みんなの学校(TAFITA)2018年1月の活動

2018年2月16日

今月の主な活動

(1)基礎モデル(学校運営委員会活性化モデル)に関する活動

基礎モデルについては、先月に引き続き、PEC策定総会や連合設立総会が各地で実施され、設立された連合事務局メンバーに対する計画研修も実施されました。さらに、モニタリングマニュアル改訂やモニタリング会合支援を通じ、モニタリング体制強化にも力を入れた月となりました。

1)PEC策定総会モニタリング

先月に引き続き、各地にてPEC策定総会が開催されていることから、今月初めにモニタリングを実施しました。全体的には研修マニュアルに沿って忠実に行っており、特に導入寸劇は非常によく演じられていましたが、マニュアルの内容を追っているのみで、マニュアルの各要素がどのような意味を持つのか、議事進行を行う校長やFEFFI事務局メンバー内で明確になっていません。また最も重大な問題は、「テスト結果」の分かりにくさです。今年度からコンピテンシー別に児童をカテゴリー分けする形でテスト結果を取りまとめましたが、住民集会にて発表するのには複雑すぎます。PEC策定総会でのテスト結果共有は「“読み書き計算ができていない”という現状を保護者・住民に認識、意識を喚起させ、これを変えるための行動へと駆り立てる」という目的に基づくものなので、結果のとりまとめ方法は今後の改訂が必要と言えます。幸い、校外学習を行うという「結論」への意識統一が研修でも繰り返されていたため、総会での議論がどのようなものであれ、目指す「校外学習」には繋がっているようです。

2)連合設立モニタリング

4日、Anjozorobe郡のMangamila連合で、連合設立モニタリングを行いました。全般的には、準備・進行ともに非常に潤滑であり、総合的にアドミニストレーション、ロジ能力の高さを実感しました。また、サイクロンが近づく中での総会であったにもかかわらず、出席率は非常に高く、投票・開票共に非常に真剣に取り組んでいる姿は印象的でした。全般的な連合の課題としては、1)連合としての帰属意識の生成、2)コミューンとの関係性づくりが挙げられます。1)に関しては、「連合」としての単位への意識作りへの検討を進めるとともに、様々な形で「連合」を具体的な形で見せる必要があります。2)に関しては、視察した選挙総会においては、開催地の副市長の参加を得られ、スタートとしては良好と言えますが、その他の2コミューンへは連絡自体がどの程度なされているか不明であり、意識的な関係性作りを心掛ける必要があります。また、この関係性作りには、郡教育省事務所、地区教育省事務所(ZAP)による意識的な関与を促す必要があります。
なお、1月下旬現在、首都アンタナナリボ市で予定されていた3連合を除く43連合の設立が終了しています。アンタナナリボ市の連合については、アンタナナリボ市郡教育省事務所長及び県教育省事務所長から、連合が政治的に利用される可能性が高いことから、設置は、来年以降に延期してほしいとの依頼がありました。

3)FEFFI機能化のためのモニタリング会合(県教育省事務所レベル)実施

今学年度2回目となる県教育省事務所レベルモニタリング会合を実施しました。県教育省事務所長、郡教育省事務所長8名が参加したほか、県教育省事務所のFEFFI担当官1名、郡教育省事務所のFEFFI担当官8名、地区教育省事務所(ZAP)長郡代表8名が参加しました。さらに途中から基礎教育識字総局長、基礎教育長及びカリキュラム局長の参加がありました。同会合の議題はFEFFIの設立及びPECの策定状況に関するもので、全校の情報が集まっていないものの、1,648校中1,608校で民主的なFEFFI設立のための総会が行われ、459校で問題分析総会、410校でPEC採択総会が終了したことが明らかになりました。

(2)応用モデルに関する活動

質のミニマムパッケージ統合モデル(読み書き、計算)については、28校2,462名の生徒に対して補習活動が引き続き、実施されています。さらに1月開始の35校で3,451名に対する補習活動が開始しました。算数についても、65校の代表ファシリテーター研修、カスケード研修が実施され、6,000名超に対する算数ドリルを用いた補習活動が開始しました。自主給食モデルについては、昨年11月より開始した研修を皮切りに、対象5校にて自主的な学校給食運営が開始しました。同時に、子どもの栄養に関するFEFFIを通じた啓発活動の準備を進めています。

1)質のミニマムパッケージ(読み書き活動)

1月開始の35校(アバラジャン郡34校及びAnjozorobe1校)について、12月末のファシリテーター研修後のカスケード研修が実施されました。サイクロンで多くの対象校で学校閉鎖となった時期で、カスケード研修実施は延期を余儀なくされましたが、その後、35校3,451名に対する補習授業が開始しています。
本活動については、いくつかの課題が明らかになってきました。1)特に1年生について、マニュアルに記載されている進捗が早すぎる。その他のレベルの生徒についても、1日に進める内容があらかじめ設定されており、子どもたちの状況に応じた対応が可能となっていない、2)普通の授業と変わらない形態になっている場合が多い。マインドマッピングなどを形としては取り入れてはいるものの、多くの場合、積極的・能動的な学習が促進されていない。3)一部の学校でファシリテーターが不足し、ファシリテーター一人当たりの児童数が30名を超えて、目が行き届いていないケースがある。4)カスケード研修を行ったことにより、ファシリテーターの能力やモチベーションが下がっている可能性がある。
これら課題については、来月中旬に行われるNGOプラサムとの経験共有会合などを通じて、手法自体を改善していきます。

2)質のミニマムパッケージ(算数活動)

今月は、講師研修、代表ファシリテーターへの研修を経て、各地にて校内研修が実施され、下旬には今年度対象65校にて「質のミニマムパッケージ(算数)」の活動が開始しました。まず教育主事への講師研修を実施した上で、新規65校に対するファシリテーター研修を2日間にわたり開催しました。参加者は、対象各校から代表ファシリテーター2名および管轄区の地区教育省事務所(ZAP)長6名。今回の研修では、僅か2日間にて算数ドリル活動の概要からその回し方、ファシリテーション技術、ならびに5冊のドリル内容まで網羅する形としたため、全般的にドリルの演習時間が短くなり、講師の目が行き届いていない状況も見受けられました。特にコミュニティファシリテーターの中には解説の理解に苦慮しているケースも見られ、既にカスケード式研修の質にかかる懸念が生じています。講師研修、本研修、校内研修、現場での活動実施と、カスケード式にて落としていく際にその質が落ちることは必然であるものの、最低限の質を保つためにも、全体的な研修期間、研修内容の見直しと共に、本研修に参加する人材に関しても検討の余地があります。研修内容の見直しと共に、教員によるコミュニティファシリテーターのフォローアップや定期的なファシリテーター会合を通した技術向上の推進、さらには地区教育省事務所(ZAP)長によるモニタリングなど、対策を講じていきます。

3)学校給食関連活動

昨年11月より開始した研修を皮切りに、アナラマンガ県アバラジャン郡の5校を対象校とし、生徒の学力向上に寄与する自主給食運営のモデル化を進めています。同時に、子どもの栄養に関わるテーマについて、FEFFIを通じた質の高い情報共有と啓発による、父母や住民の知識向上を目指す試験的な取り組みを進めています。

・自主給食活動に係る研修
今月から対象5校全てにおいて自主給食活動が開始されました。2校のモニタリングを行った結果、自主給食活動は概ね問題なく実施されているようです。また、概ね全校において前年度よりも給食の頻度の増加を計画し、その結果補習時間の増加も想定されており、プロジェクトの介入に対する効果発現が期待できます。
今後は、これまでに全く自主的な給食運営を実施したことがないものの、給食実施及び生徒の学力向上に対するニーズがある学校5~10校程度を選定し、今学校年度中の給食開始に向けた準備を行います。FEFFIの機能度、地域で生産される農作物の種類や量、父母の貢献への期待度等を鑑み、対象校の選定を進めてます。給食運営の経験がない学校に、自主学校給食の取り組みを推進することとなり、この活動が自主給食運営のモデル化の一歩となります。

・栄養啓発活動実施の準備
前述した対象5校において、子どもの栄養に関する特定のテーマにおける、FEFFIの仕組みを通じた啓発活動を2月に実施することを計画しています。この取り組みを成功させれば、FEFFIを通じて多種多様なメッセージを父母や住民に伝えることが可能となり、啓発の手段としてFEFFIを利用することの利点が明らかになります。具体的には、FEFFI総会を通じて父母、住民、教員に対し子どもの栄養に関する啓発を行い、総会で得た知識を元に、各集落の代表者が集落の住民に啓発活動を行います。以下を啓発のテーマとし、研修の準備を進めています。

1)WASH(基本的な水と衛生):石鹸(炭)を使った手洗い、トイレの正しい利用法、飲用・調理用水の正しい利用法
2)食物多様性
3)改良かまど利用のメリット

(3)教育省、ドナー関係

1)学習及びアカウンタビリティに資する教育セクター計画セミナー

18日、世銀及びユネスコが主催するセミナーに参加した。同セミナーは、最新の世銀・世界開発レポート(テーマ:学習)及びユネスコの最新のグローバルレポート(テーマ:アカウンタビリティ)のお披露目を行うことが主目的でした。セミナーのテーマである「学習及びアカウンタビリティ—」がプロジェクトの内容と深くかかわっていることから、世銀から発表を依頼され、発表を行う方向で調整・準備が進められていたものの、最終的には基礎教育局長によって発表が行われ、グッドプラクティスとしてJICAの事例が上げられました。

(4)所感

FEFFIの全国普及への努力

教育省から機能するFEFFIの全国普及への協力を求められました。教育省は、この全国普及を2017/2018学年度の終了までに終わらせたいという強い意志を持っています。要請の背景には、世銀やドナーが学校補助金供与の条件として、FEFFIの機能化を条件付けたことがあります。教育省は、ドナーが介入済みの学校を除いた「機能するFEFFI」(DEFによれば、FEFFIの民主的設立とPECの中でProgramme d’Emploiが存在すること)が設置されていない学校数は1万校強としており、そこへ機能するFEFFIを設置することを急いでいます。
JICAへの要望はFEFFI外部評価と全国普及の前倒しです。プロジェクトからは、外部評価の前倒しの可能性はあるが、全国普及に関してはプロジェクト現フェーズの対象外であることを説明しました。教育省の全国普及への強い意志表明は、この分野の支援が世界的に退潮傾向であることを考慮すれば、プロジェクトにとってポジティブな出来事であると思われます。先方の要望に応えるべく、日程の前倒しや、資金獲得への努力を継続的に行っていくことはプロジェクトにとっても有益です。

活動に関する写真

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住民ファシリテーターによる読み書き活動

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Amvobona校での自主学校給食の様子。
椅子をテーブル代わりにしている。

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Amvobona校での自主学校給食の様子。
スープをよそうお玉がないため、皿ですくっている。