プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)中等理数科教育強化プロジェクト
(英)Project for Strengthening of Mathematics And Science in Secondary Education in Malawi

対象国名

マラウイ

署名日(実施合意)

2013年6月5日

プロジェクトサイト

マラウイ国全土

協力期間

2013年8月1日〜2017年7月31日

相手国機関名

(和)教育科学技術省
(英)Ministry of Education, Science and Technology(MoEST)

背景

マラウイ共和国(以下、マラウイ)は、低迷する就学率を向上させるため、1994年に初等教育(8年制)を無償化した。その結果、1年間で初等教育就学者数が1.9百万人から2.8百万人へと急増し、これに伴い初等教育修了者数も増加したため、中等教育就学者数も5万人(1994年)から26万人(2010年)に急増した。しかし生徒数に比べて教員養成が追いついておらず、中等教員11,300人のうち正規の資格を有する教員は約4,911人(44%)に留まり、正規教員の不足が深刻化している。また、有資格教員1人あたりの生徒数は政府校で26名であるのに対し、コミュニティ中等学校(Community Day Secondary School:CDSS)では62名、私立校では128名と学校種別間のばらつきが大きく教員配置も不均等である(教育マネジメント情報システム(EMIS)2012年)。後期中等教育終了資格試験の合格率は、近年改善傾向にあるものの約54%(2011年)に留まり、教育の質的側面でも改善の余地がある。このように、中等教育セクタ−においては教育へのアクセスは向上したものの、適切な教育を提供できる体制が整備されていないことが課題であり、低資格教員(無資格の教員、教員免許を有しているが別教科を教えている教員、小学校教員が中学校を教えている等教育レベルがミスマッチしている教員)の能力向上、有資格教員の新規養成が求められている。

マラウイの国家教育セクター開発計画(National Education Sector Plan:NESP, 2008-2017)では、中等教育の質的・量的拡充を目標とし、特に中等教師教育分野においては有資格教員の増加、教員の授業時数の適正化、低資格教員の資格付与のための遠隔教育コース拡充、現職教員研修を通じた教員の資質向上などを優先的課題として掲げている。

JICAはこのようなマラウイ教育政策の下、教育省の要請を受け、「中等理数科現職教員再訓練プロジェクト(SMASSE)」(2004-2007)、「中等理数科現職教員再訓練プロジェクトフェーズ2(SMASSEフェーズ2)」(2008-2012)を実施し、理数科教授法を改善するための現職教員研修を全国で継続的に実施できる体制作りを支援してきた。SMASSEフェーズ2終了時評価調査では、現職教員研修を継続的に実施できる人的・組織的・財政的基盤などの「体制整備」という成果が確認された(合計4回の中央研修及び計3回の地方研修を実施。これら研修を通じ、2500名の理数科教員の育成という目標値に対して、中等教員の約3割にあたる約3000名が育成された)。他方、SMASSEフェーズ2においては基本的に有資格者の現職教員の研修から実施しており、低資格者(小学校教員の資格しか持っていない教員)等への研修は引続き実施していかなければならない状況にある。また、研修内容についても更なる質の向上が求められている。このような状況を受け、マラウイ政府は、日本政府に対し、SMASSEフェーズ2の成果をさらに普及・継続し、さらなる理数科教員の能力強化を図るため、現職教員研修の継続的実施、加えて教員養成課程におけるSMASSE研修を導入すべく、新規教員養成課程(教育実習前)での実践的な教授法に関する研修実施等をコンポーネントとする「中等理数科教育強化プロジェクト」を要請した。

目標

上位目標

マラウイ国中等学校において、理数科教員の授業の質が向上する。

プロジェクト目標

マラウイ国中等学校において、理数科教員がプロジェクトで導入した教授法を実践する。

成果

1)“質の高い”中等理数科現職教員研修が実施される。
2)持続的な中等理数科現職教員研修の運営体制が強化される。
3)新規教員養成においてSMASSEのアプローチが導入される。
4)現職教員研修及び新規教員養成の改善に資する優良事例が、パイロット校で実施されるアクション・リサーチを通じて生み出される。

活動

1-1 中央研修講師及び地方研修講師のToRを見直す。
1-2 中央研修講師及び地方研修講師を新規に採用する(必要に応じて)。
1-3 現職教員研修のカリキュラム及び教材を見直し、開発する。
1-4 中央研修講師を訓練する。
1-5 視学・指導サービス局(DIAS)と協力して、ASEI/PDSI(注1)チェックリストを開発する。
1-6 中央研修を実施する。
1-7 中央研修のモニタリングと評価を実施する。
1-8 地方研修講師の会合(ToT:Training of Trainers)を開催する。
1-9 地方研修を実施する。
1-10 地方研修のモニタリング及び評価を実施する。
1-11 教育管区事務所が組織した、クラスター研修活動に対する技術支援を行う。

2-1 現職教員研修に関する様々な委員会のToRの見直しを行う。
2-2 プロジェクト運営に係る各種会合(プロジェクト運営委員会、ステークホルダー会合、教育管区調整委員会など)を開催する。
2-3 PTA(保護者と教職員の会)、学校運営委員会、教育省職員等のステークホルダーに対する啓発活動を、必要に応じて実施する。
2-4 教育管区事務所が組織した、校長を対象とする授業モニタリング研修に対する技術支援を行う。
2-5 中央・地方研修センターの機材・設備維持管理ガイドラインの見直しを行う。
2-6 中央・地方研修センターの施設と物品の管理状況調査を実施する。
2-7 中央・地方研修センターに必要な物品を整備する。
2-8 選定されたクラスター拠点校に教材教具を整備する。
2-9 新聞、ラジオ、テレビ等を通じて、現職教員研修活動に係る広報活動を行う。

3-1 新規教員養成機関に対してSMASSEの活動についての啓発活動を行う。
3-2 SMASSEアプローチを新規教員養成課程に反映させるための戦略策定ワークショップを開催する。
3-3 SMASSEアプローチを理数科教育法のシラバス(科目概要)に反映させる。
3-4 現職教員研修の教材に(必要であれば)修正を加えて、新規教員養成課程の集中講義の教材を作成する。
3-5 新規教員養成課程の最終学年の学生に集中講義を実施する。
3-6 教育実習生の授業を評価する。
3-7 新規教員養成機関に対するレビュー会合を開催する。

4-1 パイロット校を選定する。
4-2 パイロット校と協力して活動計画を策定する。
4-3 教育管区所属視学官と協働して、モニタリング、指導、助言をパイロット校の教員に対して実施する。
4-4 パイロット校の生徒の理解度と学習到達度を評価する(質問票及び試験)。
4-5 アクション・リサーチの結果を分析し、優良事例を取り纏める。
4-6 アクション・リサーチの結果を文書としてまとめる。
4-7 アクション・リサーチの結果を国内外の関係者と共有する。

(注1)Activity, Student, Experiment, Improvisation/Plan Do See Improveの頭文字をとった、生徒中心型授業法

投入

日本側投入

・専門家3名(チーフアドバイザー1名、業務調整/理数科1名、理数科1名)
・短期専門家(必要に応じて)
・本邦研修及び第三国研修
・機材供与(車両、事務機器、等)

相手国側投入

・(専属)カウンターパート20名(プロジェクトダイレクター1名、プロジェクトマネージャー1名、教員教育開発局及び基準・アドバイザリー局約10名、ドマシ教員養成校講師約5名、地方コーディネーター数名)
・プロジェクト執務室及び執務室維持経費
・研修実施にかかる費用
・モニタリング経費