2017年1月の活動

2017年1月31日

1.活動写真集

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2017年1月26日に開催されたLIFEマニュアル承認式の様子(アンタナナリボ)

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協力隊員とローカルトレーナーが協働で7日間コンポスト研修を実施(アロチャ・マングル県チャラホネナナコミューン)

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ローカルトレーナー・ラバカ対策講師の認証式の様子 その1(アロチャ・マングル県アンディラナトビコミューン)

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ローカルトレーナー・ラバカ対策講師の認証式の様子 その2(アロチャ・マングル県アンディラナトビコミューン)

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播種研修後に設置された個人苗畑(アロチャ・マングル県ラノマインティコミューン)

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ラバカ対策研修(アロチャ・マングル県マヘリダーザコミューン)

2.今月の主な活動

(1)アロチャ・マングル県での活動

1)研修の実施と住民活動のフォローアップ(対象期間:2016年12月1日〜12月31日)

アロチャ・マングル県の対象6コミューンでは、2017年1月末でプロジェクト活動が終了するため、12月にローカルトレーナー会議を開催し、プロジェクト終了後も研修の実施など住民支援を継続し、地域の発展に貢献してもらいたい旨をエリア・マネージャーから伝えました。
当初対象4コミューンでは、ラバカ対策研修が12回実施され、参加者数は延べ242名(男性217名、女性25名)でした。エリア・マネージャーとローカルトレーナーによる住民活動のフォローアップについて、エリア・マネージャーは全185研修単位の約9割(166研修単位)を訪問しました。
新規2コミューンでは、植林研修(ポット移植)やラバカ対策などの研修が153回実施され、参加者数は延べ1,782人(男性1,161人、女性621人)でした。研修後の住民活動に関するモニタリングも同時に実施され、エリア・マネージャーが全129研修単位のすべてを訪問し、ローカルトレーナーと共に住民活動を支援しました。

2)植林用ポットの配布(対象期間:2016年12月1日〜12月31日)

今年度は出口戦略の一環として、県森林局(DREEF)とコミューンの主導で、住民への植林用ポットの配布を試行しています。1月18日に開催されたPMUで、現状と今度の対策を話し合いました。各コミューンの配布予定数と実際の配布数は次のとおりです。

表1:ポット配布数
コミューン名 配布予定数 配布数(12月末現在) 残数
アンパシケリー 13巻 2巻 11巻
アンドレバケリスッド 15巻 9巻 6巻
ムララノクロム 11巻 7巻 4巻
アンボディラノ 36巻 5巻 31巻

今年の問題をコミューン長から聞き取ったところ、当初は、ポットの受け取りを希望する世帯がコミューン事務所まで取りにくることを予定していましたが、治安上の問題や干ばつの影響などを理由に、住民がコミューン事務所に受け取りに来ないということです。残りのポットについては、コミューン苗畑での使用を希望するコミューンもありますが、全てアロチャマングル県森林局(DREEFI)が回収し、2月のPMU会議で来年度の対策を検討します。

3)ローカルトレーナー認証式(対象期間:2016年12月上旬〜中旬)

2016年12月上旬より、対象6コミューンで、ローカルトレーナーやラバカ対策講師に対する認証式を実施しまし。同式では、認定証を授与するとともに、LIFEモデルの認知度を高めることを目的としてTシャツを配布しました。認証されたローカルトレーナーの数は次のとおりです。

表2:認証されたローカルトレーナー数
研修テーマ 認証されたローカルトレーナー数
植林 394
かまど 316
野菜栽培 34
養豚 34
改良養鶏 34
取り木によるライチ栽培 240
7日間堆肥 34
ラバカ対策 46
合計 1132

(2)ブングラバ県での活動(対象期間:2016年11月1日〜12月初旬)

ブングラバ県におけるプロジェクト予算による現場での活動は、2016年12月末に終了しています。

1)研修実績

表3に同県でこれまでに実施された研修の実績をまとめます。

表3:ブングラバ県での研修実績(期間:2015年6月-2016年12月)
研修テーマ 研修回数
(2016年9月)
参加者数

男性

女性

合計

植林 300 5,293 3,346 8,639
野火対策 16 258 234 492
改良カマド 270 2,362 3,056 5,418
ラバカ対策 66 142 16 158
PAPRiz灌漑稲作技術 10 64 3 67
合計 662 8,119 6,655 14,774

約1年半の間で実施された研修は662回、のべ参加者数は14,774人に上り(うち45%が女性)、研修1回当たりの平均参加者数は22人でした。

2)ローカルトレーナー認証式

1月末より、対象2コミューンの9フクタンで、植林、改良カマド、ラバカ対策のCDRとローカルトレーナーの認証式を開始しました。認証式には、県農業局と森林局の代表やコミューン長などが出席し、住民の前で各トレーナーに認定証が授与されました。県局代表より、「プロジェクト終了後も、ローカルトレーナーや普及員(CDR)が技術を率先して普及していく」ことが住民に伝えられました。

表4:認証されたローカルトレーナー数
コミューン 改良カマド 植林 ラバカ 合計
Ambatolampy 21 22 1 44
Tsinjoarivo Imanga 30 31 2 63
合計 51 53 3 104

(3)他のプロジェクトや組織との連携

1)アンバトビー鉱山会社との連携(対象期間:2016年12月1日〜12月31日)

アロチャ・マングル県アンダインゴコミューンにおいて、LIFEモデルを活用したマングル川流域の保全活動をアンバトビー鉱山会社と連携して実施しています。2017年1月上旬には、2016年10月〜12月の四半期の活動をまとめた報告書が、アンバトビー鉱山会社の再委託先であるNGOのEZAKA VAOVAOから提出されました。この報告書によると、対象サイトの概要は、1コミューン(アンダイゴコミューン)、3フクタン、765世帯、住民数5,045名です。12月末までに4つのグループ研修単位、20の研修単位が設置され、20名のローカルトレーナーが選出されました。2016年12月末までに、次の研修が実施されました。

表:アンダイゴコミューンの研修実績
研修名 累積研修参加者数
研修回数
(2016年11月〜12月)
男性 女性 合計
改良かまど研修(住民向け) - - - -
改良かまど(ToT) 4 20 2 22
植林研修(住民向け) 32 190 77 267
植林研修(ToT) 4 22 1 23
ラバカ対策研修(住民向け) 9 49 9 58
ラバカ対策研修(ToT) 3 27 4 31
合計 52 308 93 401

ラバカ対策研修については、住民からの要請に基づき3か所のラバカが特定され、リソースパーソンを対象としたラバカ研修(TOT)と住民向けラバカ対策研修が実施されました。ラバカ対策研修では、予備ミーティング、技術研修を通じて、3か所のラバカに対策が講じられました。
植林研修については、研修後、参加者はユーカリの種子を受け取り、それぞれ個人や共同の苗畑を設置しました。

2)GEF/UNEPプロジェクトの実施に関するANAEとの連携

環境省の外郭団体である環境活動協会(Association nationale d’actions environnementales: ANAE)、JICA事務所、環境省の計画局、ブングラバ県森林局と、ANAEとの連携に関して協議しました。ANAEはブングラバ県でGEF/UNEPのプロジェクト「Participatory Sustainable Land Management in the Grassland Plateaus of Western Madagascar」を開始します。その実施支援としてプロジェクト(PRODAIRE)からANAEに対し、以下の通り、LIFEモデルの展開に係るノウハウを移転することが確認されました。

  • PRODAIREの支援は、モデルの展開に係るANAEの能力強化であり、モデルを展開する費用は負担しない
  • PRODAIREが育成したローカルコンサルタントをANAE事務所に駐在させる
  • ローカルコンサルタントの給与や活動に係る経費や最低限の物品(PCなど)は、PRODAIREが負担する
  • ANAEが以下のカレンダーに沿ってモデルを展開し、ローカルコンサルタントがそれを支援する

同プロジェクトは、ブングラバ県の7コミューンを対象としており、現地での活動が開始されるのは2017年4月の予定です。

3)世銀プロジェクトPADAPとの協議

PADAPのマダガスカル側の責任者である農業省のオリバ氏と数回の話し合いを持ち、PADAPでLIFEモデルを活用する際の予算や結果のシミュレーションを含む簡易プログラム案を作成しました。その案に基づき、農業省、環境省が、1月に来マした世銀ミッションと協議し、ソフィア県とブエニ県のコミューンでのLIFEモデルを用いた植林、ラバカ対策、改良カマドの普及が、同プロジェクトの小コンポーネントとして認められました。

(4)中央での活動(対象期間:2017年1月1日〜1月31日)

1)LIFEマニュアル作成委員の開催

1月中に2回の委員会が開催され、以下の活動が実施されました。

  • 12月末までに、プロジェクトに寄せられたマニュアルのドラフトファイナルバージョンに対するコメントの取りまとめとマニュアルへの反映
  • マニュアル承認ワークショップの準備

2)LIFEマニュアル承認ワークショップの開催

1月26日にLIFEマニュアル承認ワークショップを開催しました。当日は、農業・畜産省大臣、環境・生態・森林省大臣、マダガスカル国日本大使館代表、JICA事務所所長を始めとし、中央省庁の総局長と局長、世銀やEUなどのドナーの代表、22県の農業・畜産局局長と森林局局長、ジャーナリストなど総勢147名の参加がありました。12月末までにプロジェクトに送られてきたコメントに加えて、ワークショップでもマニュアルの改善につながる複数の有意義なコメントがあり、それらのコメントを反映するという条件の下で、LIFEモデル、ならびにそのマニュアルが両省より承認されました。