2016年5月の活動

2016年5月30日

1.活動写真集

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5月2日MRPAとの調印式

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ライチ取り木研修(アロチャ・マングル県ラノマインティ・コミューン)

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漁獲されたロイヤルカープ(アロチャ・マングル県アンパシケリー・コミューン)

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住民と熱心に議論する農業省と環境省からのミッションメンバー(5月4日、アロチャ・マングル県アンディタナトビコミューンのアンダシベフクタン)

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アロチャ県のPMU会議(5月11日、アロチャ・マングル県アンバトンドラザカ)

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質問票調査実施のため、エリアマネージャーと打ち合わせする調査員たち(アロチャ・マング県アンバイボフクタン)

2.今月の主な活動

(1)アロチャ・マングル県での活動(対象期間:2016年4月1日〜4月30日)

1)研修の実施と住民活動のフォローアップ

当初対象4コミューンで、当該期間に研修は実施されませんでした
新対象2コミューンでは、ライチのポット移植研修が実施されました。またアンディラナトビーコミューンの遠隔地(カテゴリー3の徒歩でのみアクセスが可能なサイト)にて、改良かまどのローカル・トレーナー育成研修が実施されました。2016年5〜6月には、これまで活動が実施されていなかったカテゴリー3に含まれる全てのサイトで、活動がはじまる予定です。

新対象2コミューンの研修実績表
研修名 研修回数
(2016年4月)
研修回数
(2015年6月〜
2016年4月)
累積研修参加者数
男性 女性 合計
ライチ 取り木研修
(住民向け)
0 86 721 402 1,123
ライチ 取り木研修
(ToT)
0 4 14 7 21
ライチ ポット移植研修
(住民向け)
39 140 944 578 1,522
ライチ ポット移植研修
(ToT)
28 40 184 138 322
改良かまど・シャルボンブザカ(注)研修(住民向け) 0 260 1,974 1,961 3,935
改良かまど・シャルボンブザカ研修(ToT) 1 16 43 36 79
植林 播種研修(住民向け) 0 236 2,311 1,590 3,901
植林 播種研修(ToT) 0 32 106 78 184
植林 移植研修(住民向け) 0 221 1,854 1,266 3,120
植林 移植研修(ToT) 0 21 85 55 140
ラバカ対策研修
(対象ラバカ特定)
0 20 34 5 39
ラバカ対策研修
(予備ミーティング)
0 21 116 58 174
ラバカ対策研修
(技術研修)
0 20 105 15 120
ラバカ対策研修
(モニタリング)
0 7 N/A N/A N/A
合計 68 1,124 8,491 6,189 14,680

(注)草本を材料として作製する丸形の炭

アンパシケリーのローカル・トレーナー約30名が発起人となり、彼らがメンバーとなるアソシエーション(現地名:AINGAVAO)が、彼ら自らの発意により、2016年1月に設立されました。これは、PRODAIREが1年後に終了することを見越し、同プロジェクトの終了後も、彼らが同地域でローカル・トレーナーとしての役割と活動を継続し、地域の環境保全と発展のために寄与することを目指すものです。

5月14日(土)にアンパシケリーでその記念式典が催されました。同アソシエーションのお披露目という位置づけで、当日はアンパシケリーのメイヤーなどとともにPRODAIREの日本人専門家が列席し、祝意を伝えました。式典と同時に、傾斜地植林樹種や果樹の苗木、改良かまど、養殖魚、オレンジやサトウキビなどの生産品の展示即売が実施され、当選すれば改良かまどがあたる抽選会なども催され、活況を呈しました。

モニタリング中心で住民活動のフォローアップを実施している当初対象4コミューンでは、こうした普及スタッフ自らの発意による活動に加え、住民による自主的な植林や改良かまどの作製、エリア・マネージャーが工夫を凝らした住民活動の後押しなどの事例が報告されています。

2)インパクト調査の実施(対象期間:5月1日〜5月31日)

当初対象4コミューンの住民を対象として、これまでPRODAIREが実施した普及活動のインパクトを定量的に測定することを目的とする質問票調査が、5月6日から実施されました。調査は6名の外部調査員により実施され、日本人専門家が彼らの調査活動を監理しました。

調査対象となるインフォーマントは、2014年の中間インパクト調査実施時にランダムサンプリングした900世帯を対象とし、そこからさらにランダムに抽出した500世帯です。これら世帯に調査員が戸別訪問してインタビューし、質問票を埋めました。2014年の中間インパクト調査以降の実践状況を把握し、中間インパクト調査の結果の延長線上として、実践状況を把握するためです。同調査は5月26日に終了しました。

この結果に基づき、2014/2015年と2015/2016年の植林本数の和で層化してランダムサンプリングした120世帯を対象とする植林地踏査を6月9日から実施し、植林された樹木の生残率を測定します。

3)環境・エコロジー・森林省官僚、農業・畜産省官僚、PAPRiz II専門家による現地視察の受け入れ(2016年5月3日〜5日)

環境・エコロジー・森林省 流域管理局局長と森林経営・森林資源管理局官僚、農業・畜産省 プロジェクト・プログラムコーディネーター、PAPRiz II金澤専門家の4名が、5月4日に現場を視察されました。

彼らは5月3日に首都アンタナナリボから移動し、その日にアロチャ・マングル県森林局局長(現)がプロジェクトの概要説明を行いました。首都から7時間以上かけて移動の直後にも関わらず、プロジェクト紹介と質疑応答は3時間以上におよび、関心の高さが伺えました。

翌5月4日に、ラバカ研修が実施されたサイト2か所、植林地2か所、改良かまどを作成している地域を数か所など、環境分野の活動地を中心に、1日で5コミューンを回っていただきました。住民による主体的な活動が行われていることや、そのなかでもラバカ安定化対策に興味を持っていただき、住民との活発な質疑応答がみられました。

4)JOCV隊員の着任

アロチャ・マングル県農村開発局(DRDA)に配属される青年海外協力隊員(コミュニティ開発)が、2016年5月9日よりムララノクロムに着任しました。

5月〜7月にかけて、プロジェクトでは質問票調査、植林地踏査、ラバカ調査などのインパクト調査を実施しているため、この機会を同隊員が利用して、とくに通常の交通手段では行きにくい遠隔地のフクタンに隊員が同行し、村落の状況を観察してもらう機会としています。

(2)ブングラバ県での活動

5月にはブングラバで研修活動の実施がなかったため、ここではブングラバ県で5月に実施したインパクト調査を中心に報告します。

1)植林地踏査とラバカ調査の実施(対象期間:5月1日〜31日)

本普及システムのローカル・トレーナーが作成した活動対象地域の世帯リストから、ランダムに抽出した200のサンプル世帯を対象に、4月4日から4月13日まで8日間で質問票調査を実施しました。地元NGOメンバーを外部調査員として雇い、PRODAIRE所属の日本人専門家とローカルコンサルタントに加え、PAPRiz所属の日本人流域管理専門家がその作業を監理しました。質問票調査の結果に基づいて、2015/2016年の植林シーズンの植林本数で層化した調査世帯から、50世帯を新たにランダム抽出しました。この50世帯を対象として、5月23日から5月31日まで植林地踏査を実施しました。調査の結果から、普及活動のひとつの成果となる植林面積を求める予定です。

(3)UNDP/GEFプロジェクト(MRPA)との連携に関する合意書の調印(2016年5月2日)

5月2日に環境・エコロジー・森林省 次官、JICAマダガスカル事務所 西本所長にご同席いただき、MRPAとPRODAIREとの合意書が調印されました。

5月9日には、第1回目の予算が既に執行されました。MRPA活動の支援のため、PRODAIREチームの派遣が6月中旬に2週間程度予定しており、今後2か月に1回のペースで、3名のマネージャーを派遣することでMRPAと合意しています。