2014年12月の活動

2014年12月31日

1. 今月の主な活動と今後の予定

1.1 研修の実施 〜植林(移植)研修とラバカ対策研修の本格化

2014年11月は、10月に引き続きローカル・トレーナーによる植林(播種)研修が数多く実施されました(合計243回のうち、新規2コミューンで65回)。また、雨季の本格化に伴い、ローカル・トレーナーの育成と住民向けの植林(移植)研修が開始されました。前者は全コミューンで32回、そのうち新規2コミューンで6回、後者では、全コミューンで50回、そのうち新規2コミューンで12回の研修が実施されました。対象の5コミューンすべてにおいて、12月も植林(移植)研修が多く実施される見込みです。
植林(播種)研修と同様に、ラバカ対策研修も現場での研修が本格的に開始されました。11月だけでも、既に14回(うち7回は新規2コミューン)の研修が現場で実施されており、12月はさらに多くの箇所で研修が実施される見込みです。

表1:研修実績表(2014年11月末現在)
研修名 研修実績数
2014年11月のみ
新規
2コミューンでの研修実績数
2014年11月のみ
研修実績数
2014年4月〜2014年11月
研修参加者数
2014年4月〜
2014年11月
男性 女性 合計
ライチ研修_ポット移植(ローカル・トレーナーによる開催) 27 - 40 317 277 594
ライチ研修_ポット移植(ローカル・トレーナー育成) 2 - 14 35 22 57
ラバカ対策研修 14 7 29 317 69 386
ラバカ対策研修_予備ミーティング 18 7 39 429 133 562
改良カマド研修(ローカル・トレーナーによる開催) 116 34 998 7,883 10,282 18,165
改良カマド研修(ローカル・トレーナー育成) 1 1 82 254 273 527
稚魚生産研修_稚魚生産 2 - 2 14 - 14
播種研修(ローカル・トレーナーによる開催) 243 65 671 6,974 5,801 12,775
播種研修(ローカル・トレーナー育成) 7 2 78 303 336 639
移植研修(ローカル・トレーナーによる開催) 50 12 50 327 315 642
移植研修(ローカル・トレーナー育成) 32 6 33 87 54 141
合計 512 134 2,036 16,940 17,562 34,502

1.2 中央高地コメ生産性向上プロジェクト(PAPRiz)との協働

PRODAIREの普及システムを用いて、PAPRizの稲作研修(理論研修のみ)の情報を住民に伝達する試みを、11月20日から12月15日まで行いました。11月27日までにPRODAIREのローカル・トレーナーを介して81件の研修要請が上がり、そのうち、PAPRizのアニメーター兼インストラクターが選定した27カ所で研修が実施されました。実施地域はアンパシケリ・コミューン2カ所、アンドレバケリスッド・コミューン7カ所、ムララノクロム・コミューン18カ所で、1カ所あたりの平均参加者数は11.8人でした。PRODAIREのローカル・トレーナーとPAPRizのアニメーター兼インストラクター間の不十分なコミュニケーションの問題など、これまでの課題に対する対策の結果を現在取りまとめています。
水利組合のメンバー向けに実施するラバカ対策研修は、11月の活動報告で既報の通り、要請があった9カ所のラバカのうち、5カ所を水利組合のメンバーとPRODAIREの再委託先であるローカルNGOのスタッフが視察しました。視察した5カ所のうちの1カ所であるムララノクロム・コミューンのムラテロフクタンにおいて、12月10日にラバカ対策研修が実施されました。

1.3 養殖活動における住民による融資へのアクセスおよび稚魚の販売

養殖活動を実践するために、住民が融資へアクセスすることを目的として、12月31日現在、対象地域のアンドレバケリスッドで一つ、アンパシケリで一つのアソシエーションが設立され、登録手続きを済ませました。両アソシエーションはともに、求められる養殖研修の受講を済ませた後、現地の金融機関(Bank of Africa: BOA)に必要書類を提出しました。12月中に、プロジェクトスタッフ、NGO、BOA担当者の3者でサイトを訪問し、提出書類の記述内容を確認しました。BOAから借り入れる資金で稚魚を調達し、2015年1月から稲田養殖を開始する予定です。

1.4 第2フェーズから開始するブングラバ県での活動計画案策定

11月活動報告で、ブングラバ県農村開発局(DRDR)および県環境・エコロジー・森林局(DREEF)と協議した結果、Tsinjoarivo Imangaを最有力対象コミューンの候補地とし、Fihoananaを次点とすることを報告しました。しかし現地訪問後、Fihoananaでは1)コミューン農村開発普及員(CDR)がコミューン長に准じるポストについているため、プロジェクトへの参加が十分に期待できないこと、2)上述の2コミューン以外に可能性があるコミューンとして挙がっていたAmbatolanpyで、ラバカの問題が深刻であることが判明しました。こうした現状を鑑み、Tsinjoarivo ImangaとAmbatolanpyを対象コミューンの候補地とすることに改めました。
これらのコミューンにおいて、対象地域に求められる条件(1)国道1号沿い、2)CDRの居住地および隣接するフクタン)を満たすフクタンは、表2の通りです。前者では2人のCDRが27研修ユニットを、後者では1人のCDRが14研修ユニットを対象に研修を行っていく予定です。

表2:対象候補コミューン、フクタンとその集落数、人口、予想研修ユニット数

【画像】
注:(*)はCDRが居住するフクタン
(出典:CDR提供のデータをもとに専門家が作成)

研修テーマは、植林(アカシア)、改良カマド、ラバカ対策、野火対策を予定しています。さらに、木本性作物については、地域で入手可能な作物(赤コショウやパパイヤ)の挿し木研修を行う予定です。また、赤コショウプラットフォームと赤コショウを欲しがる住民を繋ぐため、住民向けの支援活動を行う予定です。

1.5 アンディラナトビー、ラノマインティでの第2フェーズ活動計画案策定

11月の活動報告で既報の現場視察の結果を踏まえ、第2フェーズにおける両コミューンでの活動計画案を策定しました。第2フェーズではエリア・マネージャーの増員によって、奥地やアクセス困難地においてもPRODAIREの活動を本格的に展開することを予定しています。これは、奥地やアクセス困難地にも土壌保全関連の研修ニーズがあり、その緊急度が高い集落が存在している。こうした地域でPRODAIREの活動を展開することで、PC23区の流域管理に対するインパクトが最大化できると考えられるためです。
研修テーマは、植林、改良カマド、ラバカ対策、野火対策を候補とします。さらに、ライチの親木がある集落ではライチ取り木研修を実施します。

2. 2014年12月の専門家の離着任予定

1月8日 三浦専門家着任
1月13日 小川専門家着任

3. 活動写真集

【画像】

クーポンと引き換えに植林用ポットを配布するローカル・トレーナー(アンパシケリフクタン)

【画像】

移植準備が整った植林用ポット

【画像】

ユーカリの苗畑(ムララノクロム・コミューン)

【画像】

ラバカ対策研修の対象地選定(ムララノクロム・コミューン、アンドリアンケリ・フクタン)

【画像】

ラバカ対策研修における構造物作成の様子(ムララノクロム・コミューン、アンボヒデラヒー・フクタン)

【画像】

連絡帳の記入方法を学ぶローカルトレーナー(アンパシケリフクタン)