プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)ムララノクロム総合環境保全・農村開発促進手法開発プロジェクト
(英)Project of Integrated Approach Development in order to Promote Environment Restoration and Rural Development in Morarano Chrome
(仏)Projet de Développement de l’Approche Intégrée pour promouvoir la Restauration Environnementale et le Développement Rural à Morarano Chrome

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対象国名

マダガスカル

署名日(実施合意)

2010年10月11日

プロジェクトサイト

アロチャ・マングル県アンパラファラボラ郡の3コミューン(ムララノクロム、アンパシケリー、アンドレバケリースッド)

協力期間

2012年2月19日から2017年2月18日

相手国機関名

(和)環境・森林省
(仏)Ministère de l'Environnement et des Forêts

背景

マダガスカルは、日本の約1.6倍の面積がある島国で、国土の約63パーセントは草地、約22パーセントが森林です。2005年から2010年の5年間で2,850平方キロメートル(東京都の約1.3倍に相当する面積)が減少しています。主な原因として、急激な人口増加にともなう農牧地の開拓や焼畑農業、燃料木材等の伐採による影響の拡大が挙げられます。

この森林減少・劣化の結果、マダガスカル各地の山上や山腹には植生被覆の乏しい荒廃地が広大に広がり、土地の水源涵養機能及び土壌保全機能が低下しています。上流域の中山間地域では、下流域に比べて貧困度が高いことが問題になっています。また、上流域からの土砂流出は下流域における土砂堆積を招き、灌漑稲作にも悪影響を与えています。荒廃地の土壌保全等の機能回復を図り、中山間地域での環境保全と村落開発を共に実現することが、流域全体の保全・管理につながります。

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マダガスカルの中央高地から北東に位置するアロチャ湖周辺は、同国最大の穀倉地帯ですが、この地域でも中山間地域では住民が貧困問題を抱え、下流域の灌漑稲作地帯では上流域からの土砂流入により灌漑施設に大きな被害が起きています。この課題に対応すべく、マダガスカル国政府及びJICAは、2003年から2008年までアロチャ湖南西部地域を対象とする開発調査「アロチャ湖南西部地域流域管理及び農村総合開発計画調査」を実施し、同地域の流域管理・農村開発政策を策定しました。また、同開発調査の一環として実証事業を実施し、環境保全及び農村開発のための土壌保全、農業、代替生計活動に関するさまざまな技術を試行・検証しました(例:天然林保護、森林・原野火災防止、村落共有林の造成、ラバカ修復、改良カマド普及等の上流域における流域保全実証事業、及び下流域を中心とした水稲栽培技術向上、二毛作普及、養殖等による村落開発)。

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この開発調査では、個別の技術の効果の検証、及び活動の持続性の確保に関する教訓が得られるとともに、有効な技術を持続的に普及・展開するためには、行政による普及・展開方法の確立が必要という課題が明らかになりました。そのためには地方行政の人員体制と能力強化が必要であると同時に、村落レベルでの活動の実施促進とモニタリングを継続的に行うための実用的な仕組みの構築が必要であることもわかりました。

上記の開発政策と教訓に基づき、マダガスカル国政府は、アロチャ湖南西部中山間地域において総合環境保全に配慮した農村開発を推進するための技術協力を我が国に要請し、これを受けて2012年2月より本技術協力プロジェクト「ムララノクロム総合環境保全・農村開発促進手法開発プロジェクト」が開始されました。

目標

上位目標

荒廃した中山間地域において、村落開発と土壌保全を総合的に促進するコミューンが増加する。

プロジェクト目標

荒廃した中山間地域において、村落開発と土壌保全を総合的に促進するためのモデルが構築される。

成果と活動

成果1:

プロジェクト対象コミューンにて、村落開発と土壌保全を総合的に促進するための計画が策定される。

活動

1-1 プロジェクト実施ガイドラインを作成する。
1-2 住民とプロジェクト管理ユニットをつなぐ連絡調整員(アニメータ)となる人材を確保する。
1-3 アニメータに研修を行う。
1-4 ベースライン調査を行う。
1-5 ローカルリソース調査を行う。
1-6 各フクタンについて、住民と行政関係者の土地利用に関する希望をまとめた土地利用計画図を作成する。
1-7 各フクタンでの活動計画を策定する。
1-8 各フクタンでの活動計画をコミューンごとにまとめ、コミューン開発計画に反映できるよう情報提供する。

成果2:

プロジェクト対象コミューンにて、住民による村落開発と土壌保全に寄与する活動が促進される。

活動

2-1 各フクタン(注)にて、活動計画に基づいて、住民に村落開発と土壌保全に寄与する活動に関する研修とフォローアップを実施する。
2-2 各フクタンにて、活動計画に基づいて、住民に自然環境保全に関する意識や知識の向上のための研修及び環境教育を実施する。

(注)フクタン:マダガスカルにおいてコミューンの下位に位置づけられる最小行政単位。

成果3:

プロジェクト対象コミューンにて、住民による村落開発と土壌保全に寄与する活動がコミューンごとにモニタリング・評価され、改善策が示される。

活動

3-1 各フクタンで実施する研修やフォローアップなどの活動をモニタリング・評価する。
3-2 研修やフォローアップ実施後の住民の反応をモニタリング・評価する。
3-3 モニタリング・評価の結果を確認して対応を検討する。
3-4 モニタリング・評価の結果をふまえて、各フクタン・コミューンでの活動計画を改定する。
3-5 モニタリング・評価の結果をふまえて、プロジェクト実施ガイドラインを更新する。

成果4:

プロジェクト対象コミューンにて、土地所有権の登記が可能になる。

活動

4-1 ムララノクロムコミューン土地登記所(GF)設立に関し、アロチャ土地登記所支援事務所(CFA)、ムララノクロムコミューン、プロジェクトの役割分担について合意を形成する。
4-2 合意に基づきムララノクロムコミューンGF設立に必要な資機材を準備する。
4-3 合意に基づきムララノクロムコミューンGF職員の研修を実施する。
4-4 ムララノクロムコミューン以外のコミューンのGFの運営及び活動の状況について、課題と必要な支援策を検討し、計画・実行する。
4-5 対象3コミューンのGFの運営をモニタリングし、必要な助言・支援を行う。
4-6 住民のGF利用を促進する。

成果5:

プロジェクト対象コミューン以外の荒廃した中山間地域の行政関係者に、プロジェクトが提案するモデルが効果的であると認知される。

活動

5-1 環境、農業、地方自治、プロジェクト対象コミューンを所管する機関や同じ地域の他プロジェクト関係者からなる県レベルの協議委員会を開催し、プロジェクトの実施状況を報告してアドバイスを得る。
5-2 荒廃中山間地域の行政関係者を対象として、プロジェクトの成果を発表するためのワークショップ、セミナー、現地視察会などを開催する。
5-3 プロジェクトが採用した活動手法の有効性を総合的に評価する。
5-4 プロジェクトが提案する荒廃した中山間地域の村落開発と土壌保全を総合的に促進するためのモデルのマニュアルを作成する。
5-5 環境保全を伴った村落開発を促進するためのプログラム案などを作成する。
5-6 作成したマニュアル、プログラム案などの承認及び採用を中央政府、地方自治体などに提言する。

投入

日本側投入

専門家派遣:
チーフアドバイザー、自然資源管理、村落開発、土壌保全、地方行政、研修管理、業務調整等 5年間で110MM程度
カウンターパート研修:年2名、3回想定
機材供与:活動用車両、バイク、GF設置のための資機材、研修実施に必要な資機材(苗木、ポット等)、事務機器
活動経費:スタッフの傭上経費(普及要員数名、通訳、秘書、運転手等)
研修講師に対する謝金、研修実施に係る諸雑費、消耗品(事務用品など)

相手国側投入

カウンターパート及び管理スタッフの配置
施設の提供:プロジェクト用執務スペースなど
現地の活動費:カウンターパートの人件費、事務所光熱費など