プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)みんなの学校:住民参加による教育開発プロジェクト
(英)Participatory and Decentralized School Management Support Project

対象国名

マダガスカル共和国

署名日(実施合意)

2016年2月22日

プロジェクトサイト

対象サイト:アナラマンガ県(第一対象県)、アムルニマニア県(第二対象県)

協力期間

2016年6月1日〜2020年5月31日

相手国機関名

(和)国民教育省
(英)Ministry of National Education

背景

(1)当該国における教育セクターの開発実績(現状)と課題

マダガスカル政府は、国家開発計画2015〜2019における柱の一つ「開発プロセスに相応する人的資源開発」に教育開発を位置づけ、特に基礎教育へのアクセス及び質改善のための政策を実施することを掲げている。同国の初等教育へのアクセスは、2008年に純就学率が83.3%に達する等、一定の成果を残してきたものの、2009年の政治危機を契機に悪化し、2012年には73.4%(中央統計局2010年)まで落ち込んだ。また、初等教育修了率は2009年の74.0%から2013年の68.5%(世界銀行2015年)にまで低下した他、留年率20.5%(世界銀行2015年)、中退率17%(教育省2012/2013年)等、初等教育の内部効率に大きな課題がある。仏語圏アフリカの国際学力調査(PASEC)においても、マダガスカルの子どもの学力(フランス語、算数)には明らかに悪化の傾向が見られる。

(2)当該国における教育セクターの開発政策と本事業の位置づけ

マダガスカル国民教育省では、初等教育の内部効率が低い原因として、脆弱な教育行財政、教員政策の不在による教授法の質悪化、地域やコミュニティ離れによる学校の機能不全等を挙げている。マダガスカル政府は、国家開発計画(2015〜2019年)に基づき、初等教育における国際水準の教育システム構築を目指し、非識字者の減少、全ての子どもへの無償で良質な教育の提供、教育システムの機能性強化を実施する方針である。また暫定政府時代には、教育セクターの立て直しを図ることを目的に「暫定教育開発計画(Plan Interimaire pour l’Education:2013〜2015年)」を策定し、「教育のアクセス」に係る充足を図りながら、悪化傾向にある「教育の質」改善に取り組むため、教育行政や教員制度などの「組織・制度の強化」に取り組んでいる。

(3)教育セクターに対する我が国及びJICAの援助方針と実績

本事業は、第5回アフリカ開発会議(2013年6月)にて示された日本政策において、「万人が成長の恩恵を受ける成長の促進」に合致する案件である。また、我が国は対マダガスカル経済協力において、教育・保健分野などの「基礎生活の向上」を重点分野として掲げており、本プロジェクトは、同重点分野を対象とするものである。なお、無償資金協力として、過去3次にわたり小学校建設計画を実施済みであり、現在「第4次小学校建設計画」を実施中である。

(4)他の援助機関の対応

2009年以降、暫定政権であったことを受け、ドナー協調による財政支援は主流となっていない。現教育セクター計画(PIE:2013〜2015年)に対しては、UNICEF/ノルウェー支援、GPE支援による世銀PAUET(万人のための教育プログラムにおける緊急支援プロジェクト)、世銀のPAUSENS(教育・保健・栄養の基礎サービスにおける緊急支援プロジェクト)、AFD支援によるEPTM/AQUEM(マダガスカルにおける万人教育/ マダガスカルにおける教育の質改善)、EU支援によるPASSOBA(社会基盤セクターへの支援プロジェクト)がある。

目標

上位目標

参加型・分権型学校運営モデルが全国へ普及される。

プロジェクト目標

教育改善を目的とした参加型・分権化学校運営改善モデルが全国へ普及されるための基盤が整備される。

成果

成果1:第一対象県(アナラマンガ県)において、改善された参加型・分権型学校運営モデルが開発、普及、活用される。
成果2:第二対象県(アムルニマニア県)において、改善された学校運営モデルの有効性、汎用性が検証される。
成果3:参加型・分権型の学校運営管理の改善モデルが、評価・承認される。

活動

成果1

1-1 国民教員省(MEN)、開発パートナー(PTF)、学校における地方分権型学校運営の実態調査を実施する。
1-2 分散化・分権化機構関係者との分権型学校運営モデルの開発と機能化に係る経験共有ワークショップを実施する。
1-3 コミュニティによる民主的な学校運営委員会(FEFFI)の設置に関する仕組み(実施手順とツール)を強化する。
1-4 コミュニティによる民主的な学校運営委員会(FEFFI)設置に関する研修を実施する。(講師研修、FEFFI関係者研修)
1-5 分析、計画立案、財務管理及び内部モニタリング等の学校契約プロジェクト(PEC)枠組み(実施手順とツール)を強化する。
1-6 FEFFI 執行部へのPECに係る研修を実施する。(講師研修、FEFFI関係者研修)
1-7 モニタリングの仕組み(実施手順とツール)を強化する。(モニタリング/技術助言の提供)
1-8 FEFFI連合執行部の民主的な設置に係る仕組み(実施手順とツール)を構築する。
1-9 FEFFI執行部へのFEFFI連合の民主的設立に係る研修を実施する。(講師研修、FEFFI関係者研修)
1-10 FEFFI連合の活動を通じたFEFFIモニタリング(モニタリング/技術助言の提供)に係る分散化・分権化機構関係者への研修を実施する。
1-11 分散化関係者(県教育局(DREN)、学区事務所(CISCO)、教育管理地区(ZAP))と分権化機構関係者が行うFEFFI活動モニタリング会合の開催を支援する。
1-12 アクセス/残存率、質、教育ガバナンスの向上を目指した県教育フォーラムを実施する。
1-13 パイロット県において分権化学校運営の改善モデル試行に係るレビュー・ワークショップを実施する。
1-14 学習の質の改善をもたらす活動を実施する。

成果2

2-1 改善モデルの有効性と適用可能性(汎用性)を保証するための第二パイロット県を確認する。
2-2 分散化・分権化機構関係者との分権型学校運営モデルの開発と機能化に係る経験共有ワークショップを実施する。
2-3 コミュニティによる民主的な学校運営委員会(FEFFI)の設置に関する仕組み(実施手順とツール)を強化する。
2-4 コミュニティによる民主的な学校運営委員会(FEFFI)設置に関する研修を実施する。(講師研修、FEFFI関係者研修)
2-5 分析、計画立案、財務管理及び内部モニタリング等のPEC枠組み(実施手順とツール)を強化する。
2-6 FEFFI 執行部へのPECに係る研修を実施する。(講師研修、FEFFI関係者研修)
2-7 モニタリングの仕組み(実施手順とツール)を強化する。(モニタリング/技術助言の提供)
2-8 FEFFI連合執行部の民主的な設置に係る仕組み(実施手順とツール)を構築する。
2-9 FEFFI執行部へのFEFFI連合の民主的設立に係る研修を実施する。(講師研修、FEFFI関係者研修)
2-10 分散化・分権化機構関係者に対し、FEFFI連合の活動を通じたFEFFIモニタリング(モニタリング/技術助言の提供)についての研修を実施する。
2-11 分散化関係者(DREN、CISCO、ZAP)と分権化機構関係者が行うFEFFI活動モニタリング会合の開催を支援する。
2-12 アクセス/残存率、質、教育ガバナンスの向上を目指した県教育フォーラムを実施する。
2-13 パイロット県において分権型学校運営の改善モデル試行に係るレビュー・ワークショップを実施する。
2-14 学習の質の改善をもたらす活動を実施する。

成果3

3-1 分権型学校運営の改善モデルに係る外部評価の実施支援を行う。
3-2 他県関係者との経験共有およびモデル技術最終化を目的としたワークショップを実施する。
3-3 モデルの制度化を承認するワークショップを実施する。
3-4 モデルの全国普及戦略文書を策定する。

投入

日本側投入

1)専門家(総括/学校運営、学校運営委員会能力強化、研修運営/教育開発、研修運営/業務調整、モニタリング強化等)
2)本邦研修、現地国内研修
3)ローカルコンサルタント傭上、ワークショップの開催等
4)機材(車輌、印刷機、コピー機、ファックス、PC、プロジェクター等)

相手国側投入

1)カウンターパートの配置(教育省計画局、基礎教育局、州局、教育学区:CISCO、ZAP、校長、地方自治体:コミューン)
2)プロジェクト事務所(教育省本省、州局、教育学区:CISCO)
3)事務所賃料、電気、水、通信費、カウンターパートの出張旅費等