みんなの学校(TAFITA)2019年1月の活動

2019年2月20日

今月の主な活動

(1)基礎モデル(FEFFI活性化モデル)に関する活動

1)民主的な学校運営委員会(FEFFI)設置に関する校長(及びZAP長)研修

10日、アムルマニ県70校の校長及びZAP長を対象にFEFFI設置に関する研修を実施しました。同研修は、基礎モデルについて、第2対象県であるアムルマニ県への普及のため実施された初めての研修です。講師はアムルマニ県教育省事務所(DREN)2名、郡教育省事務所(CISCO)関係者8名(うちFEFFI担当官4名)が務めましたが、アナラマンガ県地方行政官を前年同様に継続してマスタートレーナーとして採用し、彼らからのアドバイスを得られるようにしました。研修テーマは、1)民主的なFEFFI設立に関する啓発総会の目的や方法、2)FEFFI設立総会の概要(総会の目的・方法、FEFFI組織体系など)、3)FEFFIメンバー選出選挙の実施方法です。

2)学校活動計画(PEC)策定・実施・モニタリングに係るマニュアル改定ワークショップ

1月30日~2月1日の3日間にかけて学校活動計画(PEC)マニュアル改訂及び準備会合を行いました。経験のあるアナラマンガ県教育省事務所(DREN)及び郡教育省事務所(CISCO)の行政官が参加した他、今回PECチームからPEC長1名を含む6名の参加がありました。来月の講師研修及びアムルマニ県におけるPEC研修へも講師として派遣する予定です。マニュアルの変更点は、アナラマンガ県でのこれまでの教訓を追記した他、テスト結果の住民への共有手法を簡易化しました。研修日数が2日と限られていることから、算数テスト手法(テスト実施方法、グラフ作成方法、レベル分けを含む)については、PEC研修で実施せずに、3月に実施予定のPMAQ研修時に詳細を加えることとしました。

3)算数テストの手法に関するマニュアル改訂ワークショップ及びZAP長研修

算数テストの形式を、より持続的で国際的なASERテストに変更することになりました。ASER算数テストは数の概念と四則計算の能力を測りますが、教員が子ども一人一人の横について、数の概念については口述式で、四則計算については、ノートや紙に書いて実施します。そのため、テスト用紙はテスト実施者だけが持っていれば良いため、各生徒にテスト用紙を配布するペーパー式テストに比べて安く済む点が利点です。
22日及び23日に算数テスト手法に関するマニュアル改訂を行いました。参加者は県教育事務所(DREN)職員、教員養成校(INFP)職員、アナラマンガ県のFEFFI担当官及び教育顧問、計10名でした。主なマニュアルの変更点は、1)四則計算のペーパーテストからASERテストに変更、2)出席表を添付資料として追加、3)住民総会におけるテスト結果の発表は、住民に分かりやすいグラフに改訂する(読み書きのテスト結果を「読める」、「読めない」という表示に改訂。同様に、算数テストも「3桁が読める」「3桁が読めない」というグラフに改訂)。4)現状分析と目標の立て方についてグラフの書き方を挿入、の4点です。
28日はアナラマンガ県ZAP長130名及び教育顧問、FEFFI担当官を集めて算数テストの実施方法に係る研修を実施しました。当日は他研修に参加せざるをえないということで12名のZAP長が不参加となり、後日、教員養成校(INFP)にて別途研修を実施しました。テスト実施に関しては、正解、不正解を見るだけでなく、同テストの本来の目的である生徒がどこで躓いているかを教員が気づくことが大切です。その点について一部の参加者が理解していない印象を受けましたが、講師からも補足説明が入る等、概して一定の質を保ちながら研修は実施されました。

(2)応用モデル関係

1)質のミニマムパッケージ(プラサム型TaRL読み書き)パイロット活動

12月からプラサム型TaRL読み書きの補習授業を試行中ですが、教員のTaRL手法の運用も徐々に改善が見られており、農村部の学校では生徒も能動的に学んでいると報告されています。一方で、いくつかの課題も見られます。一つ目は、直接研修を受けていない教員及びコミュニティー・ファシリテーターのTaRL活動の質が低いことです。例えば、一部の学校では、インフォーマルトーク(注:教員と生徒が床に座って、日常生活に基づいた話をするもので、プラサムでは、教員と生徒の距離を縮めるものとして非常に重視している)について、従来通りに教員が前に立ち、子ども達が椅子に座った状況で、教員の指示に子どもたちが従うというような形で進められており、教員と生徒の距離を縮めるような活動にはなっていませんでした。これらの状況を受けて、アムルマニ県では、なるべくカスケード研修は実施せず、基本的に全てのファシリテーターに対して直接研修をすることとします。また、一部の学校において、ファシリテーターが繰り返し同じ教材を使用しているため、生徒の学びへの興味が薄れてきた、コミュニティー・ファシリテーターのモチベーションが下がってきた、テスト結果の分析が教員間では難しい等の課題も徐々に挙がってきているため、校長やFEFFIを巻き込んで解決策を探るほか、今後の手法の改善に活かす必要があります。

2)学校給食関連活動

今月から自主型給食に加え、外部支援主導型の給食モデルを改善する目的で、プロジェクトが米を供給しつつ給食を運営する試行を開始しました。同試行の対象校はアンドラマシナ郡から10校を選定しており、23~24日の2日で、学校給食活動計画(PEC/ASE)研修、30~31日に学校給食詳細計画策定研修(PAS)を実施しました。
教育省やWFPなどが行っている既存の給食プログラムはコストが高く、学校の自立性を促進する仕組みがありません。これを改善するために、プロジェクトでは米を提供しつつも、同時に内部リソースの動員を促すことで、必要な外部支援の割合をできる限り抑え、学校の自立性を高めます。2018/19学年度はプロジェクトと学校から半分ずつのお米を集めて実施し、2019/20学年度はプロジェクトから1/3、残り2/3は学校から回収し実施するといった移行型を検討しています。
28日に、算数テストの手法に関するアナラマンガ県ZAP長研修が実施され、この機会を利用し、自主給食の実施状況に関するアンケート調査を行いました。ZAP長の記憶に頼った調査なので、全て正確ではない可能性もありますが、回答が得られたアナラマンガ県内1,445校のうち146校(10%)で現在自主給食を実施していること、その多くは、週1もしくは2日間の頻度、農業生産の端境期にあたる1-3月の期間で行っていることがわかりました。また、自主給食を実施している学校の割合は県全体で10%程度だが、アンドラマシナでは61%という高い割合の学校で自主給食が実施されており、郡教育省事務所(CISCO)によって偏りがあること、多くは給食実施経験が3年未満ですが、中には10年、20年以上にわたって自主給食を継続している学校があることが分かりました。
また、すでに研修を受けている対象校の内、アバラジャン郡及びアチモンジャン郡に属する対象校27校を対象に、モニタリング会合を実施しました。会合では、毎月給食の実施状況や裨益人数、収集したリソースの記録などの情報を収集し、現在結果を取り纏め中です。さらに、すでに研修を受けている対象校50校での自主給食活動の実施状況を確認するためにモニタリングを行いました。過去に給食運営の経験がない学校は21校あり、その内3校を訪問しました。概ね順調に給食運営をしている様子でしたが、給食費の収集が滞っているケースや、収集した給食費や米などのリソースの記録を適切に残していないケースなどが散見されました。毎月給食の実施状況等の実績情報は、各学校がZAP長や郡教育省事務所(CISCO)を通じてプロジェクトに共有することになっていますが、今後はモニタリングシステムの一層の強化にも取り組む予定です。

(3)教育省、ドナー関係

1)世銀ミッション及びドナーのTAFITA現場視察について

14~25日にかけて世銀本部よりマダガスカル教育案件の担当職員が世銀プログラム(PAEB)のモニタリングのために、同国を訪問しました。15日には、世銀職員、教員養成校(INFP)担当者及びDCI(中央教育省カリキュラム)局長が出席するなか、「JICAの経験をINFP及びDCIがどのように活かせるか」について意見交換を行いました。また、17日には現場視察の機会を設け、世銀の他に、UNICEF、AFD、ノルウェー大使館が参加し、住民総会による学校活動計画採択の様子、補習時間に実施しているプラサム・ドリル統合型の算数活動を視察しました。ドナー参加者は、遊び、具体物、ドリル等を使った活動の手法に非常に興味を持ったほか、総会を通じた情報共有に好印象をもったようでした。それと同時に、世銀職員からは、通常授業後の補習授業は教員に対する負担が大きいのではないかという懸念が示されました。後日行われたドナー会合では、JICAに対しては、非常に興味深い活動を見ることができた上に、ドナーのコーディネーションの成功例だったと謝意が示されました。

2)世銀コンサルタントとの補助金に係る経験共有

24日に、PAEBの補助金担当コンサルタントと会合を行い、プロジェクトの住民監査及び機能するFEFFIのアプローチに関する情報共有がありました。TAFITAの活動については、「非常に重要な活動」と評価し、内部会合でも共有すると述べました。

3)大統領顧問に対するプロジェクト説明

14日、マダガスカル日本大使及び参事官、JICAマダガスカル事務所所長及び農業関連企画調査員・プロジェクト専門家と共にラジョリナ新大統領事務所を訪問し、大統領顧問4名に対するプロジェクト説明を行いました。先方からは給食に対する質問があったほか、会議後顧問の一人から、発表が興味深かった点言及がありました。

活動に関する写真

1)学校活動計画(PEC)策定・実施・モニタリングに係るマニュアル改定ワークショップの様子

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2)算数テストの手法に関するZAP長研修の様子

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