2016年12月の活動

2016年12月31日

1.活動写真集

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住民向けは播種研修の様子(アロチャ・マングル県ラノマインティコミューン)

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ローカルトレーナー・ラバカ対策講師の認証式の様子 その1(アロチャ・マングル県ムララノクロムコミューン)

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ローカルトレーナー・ラバカ対策講師の認証式の様子 その2(アロチャ・マングル県ムララノクロムコミューン)

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認証式にて、ローカルトレーナーに配布したLIFEモデルをアピールするTシャツ(アロチャ・マングル県ムララノクロムコミューン)

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MRPAプロジェクトのインパクト調査実施・分析能力強化研修でのランダムサンプリング演習(アンタナナリボ)

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ブングラバのPAPRizとの連携サイトで実施されたローカルトレーナー要請研修(植林)

2.今月の主な活動

(1)アロチャ・マングル県での活動

1)研修の実施と住民活動のフォローアップ(対象期間:2016年11月1日〜11月30日)

当初対象4コミューンでは、2015年から住民による活動の持続性の向上を目指し、エリア・マネージャーとローカルトレーナーによる住民への直接モニタリングを実施しています。エリア・マネージャーは全185研修単位の約7割(124研修単位)を訪問し、これまで本プロジェクトが普及してきた活動に関して、住民に直接助言しました。訪問した研修単位の数が通常よりも少ない理由は、後述するUNDP/GEFプロジェクトMRPAとの連携の一環として、当地で活動する2人のエリア・マネージャーをソフィア県へ派遣したことにより、直接モニタリングのために割ける時間が限定されたためです。

新規2コミューンでは、植林研修(ポット移植)やラバカ対策などの研修が181回実施され、参加者数は延べ2,284人(男性1,436人、女性848人)でした。研修後の住民活動に関するモニタリングも同時に実施され、エリア・マネージャーが全129研修単位のすべてを最低1回は訪れ、ローカルトレーナーや住民を支援しました。

2)植林用ポットの配布(対象期間:2016年11月1日〜11月30日)

これまでに既報のとおり、今年度は出口戦略の一環として、DREEFとコミューンが主導して、住民へ植林用ポットを配布することを試行しています。11月上旬の時点で、当初対象4コミューンの各コミューン事務所へ植林用ポットを取りにきたのは、200世帯あまりと少なく、12月中旬の時点でもその世帯数は大きくは増加していません。その理由は、コミューンから住民に情報を伝える経路が乏しく、多くの住民にポット配布の情報が伝わっていないことが一因だと考えられます。さらに、対象地域における治安の悪化がもうひとつの要因となっており、たとえば治安の悪化を理由に、住民の安全を優先してポット配布を暫定的に停止したコミューンもあります。
今年度の試行結果を踏まえ、2017年以降に再度植林用ポットを配布する場合に、どのような経路で住民に植林用ポットを配布すべきか、今後もPMU会議の場などで議論していきます。

3)アロチャ・マングル県:ラバカ対策講師(ローカルトレーナー)の認証式(対象期間:2016年12月上旬)

2016年12月上旬より、当初対象4コミューンと新対象2コミューンで、ローカルトレーナーやラバカ対策講師に対する認証式を実施しています。同式では、認定証を授与するとともに、LIFEモデルの認知度を高めることを目的としてTシャツを配布しています。2016年12月中に、当初対象4コミューンおよび新対象2コミューンの全てのコミューンで、認証式が終了する見込みです。

(2)ブングラバ県での活動(対象期間:11月1日〜12月初旬)

現在、ブングラバでは、以下の3タイプのサイトで、LIFEモデルが運用されています。

タイプ 対象
コミューン
モデルの適用単位 植林 カマド 灌漑稲作
1 Ambatolampy,
Tsinjoarivo
コミューン
(の一部のフクタン)
50世帯を1研修単位とし、各単位に1名のローカルトレーナー(LT)を選定。 スキーム毎にLT(リーソース・パーソンRPと呼ばれる)を選定。
2 Ambararatabe
Ankadinondry,
Ankerana nord
Fihaonana
谷内の灌漑水田と周りの傾斜地 居住区毎に1名のLTを選定。
3 Fierenana,
Bemahatazana
谷内の灌漑水田と周りの傾斜地 各スキームで一人のRPが選定され、すべてのテーマの研修を行う。

上表のタイプ1はPRODAIREが、タイプ2と3はPAPRizが、普及モデルを展開するための資金を負担しており、これらのタイプにより普及活動を担う要員の密度や役割が異なっています。

2016年11月には、タイプ1と2のコミューンで植林(播種/ポット移植)、改良かまど、PAPRiz灌漑稲作技術の研修が行われました。また、11月10日、ブングラバ県のすべてのCDRを対象にラバカ対策研修の講師育成研修を予定しました。しかし、事前調整が不十分であったことから、十分な数のCDRと関連住民が集まらず、少人数の参加者に研修を実施する結果となり、予定した研修本来の目的を果たすことが出来ませんでした。このため、改めてCDRと関連住民に対してラバカ対策講師育成研修を12月1日と3日に実施しました。また、LIFEモデルの技術を補完することを目的として、アロチャ・マングル県の本プロジェクトで活動するNGOのエグゼクティブ・マネージャーを本研修に派遣しました。

(3)他ドナーや他のプロジェクトとの連携(対象期間:12月1日〜12月31日)

1)アンバトビー鉱山会社との連携

アロチャ・マングル県アンダインゴコミューンにおいて、LIFEモデルを活用したマングル川流域の保全活動をアンバトビー鉱山会社と共同で実施しています。これまでに既報のとおり、フクタンレベルでの啓発活動や、植林播種・ポット移植および改良かまどの講師育成研修が終了し、現在これらをテーマとする住民レベルでの研修が進められています。また、育成された講師による住民向けのラバカ対策研修が実施されています。

2)UNDP/GEFプロジェクトMRPAとの連携

これまでに既報のとおり、MRPAプロジェクトでは2017年5月を目途に、インパクト評価調査の実施を予定しています。11月24日にMRPAのコーディネーターと面談し、先方が同調査で期待する内容を確認しました。その面談結果をもとに、引き続きインパクト評価調査の設計、質問表調査の草案作成、予算の積算などの準備作業を進めています。
12月13日、同調査の実施チームを率いる予定のソフィア県DREEFのGIS技術者とMRPA情報データベース担当者に対して、調査の実施・分析能力を強化するための研修を行いました。同研修では、現在準備中のインパクト評価調査計画や質問票の草案を示しながら、調査全体の流れを説明しました。その後、各自のコンピューターを用いて、以下の演習を行いました。

  • 調査対象世帯のサンプリング(層別抽出、ランダム抽出)
  • Excelピボットテーブルを用いた調査結果の集計(単純集計、クロス集計)
  • 植林木の生存率、植林本数の補正レートの算出
  • 対象地域全世帯による植林本数の推定