みんなの学校(TAFITA)2018年4月の活動

2018年6月7日

今月の主な活動

(1)基礎モデル(FEFFI活性化モデル)に関する活動

1)学校活動計画中間評価総会モニタリング

アナラマンガ県対象8郡教育省事務所(CISCO)の1649校では、現在、学校運営委員会(FEFFI)による中間評価総会が実施されています。一般的に父母の教育及び学校活動計画の実施状況に対する関心は高いことが明らかになっていますが、一部の学校で、校長が総会の議事進行を一人で行っている例も見受けられます。また大多数の学校で、補習活動が行われています(1649校中、現在1486校の実施を確認済み)が、多くの学校において補習活動の質が高くないとの報告もあります。補習活動の手法やアイディア等については、現在のPEC研修では触れていませんが、今後研修に盛り込むことも検討していきます。

(2)応用モデル関係

1)質のミニマムパッケージ(読み書き・算数)

(ア)算数活動
今月は、算数ドリルNo.5~No.8までを扱う「第2回ファシリテーター研修」を質のミニマムパッケージ(算数)対象75校に実施しました。それに先立って実施した3日間の講師研修においては、活動のモニタリング・支援・指導を適切に行えるよう、FEFFI監督官、指導主事、地区教育省事務所(ZAP)長を講師として育成しました。また、算数ドリル活動を研修プログラムに組み込み、児童への接し方、活動の回し方、グループ運営などを実践を通して学ぶ形としました。これにより参加者のモニタリング・指導実施への意識を高めると共に、ファシリテーターが面する問題に対して、実体験をもとに、より現場のニーズに即した指導が可能となることが期待されます。
75校の代表ファシリテーターが参加した「ファシリテーター研修」においては、現在すでに当該活動に従事していることから、問題点や経験の共有を行いつつ、改善すべき事項の共通理解を図りました。また、2日間の研修において、新たなドリルの全内容を一通り網羅したものの、掛け算・割り算といった内容が加わり、ドリルの難易度が上がったため、コミュニティファシリテーターの中には教員のサポートを必要とする状況も見受けられ、今後、校長や教員によるサポートと共に、継続的にファシリテーター間で復習を行うことが必要です。
今月下旬には各校にて、当該研修に参加した代表ファシリテーターが他のファシリテーターに対して研修内容を伝達する「校内研修」が実施されました。いずれの対象校もほぼ予定通り真摯に校内研修に取り組んでおり、当活動への意識の高さが伺われますが、その一方、研修内容の質にばらつきがあることは否めず、講師として育成したZAP長のモニタリング支援はもちろんのこと、FEFFI連合総会や連合活動等を通した情報交換が継続的に行われることが望まれます。今後は、児童の進捗状況に合わせて、適宜、ドリルの配布が進められる予定です。

(イ)読み書き活動
引き続き、パラレル型(週2回読み書き、週3回算数)対象35校で読み書き補習活動が行われています。大多数の学校で、朝の通常授業でも、補習授業で導入した手法(例:ブロック体)が採用され、子どもの読み書き能力が全体的に上がっていることが感じられます。問題は、先月に引き続き、農作業により、ファシリテーターも、児童(両親の農作業のサポートや弟妹の世話)も欠席が増えてきていることです。現在は昼食後すぐに補習を実施している学校が多いですが、農作業後の夕方から補習を実施するなどの柔軟な対応を取ることが求められ、関連の優良事例を収集中です。

2)学校給食関連活動

アバラジャン郡の5校は、自主的な学校給食運営を実施してきた経験があり、給食運営は、端境期にあたる概ね1月~6月の期間に、食料不足を緩和するために計画され、同期間中は週に2回~3回の頻度で給食が実施されています。プロジェクトの活動では、学校給食の実施期間の延長や、実施回数の増加を目指しています。前学校年度に比べ、概ね順調に給食実施回数を増やしていることが確認されました。また今年度の学年終了時期は、例年の6月ではなく8月上旬になることから、多くの学校において、学校給食は学校年度終了時期までの延長が計画されています。ただ、5校中4校は、各学校が計画した給食の目標実施回数には到達しないことが予想され、計画通りに給食が実施されなかった要因を解明し、残り期間の給食運営を改善できるよう支援します。
上記5校に加え、新たな対象校としてアンドラマシナ郡及びアチムンジャン郡の4校に対し、自主給食開始のための研修を実施済みです。同4校は、自主給食を実施した経験のない学校であり、自主給食を根付かせ、補習の実施を促進し、結果的に生徒の学力を向上させることを目標としています。今月には、全校において自主学校給食詳細計画の策定及びその後の給食の開始が確認されている。また、次学校年度の給食費及び米の収集を収穫期に合わせて行うよう支援しました。これは、対象校の保護者の多くが農業(主に米栽培など)で生計を立てているため、米の収穫期に当たる4月~6月頃に、給食用の米や給食費の収集を行うことが好ましいためです。これまでに、生徒が持ち寄る米や給食費の徴収が滞ることが、給食の停止や実施回数の低下につながることが明らかになっていため、家計の収入や自己消費用の米が潤沢である米の収穫期に給食用の米及び給食費を徴収することが、持続的な自主給食実施のカギになると考えています。

・栄養啓発活動
前述したアバラジャン郡の対象5校において、子どもの栄養と保健に関するテーマにつき、FEFFIの仕組みを通じた啓発活動を進めています。1)食物多様性、2)WASH(水と衛生)、3)改良かまど、の3つのテーマの内、今月はWASHに係る啓発を3校で実施しました。給食委員及び栄養啓発委員が中心となり、住民総会を利用し、父母や保護者に対してトイレの正しい使用法、手洗いをすべき3つのタイミング(調理前、トイレ後、食事前)、原水を正しく飲用水に変える方法などについて情報伝達を行い、特に重要なポイントは、歌を用いて繰り返し伝えました。一方、啓発委員による学校集落毎の啓発活動は、3月に実施したものの、啓発委員の能力に左右され、活動の質が安定しないことから、今月は実施を保留し、より有効な啓発方法を検討する予定です。他方、啓発委員に選ばれることは名誉なことであり、いずれの学校においても啓発委員が非常に協力的であることがわかりました。引き続き、学校を中心としたこれらのアクターを活かしながら、住民が必要としている質の高い情報を浸透させるための手立てを検討していきます。
本活動は、栄養や保健に関する父母や住民の行動変容を目指す第一段階として、使える知識の向上を目標としています。この試みを通じ、栄養・保健に関する知識向上から行動変容へと移行する手段としてのFEFFIの有効性が明らかになれば、FEFFIという組織を通じた、学校関係者、父母、コミュニティに対する質の高い情報共有のシステムの基盤を構築することができるようになります。

3)教育効果の高い学校

当パイロット対象校においては、読み書き・算数の定期テスト後に、その結果分析と改善策協議のための「教員/ファシリテーター会合」が行われており、今月は、そのモニタリングを行いました。会合では、校長の議事進行の下、テスト結果評価、前回からの進捗状況の分析、目標達成へ向けた対策協議等が行われました。当該校は、校長のモチベーションや能力、統率力も高く、それに呼応するかたちで教員および住民ファシリテーターも安定した能力とやる気が見受けられます。その結果、他校に比べて活動自体の質の高さも感じられ、結果も確実にそれを反映したものとなっています。全般的な学校の状況に鑑みると、このようなケースは比較的稀であると言え、校長個人の資質に大きく依存する形のままでは、モデルとしての有効性・汎用性は低いと言わざるを得ないため、今後はより一般的な学校の情報を収集し、「教員/ファシリテーター会合」の枠組み、テスト結果から想定される一般的な問題抽出と分析、解決策案のモデル化等、一般的な学校にて会合を有効化し得る筋道を描く必要があります。また「教員会合」は、児童の学習効果改善に対する間接的な介入であり、それを直接的効果へと結びつけるには、さらなる工夫が必要であることから、その意味でもモデル内容の再検討を行い、モデルとしての精度を上げる必要があります。

4)県教育フォーラム関連活動

3月時点で、FEFFI連合と地方教育行政に限定した形でフォーラムを実施することで合意し、4月上旬には準備会合を開催しました。しかしながら、教育省中央より、年末に大統領選を迎える状況下、政治的な状況への配慮と慎重な対応が必要であるとし、4月のフォーラム開催を許可しない旨の最終決定が通知されました。この決定を受け、フォーラムを行わない中で、FEFFIを通した児童の学力改善にかかる住民活動を後押しし、学年度末の確実な結果へと繋げるための方策を協議する「モニタリング会合」を開催しました。この会合では、CISCO長、指導主事、FEFFI監督官、ZAP長などの教育行政側が、FEFFIによる校外学習活動をいかに支援していくか協議した上で、最終的に関係者ごとの活動誓約が行われました。またフォーラムにて共有する予定であった、県内の学力状況およびそれを改善するための戦略にかかる情報共有を、FEFFI連合総会を通して実施することが固められました。

活動に関する写真

栄養啓発活動の様子

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手洗いすべきタイミングの歌を口ずさむ父母・保護者(アバラジャン郡Vilihazo校の住民総会にて)

【画像】

川の水を処理せず飲んだことが原因で病気になるというストーリーの劇(アバラジャン郡Tsarahasina校の住民総会にて)