2015年6月の活動

2015年6月30日

1.今月の主な活動と今後の予定

(1)アロチャマンゴロ県での活動

1)当初対象3コミューンでの住民活動のモニタリングとフォローアップの再開

2015年5月より、再委託先NGOによる住民活動のモニタリングとフォローアップを再開しました。住民との直接的なコミュニケーションの前段階として、5月にはエリアマネージャーとローカルトレーナーによる会議が数多く開催されました。これらの会議の目的は、1)休止期間中の住民活動の把握、2)第2フェーズのモニタリング戦略の確認、3)ローカルトレーナーの役割の確認、です。6月以降は、住民へのモニタリングとフォローアップが本格化していきます。
また、件数は多くないものの、5月にも住民活動のモニタリングを実施しました。その結果、住民間の情報伝達のネットワークが機能しつつある事例が数件報告されました。例えば、ムララノクロムのアンタナンダバフクタンとアンボヒドロニフクタンでは、改良カマドを使用している住民から使用していない住民に対して、改良カマドを導入することの便益が伝わり、新たに導入を希望する住民が現れました。彼らは第1フェーズで研修に参加していなかったため、ローカルトレーナーに助言や協力を求めて、改良カマドの導入を進めています。

2)新対象2コミューンでの活動

5月報で既報のとおり、アンディラナトビーコミューンとラノマインティコミューンでは、アクセスが悪い集落(カテゴリー3(注))へ活動を拡大するため、エリアマネージャーを1名増員しました。しかし、第1フェーズから活動を展開してきたカテゴリー1と2の地域での、プロジェクト活動休止中の状況把握と研修の再開を優先したため、5月末現在、カテゴリー3の地域では啓発活動がまだ開始できていません。6月以降はカテゴリー1と2の地域で研修とモニタリングが軌道に乗る見込みのため、カテゴリー3の地域での活動を本格化させます。
カテゴリー1と2の地域では、ライチの取り木と草本を材料として作製する丸形の炭(以下、シャルボンブザカ)に関する講師育成研修がエリアマネージャーに対して実施されました。6月以降にエリアマネージャーがローカルトレーナーに対して、その後ローカルトレーナーが住民に対して研修を行っていきます。

(注)アクセスの容易さの順に、対象地域を1,2,3のカテゴリーに分類しています。第1フェーズではカテゴリー1と2の地域のみで活動を展開してきました。

3)簡易インパクト調査の準備

2012年2月のプロジェクト開始時から2015年6月までの期間のプロジェクト成果を把握するため、簡易インパクト調査の準備を開始しました。同調査で調査員を務める再委託先NGOのメンバーと打ち合せを終え、7月上旬から現場で調査を開始することを決めました。詳細は「7月の活動」にて報告します。

4)世界環境デーのイベントへの参加

県森林局から依頼を受け、6月4日と5日に開催された世界環境デーのイベントに参加しました。当プロジェクトは、県環境局と共同で展示ブースを設置し、来場者へプロジェクトの紹介や改良かまどの展示販売を行いました。
同イベントの一環として県森林局が開催した改良かまどの研修には、以前から県森林局に研修の実施を要請していた協同組合のメンバーを含め、120名ほどの近隣住民が参加しました。研修にはエリアマネージャー1名が技術アドバイザーとして参加し、県森林局職員による研修の実施を支援しました。

(2)ブングラバ県での活動

県農業開発局と県森林局の職員が中心となり、プロジェクトの対象2コミューンのコミューン長とフクタン長を対象に説明会を開催し、プロジェクトの概要やPRODAIREモデルの原則、具体的な実施方法などを説明しました。
その後、フクタンの中心村において、啓発活動を実施しました。具体的には、1)農村開発普及員によるプロジェクトの説明、2)改良かまどやラバカ対策を紹介するDVDの上映、3)ローカルトレーナー候補の選定、などです。
6月末から7月上旬にかけては、ローカルトレーナーに対する改良カマドの講師育成研修が実施される予定です。

(3)中央での活動

1)世界銀行のPURSAPSとの連携活動の準備

世界銀行が支援するPURSAPS(Emergency Food Security and Social Protection Project)のブングラバ県担当コーディネーターと、当プロジェクトとの連携について協議しました。同コーディネーターからは、特に、当プロジェクトのラバカ対策が持続的であるとの評価が得られ、アロチャ・マングル県のサイトを訪問して、当プロジェクトの経験を学びたいとの要望が出ているので、今後、その具体的な調整に入ります。

2)土地権利証明書の発行

2014年7月の閣議決定により、コミューンは、土地利用現況図(PLOF)とコミューン開発基本計画(SAC)を策定しなければ、小規模な土地の登録(5ha以下の水田、500平米以下の村落内の宅地)を除き、コミューン土地事務所(GF)による土地権利証明書の発行はできないこととされ、この現状に現在のところ変化はありません。SACに記載されるべき項目、その承認のための具体的な手続きなどにつき、国土開発・整備・インフラ省に確認するなど、引き続き情報収集を進めます。

2.2015年7月の専門家の離着任予定

7月6日 池田専門家離任
7月21日 野田専門家離任
7月29日 北窓専門家着任

3.活動写真集

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新たにユーカリを植林した住民(アンパシケリコミューン)。

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住民活動のモニタリングの様子(アンパシケリコミューン)。

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シャルボンブザカに関するエリアマネージャーへの講師育成研修の様子(アンディラナトビコミューン)。

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ライチ取り木処理に関するエリアマネージャーへの講師育成研修の様子(アンディラナトビコミューン)。

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対象フクタンでのブングラバ啓発活動の様子。農村開発普及員が、住民に呼びかけを行っている。

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ブングラバ県における第1回PMUの様子。県農業開発局と県森林局の職員、農村開発普及員、プロジェクトメンバーが、今後1か月の具体的な活動を話し合った。