料が高いとの意見も出されました。手数料については、土地登記の手続きに比べれば手数料が安いこと、現在は正規の手数料から25%の割引をしていることを説明するとともに、土地権利証明書を取得することのメリットについても説明し、住民の理解を求めました。
その他のフクタンでも啓発活動を実施するために、スケジュールを調整しているところです。

1.5 アロチャマングル県フェアへの参加

8月1、2日の両日、アロチャマングル県フェアが開催され、プロジェクトは環境・森林局と共同でスタンドを出展しました。当イベントは県内の農畜産物生産者や、企業、NGO等が参加し、商品の販売や活動紹介を一般の市民へ向けて発信する場です。また、期間中はアロチャマングル県の産業活性化に向けた討論会が企画され、地域の強みを生かした開発について協議が行われました。

1.6 国際農村経済フェア(FIER-MADA)への参加

8月6〜10日の5日間に渡り、JICAマダガスカル事務所の協力のもと、国際農村経済フェア(FIER-MADA)へ参加しました。
参加の目的はプロジェクト活動の広報およびNGOのビジネスチャンネルの創出の機会とすることです。今後、プロジェクトは他県への地域拡大や、プロジェクト開始当初からの対象3コミューンにおいて出口戦略がとられていきます。これまで研修の実施を担ってきたNGOは、今後自主的な戦略によるビジネスを展開するとともに、住民の継続的な活動を支えるキーマンとなることが期待されています。このイベントの機会を利用し、他業者との交流や他地域での農畜産物市場に関する情報収集を行うことを目的としました。
展示に関しては、昨年の経験を踏まえ、見せる展示を意識し内容を工夫しました。特に、改良カマドに関してスタンド来訪者からの問い合わせが多く、DVDとともに多くの人の関心を引いていました。改良カマド作成デモンストレーションを実施したところ、他地域で活動しているNGOより研修講師としての引き合いを受けたり、養殖研修に関連して養殖魚の取引の可能性について問い合わせを受けたりするなど、NGOのビジネスチャンネルに繋がるネットワークを形成するよい機会となりました。

1.7 プロジェクト活動拡大対象候補県の第1次事前調査の実施

7月に実施された中間運営指導調査と合同調整委員会での協議の結果に基づき、「DRDR-コミューン普及員を活用したモデル展開の成功例」の策定を目的とし、2015年より新たな県でプロジェクト活動を開始します。新規県の候補としては、JICA事務所からの情報、JCCでの協議を踏まえて、PAPRizが活動を展開する4県から、ブングラバ県とイタシ県を選びました。7月30日から8月1日にかけて、両県で関係者への聞き取りと他のプロジェクトの活動現場などを視察しました。

2. 2014年9月の専門家の離着任予定

9月4日 北窓専門家離任

3. 活動写真集

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ローカル・トレーナーによるライチ取り木研修の様子。写真はアンパシケリーコミューン、アンバトアフフクタンでの様子。

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取り木処理されたライチの親木。

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8月6日 国際農村経済フェア(FIER-MADA)にプロジェクトのスタンドを出展。プロジェクトのアプローチ、モデルのイメージ図、活動紹介を行った。

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8月7日 スタンド来訪者の関心が最も高かった改良カマド。容易に入手可能な材料を使用しているため、作り方や耐久性について質問が多かった。

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8月9日 スタンド内で行われたライチ取り木処理のデモンストレーション。多くの人が足を止め、熱心に聞き入っていた。

【画像】

8月19日 ムララノクロム・コミューン土地事務所の啓発活動。アンテテザンタニ・フクタンでの様子。